いくつになっても自分の足で立ち、歩けることは大切なことです。
足の健康を保つことは大事だと思っている人も多いでしょうが、実際にケアをしている方はそれほど多くはないように思います。
今回は、「知ってさえいたらこんなことできたのに」と後悔しないチェックポイントをご紹介します。ぜひ毎日の生活の中でチェックしてください。
チェックしたい3つの部位
年齢を重ねると、足にさまざまな問題が現れてきます。しかし、日頃から意識するだけでもケアを心がけられます。
足のチェックポイントは「爪」「皮膚」「関節」です。
爪
以下に紹介するポイントは、いずれも足指の痛みにつながりやすいので、日頃からチェックが必要です。
長さ 爪が長いと、衣類や寝具に引っかかりやすくなり、爪が割れたり爪が剥がれる危険が高まります。 生えている方向 隣の指に接触していたり、上や下に向かって食い込んで生えていたりしたら注意が必要です。足に傷を負わないためにも、生えている方向に対応した爪切りが必要です。 厚さ 厚い爪は爪切りが大変なので、放置されがちです。靴に爪が当たって爪囲炎(爪の周りの炎症や腫れ)を起こすことがあるので、厚くなっていたら削ったり、靴と当たらないか確認し靴の見直しも必要です。皮膚
皮膚には健康状態が出やすいとされています。次のポイントに気をつけてください。
色 「左右の皮膚に差がある」「足の先だけ色が悪い」「部分的に色が違う」などの異変には気をつけましょう。場合によっては主治医に相談し、治療が必要なケースもあります。関節の硬さ
アキレス腱は年齢とともに硬くなり、伸びにくくなります。また、加齢によって足の指のつけ根が曲がりにくくなることで、指の間を広げにくくもなります。
一般的に歩くときには、かかとから着地して親指で蹴り出すのが理想です。しかし、足首や足のつけ根の関節が硬いと、歩幅が小さくなりペタペタとしか歩けなくなります。
それぞれの対処方法
爪
チェックポイント- 自分の足の爪が見えない
- つま先まで手が届かない
- 手の感覚がない
- 爪が硬く、厚くなっている
上記のうち1つでも当てはまる場合、自分で爪を切ることにこだわる必要はありません。ご家族や訪問看護師、爪切りをしてくれるサロンなどを頼って、安全な爪切りを行いましょう。実際に、お肉まで切ってしまった高齢者も少なくありません。
また、爪がまっすぐ生えていなかったり、とても厚くなっている場合は、介護従事者や医師、看護師への相談をおすすめします。
使いやすい道具を紹介してくれたり、上手な人がコツを教えてくれるかもしれません。よく使われている「爪切り」以外にも、専用のヤスリやニッパーなどもあります。
皮膚
足の皮膚を健康に保つためには次の4つのポイントが大切です。
関節
入浴後などにストレッチを無理のない範囲で行うと、柔軟性を維持し、さらに固くなることを予防できます。例えば、足の指と手の指を組ませて反らせたり、足首を回したりなどでも構いません。
痛みがある場合は決して無理をせず、かかりつけ医と相談しながら悪化を防ぎましょう。
毎日足を観察することの大切さ
「足って大切でしょう?」
そうおっしゃって相談にこられた80代の女性がいらっしゃいました。年齢を重ね、骨粗しょう症で腰椎圧迫骨折の既往歴もあります。
健康への不安を抱えながら、自分なりにケアとして毎日足首を回したり、かかとあげをしたり、足の指をマッサージしたりしているとのことでした。
自分の足はどうなのか、今のお手入れで良いのか不安になって相談しに来たのです。
足を拝見すると、むくみもなく関節も柔らかい状態でした。そして、ご自分の足の状態を言葉で伝えられるほどよく観察しておられたのです。
これは非常に素晴らしいことです。普段の状態を自分で知っていれば、変化に気づきやすいからです。変化に気づければ、その原因を考え、対策にもつながります。
糖尿病などの疾患を抱えている方には、病院でも「毎日足を見て観察して」と声をかけます。私はこの事例を通して、病気がなくても毎日足を見ることが自分の足だけでなく、健康を守ることを意味する重要な行為なのだと改めて気づかされました。

年齢を重ねると、足にも細かな配慮や目配りが必要になります。最近では、私のように足を専門にしているサロンも増えてきました。
医療や福祉と併せて、身の回りにある専門知識をもった機関を利用することも大切です。
本来は深い知識が必要ですので、本来は深い知識が必要ですので、一人で悩まずに、ぜひ周囲を巻き込んで一緒に大切な足を守っていきましょう。
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