8月2日夜、長野県宮田村の介護施設で行われた花火大会で、96歳の入居者の服に火が燃え移り、足をやけどしてしまうという事件が起きたとの報道がありました。

老人ホームでは入居者の方々の気分転換のために、季節の行事を実施していることが多く、8月は特に夏祭りや花火大会が人気です。

利用者のご家族や地域住民の方を招いて実施するケースもあり、いつもとは雰囲気がガラッと変わる一大イベントとなります。

楽しみにしている利用者が多い一方で、施設職員にとっては一年で最も気を張る一日との声も。

そこで今回は、ケアマネ経験のある編集部員ヤマザキが老人ホームで夏祭りや花火大会に参加するうえでの注意点についてお届けします。

行事に参加される利用者やご家族の方に注意していただきたいポイントをお伝えするので、ぜひ参考にしていただき、安全で楽しい時間を過ごしてくださいね。

花火中は目を離さないで

【服が燃える事故が発生】老人ホームの花火大会や夏祭りで起こり...の画像はこちら >>

花火大会では、打ち上げ花火を眺めている分には危険はありません。

気を付けたいのは手持ち花火です。

職員の方、あるいはご家族の大人の方が、着火機を持って順番に火をつけて回るシーンを想像してください。

高齢者の花火に火をつけて最初の数秒間、適切な角度で持っていることを確認し、次の高齢者やお子さんの花火への着火作業にうつります。

そこで目を離している時に、事件は起きます。

火が消えるまでおよそ30秒、その間に筋力の衰えにより徐々に花火を持つ手の角度が下がり、花火の火が衣服に燃え移ってしまうのです。

高齢者が花火を持っている時は、火が消えるまで目を離さず付き添うようにしましょう。

屋台料理をこっそり食べさせてはダメです

夏祭りでは利用者のご家族や地域住民の方も参加されるため、焼きそばやたこ焼きをはじめ様々な食事が提供されます。

食べ応えのあるもの、脂の多いものもあり、中には高齢者が食べると危険なメニューもあります。

医師から摂取を控えるよう言われている場合、もちろん少量であっても食べてはいけません。

しかし、危険性をよく理解されていないご家族の方が「少しだけなら大丈夫だろう」と、職員に無断でこっそり食べさせてしまうケースが後を絶ちません。

その結果、のどに詰まらせてしまう「誤嚥」を引き起こしてしまうこともあります。

ヤマザキ自身、祭りの日に救急車を呼んだことも一度や二度ではありません。

ご家族の方には来場時にしっかりと注意事項の説明があるはずなので、少しだけなら…と思わず、しっかりとルールを守ってお祭りを楽しんでください。

夜とは言え暑い

夏祭りや花火大会の開催時間は夕方~夜ですが、それでも最近は30°を超えている日がほとんどです。

エアコンの効いた室内での生活に慣れた状態で、久しぶりに長時間外にいると、想像以上に体力を消費してしまうものです。

こまめな水分摂取と、あまり長時間外にいないことを意識して、見守ってあげてください。

一緒に楽しい時間を過ごすことはとても大切

注意点ばかり申し上げてきましたが、一緒に楽しい時間を過ごすことは利用者の心身の状態を保つためにもとても重要です。ぜひ注意点を守ったうえで、楽しく安全に素敵な時間を過ごしてください。

編集部おすすめ