大学教授や大手企業の社外取締役を務める名和高司氏。名和氏の掲げるパーパス(志)経営の資産はカネでもモノでもなく、“ヒト”だ。

介護業界でも人的資産の重要性が叫ばれる昨今、介護事業者は、そして介護職員はどのような志を持つべきなのか。自身の介護経験とともに、提言を伺った。

他者の幸せが自分の幸せに

みんなの介護 名和高司先生といえば、今、ビジネスで注目を集めている「パーパス経営」の第一人者でいらっしゃいます。ただ、「パーパス経営」という言葉を始めて聞く方もまだまだ多いと思います。よろしければ、改めて教えてください。

名和 パーパスとは一人ひとりが持っている「志」を指し、自分のためではなく他者にとって価値のあることをしたいという信念のことです。

今、世界中で「パーパス経営」が注目されていて、地球規模での持続可能性が課題となる中、企業においても改めてパーパスが問われています。高齢者をケアする介護の世界は特にパーパスが重要になるのではないでしょうか。企業と介護職の方がそれぞれ強い思いを持ってほしいと思います。

── 「資本主義が終焉しパーパス経営の時代になる」と提唱されています。なぜ、パーパス経営の考え方が大切になるのでしょうか?

名和 一つは、先が見えなくなっていることです。新型コロナウイルスにしてもウクライナ問題にしても、「えっ」ということが起こる時代ですよね。

先が見えない中、「こうありたい」という自分の思いがしっかりないと、もう明日すら分からないという状況になってしまいます。

だからこそ、自分をしっかりと導くような、自分なりの志を大事にすることが、むしろ問われているのです。

それから、いわゆるキャピタリズム(資本主義)の時代が、やっぱりここで壁にぶつかっています。その一方で、「成長することはやめて、みんな今のままで生きたらいいんじゃないか」みたいなこと言っている若者も多いのですが、それだと、世の中の課題に対しての答えは出ないままに、今のままで終わってしまいます。

── 成長し続けることが大切だと。

名和 正しい意味での繁栄がすごく大事。それは、自分だけの繁栄ではなく、みんなが繁栄することですね。資本主義のような、弱者を置いていく形ではない繁栄の仕方が、すごく求められてると思います。

自分だけよければいいという時代はもう終わっています。自分のためにも、周りの人たちが幸せになることが大事なんだっていう「利他の心」に気づかされてんじゃないかと思って。

そうすると、自分の生きがいというものが、自分の欲望だけではない形で達成されるような時代が来ているのではないでしょうか。

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

── 他者の幸せが結果的に自分の幸せにもつながるということですね。

名和 そうですね。

今のZ世代やミレニアル世代の人たちと話をすると「自分が成功したい」とか「金持ちになりたい」という声は聞きませんが、「何か役に立ちたい」っていう気持ちはすごく純粋に持ってる人たちが多いんです。

そういう人たちへの期待も込めて言うと、いわゆる今までの成功物語ではなく、自分たちの志に基づいて生きていくという生き様が、今求められてるんだろうなって感じます。

私、「パーパス」のことは「志」という言葉に置き換えて大事にしているんです。パーパスって言うと、目的という言葉に見えてしまいがちで、打算的で嫌なんですよね(笑)

生き方や経営・経済活動においても、自分が本当に突き動かされるような志を原動力にすべきだと思っています。

── 若い世代の方々は「突き動かされるような思い」を持っていない人もいると思います。どのように志を見つけるべきでしょうか。

名和 確かに、意外にもこの話をすると驚く人が多いです。だけど、そこが原点となるので、いきなり答えを持っていなくても構いません。自分探しの旅に近いのですが、何かに身を寄せるだけではなく、何のために自分はそれやってるんだろうと、一度自分事化するという活動を早い頃にされたほうがいいと思います。

そうしないと、流されるだけになってしまう。それこそ、会社を辞めた途端にどういう人生を歩んだらいいのかということが悩みになってしまうと思うので。

だとすると、変わることを恐れずに、その時々の自分のありたい姿を追いかけるような、そういう意識で行動していけばいいのです。

自分と会社のパーパスを重なりを見つける

── 介護の仕事はケア業務をはじめ、相手のために行動することの多い仕事だと思います。介護業界では、パーパスはどのように活かされると考えられますか?

名和 介護職の方々は、「仕事だからこなします」という意識ではなく、その人ができる限りハッピーな形で日々を送ってもらえるような寄り添いをされてらっしゃると思います。

もしそれが本当に自分がやりたいこと、すなわち志としているのであれば、その気持ちが相手に伝わります。それがロボット介護との違いですよね。人と人との触れ合いが重要な仕事の一つではないでしょうか。

そういう意味で言うと、志を持って人をハッピーにすることが、最終的に自分のハッピーにつながるということを実感できる現場ですよね。

── 先生のおっしゃる「志」そのものですね。

名和 そうですよね。なので、それは非常に貴重な現場だろうなと思っているのです。

ある企業の話なのですが、入居者の方が何を考えているのか話をしなくても理解している職員の方がいて、どんな方でもすぐに打ち解けられるそうです。これは経験からなせる業だと思いますが、本当にすごいことですよね。

マニュアル通りにやってたらこの方のようにはなりません。相手に対しての思いがどれだけ働いているか、そして自分に何ができるのかを真剣に考えて、その瞬間をできるだけ、相手に尽くせるかが自分の身についてないと。

そういう思考を持っている人が、同僚の中にいるわけです。これ、スーパーなことで、よっぽど会社のトレーニングなんかよりも「あの人みたいになりたい」と思える同僚がいる職場環境が素晴らしいと思うんです。

── 介護はもちろんですけど、どんな業種においても言えますね。

名和 それと、私はいろいろな会社で、会社のパーパスとマイパーパスを二つ、円を描いてくださいってよく言っています。

描いた円が会社のパーパスと自分のパーパスのどちらが大きいのか、どう重なってるかをよく見てください。皆さん悩みながら描くのですが、中には全く重なってない人もいるわけです。

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

重なってない人は8時間仕事して、給料もらったら、さっさと自分の好きなことやるという、ある種割り切った関係。そりゃ仕事もやらされ感満載になりますよね。

それってすごくもったいないことです。そういう人には「重なりを見つけてください。本当に見つからないなら会社辞めたほうがいいですよ」ってアドバイスしています。

ある会社で、完全にパーパスが重なってなくて、8時間仕事したら早く家に帰っている人がいたんです。

家に帰って何をするんですかって話をしたら、ギターを弾くのが好きだと。その理由を聞くと「周りの人に音楽を聴かせて共感を広げたい」とか「勇気を与えたい」とかいいこと言うんです。

であれば、ギターは使えないですが、会社でも共感を広げるとか、勇気を与えることはできるのでは?と私が言うと、そういう考え方もあるのかと、見直してくれたりもします。

── 逆に重なりすぎている人もいるのでしょうか?

名和 全く重なっていない人はあまりいないですが、たまにいるんです。完全に重なってる人。

── 会社のパーパスが、その人の生きる目的の全てになっている…。

名和 すごいでしょ。でも、それは不幸なことなんです。逆にそういう人たちには「自分探しをしてください、ずれてる自分を見つけてください」と伝えています。その人から⁠仕事を引いたら0になるじゃないですか。仕事人間そのものになってしまう。

── だとすると、どのくらいの重なりが望ましいのでしょうか?

名和 私は3~7割重なってる状況が一番いいと思います。

そうすると、隙間がありますよね。その隙間が大事だと思ってまして。

マイパーパスと会社のパーパスが重なっていないところは、マイパーパスのほうに会社のパーパスを近づけてくださいと。別に、言われてることをやるだけじゃなくて、マイパーパスを実現できるようにむしろ会社を使ってみたらどうですかとも伝えます。会社にとっても、社員のマイパーパス実現によって成長が期待できますよと言ってまして。

一人一人がこの意識を持てると、社員の数だけ会社が成長する機会がありますよね。むしろ自分のパーパスが会社のパーパスをリードすることもあれば、逆に重なっていない会社のパーパスの中にも、自分事にできることがあるのではと、もう一度会社のパーパスを見直すきっかけにもなります。

むしろマイパーパスと会社のパーパスの隙間にこそ、面白い未来が待っているのではと申し上げたいんです。

── そこまで考えて働いてる人は、あまり多くないと思います。改めて考える機会を自分の中で持つことも大切ですね。

名和 やらされ感満載で仕事をする人と、仕事を通じて自己実現を目指している人の生産性って2倍、3倍と変わってきます。さらに、介護職もそうですが、心から天職だと思っている人はさらに生産性が高いんですよ。

なぜかというと、仕事の時間が給料をもらうための時間ではなく、その時間の中でベストを尽くそうとするから。ましてや、創造性になると10倍ぐらい違うと言われているんです。それは介護の世界だけではなく、さまざまな業界・職種で証明されてます。

── 10倍もですか⁉

名和 やらされ仕事からいかに自分事化し、いかに天職として、本当にこれで自己実現できると思ったときの、生産性・創造性って測り知れないです。

誰かに野球をやらされるときと、大谷翔平になってメジャーリーグで野球をするときとの違いだって、例えているんですけど(笑)。

大谷翔平だと野球することは労働ではなくて、バットを振ったりピッチングしてること自体が楽しくてしょうがないことだろうと思うので。あのゾーンに入っちゃったら、すごいですよね。

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

── 仕事への取り組み方次第で誰でも生産性を変えられるということですよね。

名和 そうなんです。前のめりに本当にやりたいこととして仕事に取り組んだときのクリエイティビティはすごいです。むしろ、そうでないとクリエイティビティは出てこないと、私は思っています。

なので創造性については、ゾーンに入る、仕事に本当に価値を生み出す、自分自身を発見するというプロセスに入った人はすごいと思います。

人間の強みは未来を想像する力

── 日本の平均寿命は年々延びていて、ますます高齢化が進行しています。今、働いている現役世代は、普段の生活や行動において何を意識すべきだとお考えでしょうか。

名和 今を充実させることはすごく大事なんですけれども、30年ぐらい先を見越して、将来の自分の生き様や生活を想像することをおすすめしています。

それと、実はもっとおすすめしてるのが、SF小説を読んだりSF映画を見ることです。残念なことに、ほとんどのSFは結構ダークなんですよね。ディストピアであることが多くて。 AIやロボットに世界が支配されて、そこから人間が立ち向かって…みたいなのが多いじゃないですか。

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

そういう世界にならないようにするためには、ロボットやAIに支配されないような状況を、自分たちがつくり出さなきゃいけない。明るい未来に向けて、今何をしなければいけないかという発想になってもらえるといいなと思ってます。

── ロボットにできないことをやるべきということですか?

名和 そうですね。もちろん人間がしている仕事の半分以上は、ひょっとしたらすでにロボットやAIがやってるかもしれないんだけれど。

そうすると、余計に人間的な仕事をする必要がありますよね。介護の仕事はまさにそうだと思うんですけれども、人間と人間の触れ合いのところこそが一番、生産性、創造性が問われるところだと思うので。

そういう定型化されていない仕事こそが、人間の最後の価値の出しどころだとすると、ルーチンワークばかりやっていても仕方ない。人間にしかできないことに向き合って、それを2050年の自分の生き様と照らし合わせながら、自分の腕を磨いていく。

そして、人間らしい活動ができるようにすることを常に心がけると、結果的には自分の成長にもつながって自己実現にも近づきます。

今を最高に生きるよりも、未来の自分に向けてどう準備するか。失敗も含めてどんな経験をしていくかということが、一つのジャーニーですから。このジャーニーの途中をどう過ごすかがすごく大事になります。

── 常に未来を想像して、自分にしかできない強みを獲得していくことが求められているということですね。

名和 人間と他の生物との大きな違いは想像力だと思っています。想像力が未来を考える力だとすると、そこに思いを馳せることが人間の強みではないでしょうか。

100歳人生になればなるほど見えないところも多くなりますが、そこが逆に面白いところ。それこそクリエイティビティ満載なところですよね。

そして妄想を自分で持ってください。結局未来は自分の意志でつくるしかない。だから、未来の自分はどうあるべきか、どうしたいかという思いがこれからの自分をつくっていく。

未知なものこそチャンスと捉え、自分で決め切らずにすべてを経験だと思えば、次の自分を発見する一つの契機にもなります。これまでの経験を活かしながらチャレンジし続けていけば、すごく充実するんじゃないかな。

母から言われた「この施設で死にたい」という言葉

── 話は変わりますが、先生ご自身は介護の経験はありますか?

名和 父と母、そして義母の介護を経験しました。父は約20年前に70歳で亡くなったのですが、最後の10年は次から次にいろいろなところが具合悪くなって、最期は病院で亡くなりました。私に置き換えてみると、あと5年で父が亡くなった歳になるので、今思うとちょっと早かったなと思います。

看病はそこまで必要ではありませんでしたが、病院生活が長かったので残念な形で最後の5年、10年を送ったんじゃないかなと。そこは悔やんでます。

父のことがあったので、母のときは「父のような形にならないようにしなくては」と思っていたのですが、彼女は自ら、介護施設に入りたいと言っていたので施設に入所しました。 施設での最後の5年ぐらいは体調が悪くなっていき、介護施設で亡くなりました。

また、義父は結婚する前に亡くなっていたのですが、義母は97歳まで長生きしました。老衰で亡くなったのですが、最後の5年ぐらいは施設にお世話になりましたね。

母と義母の2人とも施設で亡くなりましたが、ある種ハッピーエンディングと言いますか、介護施設にお世話になってよかったなと思ってます。

── お義母様も、介護施設に入りたいとおっしゃっていたのですか?

名和 そうなんです。時期が来たら施設で面倒を見てもらいたいと言っていました。妻からすれば私の母よりも本当は世話しやすかったかもしれないんですが、義母自身が「施設に入りたい」「むしろプロの人たちに面倒見てもらいたい」と言ってたので、自宅のすぐそばの施設へ入所してもらうことにしました。

── すぐに会いに行ける距離の施設に入所してもらうのは安心ですよね。先生自身は将来、もし介護される立場になったときには介護施設への入所を希望されますか?

名和 私も最期は施設でお世話になりたいと考えています。他の介護施設のことはあまり存じ上げないのですが、母親と義母がお世話になった2つの施設には、とても親身になってくださる介護士さんがいらっしゃいました。

自分も将来はそのような方にケアをしていただきたいなっていうのが素直な気持ちです。

── 親身になってくれたというのは、具体的にどのような体験をされたのでしょうか?

名和 母が口に出さなくても、気遣っていろいろなことを勧めたり、子供である我々に対して「散歩に出かけたまま、道が分からなくなってましたよ」など、本人の状況を伝えてくれたり。お邪魔する度にそういう話をしていただいていたので、ありがたかったです。

中には、あまりケミストリーが合わないような看護師の方もいたようですが(笑)、逆に「あの人はここが素晴らしい」というような方の話もよく聞いていたものですから。その度に、日々のケアをしっかりしていただいているなと感じていました。

そのように接してもらえるのは、すごく嬉しかったです。 私の母の場合は、最期は病院に行ったりもしていましたが「死ぬときには施設で死にたい」と言っていました。

施設には無理を言っていたかもしれませんが、最期は希望通りそこで亡くならせてもらったんです。母の影響もあって私も最期は、そこで死にたいなとまで思ってまして。

── 入居者の家族にも、そこで最期を迎えたいと思ってもらえるような施設・ケアを求める声は「みんなの介護」にも多く寄せられています。

名和 最期は自宅の畳の上で死にたいって人が多いと思いますけれども、やっぱりいいケアに巡り合うと、そのようなケアを受けられる環境で最期を迎えたいってなると思います。実際に母はなっていたので。

やはり、その方の志や思いが伝わってくるケアは非常に大事だなと感じました。

── 施設入所を検討するまで、とりわけ退職後の生活はどのようなイメージでいるのでしょうか?

名和 晴耕雨読と言うと格好良いのですが、私は本を読んだり書くのが好きなので、それを中心にしながら暮らしていきたいです。だけど、そればっかりだと閉じこもっちゃうので、世の中を見て歩くことも大切にしたいですね。

それから、温泉に浸ってくつろいだり、旅行や散歩といった自分の好きなことを組み合わせて過ごせたらいいなと思っています。その充実している時間の中で、読書や物書きをするっていうのが理想ですね。もう半分そこの境地に入ってるんですけれども(笑)

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

── 仕事はいつまで続けようといったビジョンはお持ちなのですか?

名和 今のところ、いつまでというのは明確には決めていません。現在、教授を務める京都先端科学大学は70歳で定年となりますが、その後も恐らく客員教授としてお声がけいただくと思います。

若い人や、いま脂が乗ってる人たちと話すのが大好きなので、いわゆる正教授という立場でなくなってもできるだけ教授職は続けたいですね。

もっと言うと、介護施設に閉じこもらなくてはいけなくなるまでは社会との接点は持っていたいと考えています。

教授以外にも企業のアドバイザーや取締役を務めていますが、それも自分が求められるのであれば、できる限り出ていきたいと思ってますので。

── 2050年にどのように暮らしているか、イメージがあればお伺いしたいです。

名和 2050年というと私は93歳です。父は70歳で亡くなったので、どうなるか想像するのは難しいですが、100歳人生を前提とするとまだ生きてるかもしれないですね。

実は私温泉が大好きでして、温泉に入れる箱根のマンションを10年ほど前に購入しました。毎日温泉に入れるものですから、それはもう居心地がよくて…。結局箱根を生活の拠点にすることにしました。

そして今年からは京都の大学で教鞭を執っているので、週末は京都で過ごすことが多くて。週末は古都の歴史や伝統に触れ、箱根に帰ってきたら温泉を楽しむといった毎日を送っています。

この過ごし方が自分の生活の中に組み込まれていて、すでに老後の理想的なイメージにはかなり近いです。

── イメージした将来の生活に向けて、すでに動き出しているのですね。ただ、毎週箱根から京都へ移動するのは大変そうです…。

名和 確かに大変ではありますが、世界遺産を巡ったり、京料理をいただいたりと楽しみの方が大きいです。ちなみに、京都の世界遺産はすべて行ってしまったので、今度から奈良の方へ行こうと思ってます。

将来的には、もっとプライベートの時間をもっと増やしていこうとも考えています。妻にも仕事しすぎと言われるので(笑)

歴史や文化を感じて、残りの時間は読書や物書きに費やす。介護施設に入るまではアクティブに過ごしていきたいです。

── 最後になりますが、先生の志をお聞かせください。

名和 私の志ですか?それは、今回お話した“志を持つ重要性”を多くの人に広めていくことや、共感を持ってもらうことですよ。

経営コンサルタント 名和高司氏「“この介護施設で死にたい”と思えるケアは、パーパスそのもの」

ちょっとした心の持ちようで毎日の過ごし方が変わってきますし、ここに気づくかどうかで人生の捉え方も違うと思います。

介護の世界は、これから最も期待されている職種の一つだと思いますが、現実的には厳しいこともありますよね。辛い時こそ、自分の志をしっかりと持って、前向きに取り組んでもらえたらと思います。


撮影:熊坂勉

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