「お酒は人間の楽しみだけじゃない!」と研究者たちが声を揃えます。なんと動物たちもアルコールを楽しんでいることがわかったのです。
カリフォルニア大学エクセター校の研究者アンナ・ボウランド氏は「人間だけがアルコールを楽しんでいるという人間中心的な考えから離れ、実際には自然界にエタノールが豊富に存在していることがわかってきています」と語ります。研究によれば、発酵した果実や樹液、蜜などを食べている動物たちは、自然にアルコールを摂取しているということです。
アルコールの起源は約1億年前アルコールの起源は古く、約1億年前に地球に現れたとされています。花をつけた植物が糖分たっぷりの果実や蜜を作り、これが酵母によって発酵することでアルコールが生まれました。果物の熟れ具合によってアルコール度数は異なり、通常は1~2%ほどの低い度数ですが、果物が熟れすぎると10%近くに達することもあるそうです。
動物たちのアルコール摂取の実例例えば、パナマのクモザルはアルコールを含むイエローモンビンという果実を好んで食べ、またギニア南東部の野生のチンパンジーは、ラフィアヤシの発酵した樹液を楽しんでいることが観察されています。動物たちも私たちと同じように酔っぱらうことがあるのでしょうか?
酔っぱらう動物たちのエピソード実は、酔っぱらった動物の逸話は数多くあります。ボツワナではマルラの果実を食べて酔っ払ったゾウやヒヒの話、スウェーデンでは発酵したリンゴを食べたムースが木に頭を突っ込んでしまった話など、酒に酔った動物たちの笑えるエピソードが語り継がれています。ただし、これらの場面で動物たちが実際にどれほどのアルコールを摂取していたのかは不明です。
動物のアルコール耐性について意外なことに、多くの動物はアルコールに対して驚くほど強い耐性を持っているようです。
しかし、すべての動物がアルコールに対して強いわけではありません。例えば、セーダーワクシングという鳥は熟れすぎたブラジルペッパーの実を食べた結果、アルコールを代謝しきれずにフェンスに衝突してしまい、そのまま命を落とすこともあるそうです。研究者のボウランド氏は「酔っぱらうことは、生き残るための戦いの中では決して有利なことではありません」と指摘しています。
動物界の失恋とアルコールそして、人間だけではなく、動物も失恋の傷を酒で癒すことがあるとか。失恋したオスのショウジョウバエはアルコールを求めることが確認されています。また、アルコールを摂取したメスのショウジョウバエは、相手に対する選り好みが減り、多くのオスと交尾するようになるというユニークな行動も観察されています。さらに、ショウジョウバエはエタノールの豊富な食物に卵を産み付け、寄生虫から卵を守るという知恵も持っているそうです。
最も酒豪な動物は?さて、動物界で最も酒豪な生物は誰でしょうか?実は、オリエンタルスズメバチがその栄冠に輝きます。テルアビブ大学のエラン・レビン氏が率いる研究チームは、オリエンタルスズメバチが驚異的な耐性を持ち、80%エタノール溶液を飲んでも行動や死亡率に全く悪影響が出ないことを発見しました。共著者のソフィア・ブシェブティ博士は「彼らは、無制限のアルコール摂取にもかかわらず、何の問題もなく過ごせる唯一の生物かもしれません」と述べています。
アルコール入りの食べ物を好むのか?果たして動物たちはアルコール入りの食べ物を好むのか、それともアルコールが少ないときや未発酵の果実が見つからない場合に仕方なく食べているのか。
動物たちの「酔っぱらいライフスタイル」は、私たち人間にとっても学びの多い興味深い世界です。次に酔っ払った動物のエピソードを聞くときは、彼らも私たちと同じように人生を楽しんでいるのかもしれないと、少し微笑んでみてはいかがでしょうか。
The post 【科学】動物も酒が好きだと判明、一番酒豪の生物もわかった! first appeared on MOGU2NEWS.