「浮気」は、パートナーに対する最大の裏切り行為であり、関係の終わりを意味する――。多くの人は、そう考えるでしょう。
しかし、もし一部の女性にとって、浮気は関係を終わらせるためではなく、むしろ「関係を続けるため」の、苦肉の策だとしたら…?
米国の性・人間関係の専門家であるアリシア・M・ウォーカー博士が行った最新の研究が、私たちが抱く「浮気の常識」を覆す、非常に複雑で、しかし人間的な動機を明らかにしています。
浮気の目的は「別れるため」ではなく「関係を続けるため」ウォーカー博士の研究に参加した女性たちは、「夫との関係から抜け出す方法を探していた」わけではありませんでした。彼女たちは、夫を愛し、築き上げてきた家庭を失いたくないと強く願っていました。
しかし、その一方で、彼女たちの多くは「セックスレス」の結婚生活に不満と欲求不満を抱え、そのニーズについて夫と話し合っても、何の進展もない、という八方ふさがりの状況にありました。
博士は、彼女たちの行動を次のように説明します。
「彼女たちは、悲痛で厄介な離婚を避けるために、ある『回避策』を見つけたのです。それは、自分たちが最も価値を置くもの(家庭や夫との愛情)を失うことなく、満たされない欲求だけを外部で満たすという、慎重に管理された、非常に戦略的な浮気でした」
この研究が明らかにした最も衝撃的な事実は、彼女たちの浮気の目的が「恋愛」ではなかった、という点です。
ウォーカー博士は、論文の中でこう断言しています。
「これはロマンスの話ではありません。彼女たちは、夢見るようなロミオと恋に落ちることを空想していたわけではないのです。ラブレターを書く人も、甘い言葉をささやく人もいませんでした」
彼女たちが探していたのは、心の繋がりや、「きれいだね」と言ってくれる承認欲求の充足ではありませんでした。
「彼女たちが探していたのは、クライマックスでした。
研究に参加したある女性は、「もし夫がED(勃起不全)でなければ、他の男性にチャンスはなかったでしょう」と率直に語っています。彼女たちにとって、浮気相手は「新しい王子様」ではなく、あくまで特定のニーズを満たすための「機能的なパートナー」だったのです。
ただし、これは浮気を推奨するものではないもちろん、ウォーカー博士は、この研究をもって浮気を推奨したり、正当化したりしているわけではありません。博士自身も、これを「厄介で、不完全な解決策」であり、「絶望的な状況を乗り切るための、苦肉の策」だと述べています。
この研究は、善悪を問うものではなく、人がなぜそのような行動に至るのか、その背後にある複雑な心理を理解しようとする試みなのです。
浮気という行為の裏には、私たちが想像する以上に、多様で複雑な動機が隠されているのかもしれません。
今回の研究は、「裏切り」という一言では片付けられない、関係性の中に存在する満たされない欲求や、コミュニケーションの断絶という、根深い問題に光を当てています。
パートナーシップのあり方を考える上で、非常に示唆に富んだ研究と言えるでしょう。
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