中高生が企業の「答えなき課題」に挑む 探究学習の甲子園「クエストカップ2026」全国大会レポート

2月27日、立教大学池袋キャンパス・タッカーホール。探究学習プログラム「クエストエデュケーション」の全国大会「クエストカップ2026」企業探究部門Eグループのセカンドステージが行われた。

午前のファーストステージを勝ち上がったチームが壇上に立ち、企業担当者や審査員を前にプレゼンを繰り広げた。

クエストカップは教育と探求社が主催する探究学習の全国大会で、今回で21回目。同社が2005年度から提供する「クエストエデュケーション」には年間約11万人の中高生が取り組んでおり、国内最大規模を誇る。今年度は全国28都府県から129校241チームが出場し、企業探究、起業家、進路探究、社会課題探究、地域探究の5部門で成果を競った。

27日のEグループ「コーポレートアクセス」には、イオンリテール、いちご、大和ハウス工業、テクマトリックス、日清製粉グループ、パナソニック エナジー、キモノハーツが参加。各社が「答えのない課題」を提示し、生徒たちは約1年間、擬似インターンとしてその課題に向き合ってきた。この日はその集大成である。

グランプリに輝いたのは、京都市立西京高等学校附属中学校の「ちーむはなまる」。大和ハウス工業が掲げた「『生きる歓び』が溢れる未来の景色を提案せよ!」に対し、「100人の旅人」と題した企画を発表した。着目したのは「暇つぶし」の再発明である。「百トラ」と名付けた移動式交換日記を駅や空港に設置し、見知らぬ人同士が手書きの言葉でつながる仕組みを描いた。既読もいいねもないアナログな設計で、SNS疲れの時代に心地よい距離感を保てる。

タイパ重視の風潮にあえて「暇」の価値を見出す大胆さと、大和ハウスのまちづくり理念「共創共生」との重なりが高く評価された。

10万人から選ばれた中高生がアイデアで勝負 第21回クエスト...の画像はこちら >>

10万人から選ばれた中高生がアイデアで勝負 第21回クエストカップ全国大会

準グランプリは明星中学校「君の骨を食べたい」。作品名は「粉骨砕身!!~ホネまで食い尽くす、骨パウダー革命~」で、日清製粉グループへの提案だ。廃棄されてきた魚の骨を粉末化し、小麦粉に混ぜて栄養価を高める新事業を構想した。

実際に9種類の骨粉を試作し、魚粉入りたこ焼きの試食では74%が「通常よりおいしい」と回答。小麦輸入への依存リスクや気候変動を補完する素材として魚骨粉を位置づけ、なぜこの事業が日清製粉グループに適するのかを論理で組み立てた。データと実験に裏打ちされた提案は、会場を唸らせた。

10万人から選ばれた中高生がアイデアで勝負 第21回クエストカップ全国大会
名だたる審査員に、中学生ならではの物怖じしない返答が、会場をわかせる場面も!

各企業賞には、桜丘高等学校(イオンリテール)、トキワ松学園高等学校(いちご)、奈良市立一条高等学校附属中学校(キモノハーツ)、京都共栄学園高等学校(テクマトリックス)、山形県立致道館中学校(パナソニック エナジー)がそれぞれ選ばれた。

今年の大会テーマは「Wonder ― 驚き、感動、そして探求。」。2022年度に高校で「総合的な探究の時間」が必修化されてから3年。探究学習は確実に根づき始めている。教育と探求社代表の宮地勘司氏は「学びは本来楽しいもの。

自分の可能性が広がり、選択できるようになる。その喜びも痛みも引き受けて前に進むことが、生きる歓びだと思っています」と話す。

正解のない問いに向き合い、仲間と考え抜く。効率や最適解を求めがちな時代に、その遠回りこそが未来をつくる力になる――壇上の中高生たちが、そう教えてくれた。

The post 10万人から選ばれた中高生がアイデアで勝負 第21回クエストカップ全国大会 first appeared on MOGU2NEWS.
編集部おすすめ