※こんな風情も今後は亡くなってしまうのか。
かつては東京都内の繁華街ならどこにでもあった屋台のラーメン屋だが、気づいてみればいつの間にか、激減しているのをご存知だろうか? 東京八重洲をはじめいくつかは残っているものの、減っているのは確かだ。
そもせもなぜ減っているのか。店主たちが高齢化しているせいもあるが、なにより、警察による取り締まりが厳しくなっているという。
「現在、道路交通法によりほぼ屋台のラーメンに、道路の使用許可がおりることはない。ただ昔からあった屋台はお情けで目こぼしされているぐらいで、潰そうと思えばいつでも潰せる」(警察関係者)
道路交通法第77条第1項第3号によれば、屋台を出す場所を管轄する警察署長からの許可を得なければいけないという。許可を得ていない店が多いのは事実だが、屋台のラーメンがもつ風情が、多くのファンに愛されているのもまたしかり。
そんないつでも潰せる状況なだけに、2020年の東京オリンピックで、壊滅するのではないかという憶測も出ている。
「五輪を機に、都内のそういったグレーゾーンなものを無くしてしまおうという機運もある。そもそも戦後に屋台が激減したのが、前回の1964年に開催された東京オリンピックの時でした。食品衛生法、消防法、道路交通法などで締め付けられ、屋台のラーメンが廃業していったのです。今回の東京オリンピックは、とどめを刺すかもしれませんね」(フードジャーナリスト)
東京の夜の繁華街に赤く浮かび上がるラーメン屋台の姿が見られるのも、あと数年なのだろうか。
文/桃城貴子Related posts:
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