投資超初心者・ギャル曽根さんと学ぶ!メルカリ×東証マネー講座...の画像はこちら >>

2023年3月25日、円形のマーケットセンターが印象的な東証アローズで、投資初心者向けのマネー講座が開催された。

フリマアプリでおなじみのメルカリと東京証券取引所(東証)の共同開催となった今回のイベントは、資産形成の基本のキを学ぶもの。

会場にはさまざまな年代の方が集まり、なかには小さなお子さん連れのご夫婦の姿も。また、セミナーの様子はYouTube Liveで生配信され、1000人以上の日本各地の方々がリアルタイム視聴した。

大食いタレントであり、2児の母でもあるギャル曽根さんをスペシャルゲストに迎え、イベントがスタート。

投資超初心者・ギャル曽根さんと学ぶ!メルカリ×東証マネー講座に潜入


「インフレ」が進むと「預貯金」が目減りする?

イベントの最初に出たのは、現在の物価上昇の話題。2022年12月の消費者物価指数が前年同時期と比べて約4%上昇していることが紹介されると、ギャル曽根さんから「食費だけでなく、電気代やガス代もすごく上がってて、家計には大きなダメージ。料理が好きなので煮込み料理とかもしたいけど、節約のためにガスを切るようにしてます」と、家計を憂う声が。

ここで「継続的な物価上昇のことをインフレーション(インフレ)と呼びます」と解説してくれたのが、今回のマネー講座を担当する東証金融リテラシーサポート部の吉田貴弘さん。

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「物価が上がると、相対的に貨幣の価値が下がります。同時に預貯金の価値も目減りするんです」と、吉田さんが話し始めたが、ギャル曽根さんや参加者の顔にはハテナが浮かぶ。

「例えば、1年後に100万円の自動車を購入する予定を立て、1年間で100万円を貯めるとします。しかし、仮に物価上昇率が年間20%だった場合、1年後には自動車の値段が120万円に上がるので、貯めた100万円では足りない。これが貨幣の価値が下がり、預貯金が目減りするということです」(吉田さん)

インフレ下においては、貯金をしているだけでは手持ちのお金が減っていることと同じだと、具体例を出して解説してくれたため、ギャル曽根さんも「なるほど」と納得。

いまの時代に「投資」が必要な理由

インフレ下では、どのような対策が必要になるのか。その答えに入る前に紹介されたのが、日本の家計における金融資産の構成。



ステージ後方のビジョンに映し出された3つの円グラフ。右の(3)が日本の家計の金融資産比率。半分以上が「預貯金(青の部分)」となっている。真ん中の(2)がヨーロッパ、左の(1)がアメリカの金融資産比率で、アメリカは半分以上が「株式・投資信託等(赤の部分)」。

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「2000年から約20年間の家計の金融資産を追うと、日本は約1.4倍。一方で、アメリカは約3.4倍に増えています。例えば、2000年時点で家計の金融資産が1000万円あったとすると、日本では1400万円、アメリカでは3400万円に増えている。数字で見ると、かなりの差があることがわかりますよね」と、吉田さんが日本とアメリカの違いを解説。

さらにここでクイズが出題される。「現在、手元にある100万円を銀行の普通預金(金利0.001%)に預けた場合、2倍となる200万円になるまでには何年かかるでしょうか?」というもの。

「『72の法則』というものがあり、72を金利で割ると元金が約2倍になる年数がわかるというものです。クイズに当てはめると、72÷0.001%=7万2000年。

倍にするには約7万2000年かかるんです。いま貯金をしても、なかなか増えないということを感じてもらえたらと思います」(吉田さん)

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貯金だけではお金が増えていかない。資産を増やすには、投資が重要であるということが見えてきた。では、どのような投資手法が考えられるのだろうか。

吉田さんが示してくれたのは、リスクとリターンの高低で分類された表。左下の「預貯金」は、1年後に2倍になっていることはないが、資金が2分の1に減ることもなく変動が小さいため、ローリスクローリターン。一方、「株式」は資産が増えるというリターンが期待できるものの、株価が変動するリスクもあるため、右上に位置している。

「投資において、リスクとリターンは比例するものです。『元本は保証されるけど、月5%の配当金が出る。つまり、年60%!』というようなローリスクハイリターンの投資は基本的にはあり得ないため、詐欺の可能性が高いといえます」(吉田さん)

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投資のキーワードは「積立投資」と「投資信託」

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マネー講座の後半は、ギャル曽根さんとのトークセッション。ギャル曽根さんが「メルカリで子ども服や子どもの問題集とかを売って、家計の足しにしています。自分のお店を持てたみたいで楽しいです」と、実践している家計対策を話すと、吉田さんも「私もメルカリを活用しています。子ども服はすぐサイズが変わるから、捨てるのももったいないですしね」と意気投合。


投資に関しては、ギャル曽根さんも「興味はあるけど怖い、超初心者だからどうやったらいいかわからない」と、多くの人と共通するであろう不安や疑問を抱えていた。

そこで吉田さんが提案したのが「積立投資」。「毎月1000円ずつなど、継続的に定額で購入していくことで、株価が下がったタイミングで株数を多く買えるため、株価が上がったときに資産が増えやすくなります。そのため、リーマンショックやコロナショックのような○○ショックが起きて株価が暴落したとしても、そこでやめずに積立投資を続けることが重要なんです」と解説。

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ギャル曽根さんも「下がったタイミングでやめちゃうのはもったいないんですね」と、投資の理解度が深まったからこそ、「どんなものに投資したらいいですか?」と、さらなる質問が出てくる。

吉田さんは「東証の人間なので、株式について説明したいところですが…」と前置きしつつ、今回のセミナーは投資未経験者も含む超初心者向けであること、さらにギャル曽根さんが大食いタレントであることに合わせて、投資信託をラーメンに例えて説明した。

「運用商品は株式や債券など、いろいろありますが、投資超初心者におすすめしたいのは投資信託。投資家から集めたお金をもとに、専門家が運用する商品です。例えば、料理好きの人であれば、どんな材料を選べばおいしいラーメンをつくれるかわかりますよね。しかし、料理が苦手な人はどんな材料を選べばおいしくなるかわからないので、ラーメン屋さんに行って完成されたラーメンを食べます。投資信託はラーメン屋さんのラーメンと似ていて、材料=株式や債券などを専門家が選んで、調理=運用してくれるものなんです」(吉田さん)

さらに、「NISA」も紹介。現行の制度に加え、2024年から非課税期間が無期限化されるなど、大幅拡充される「新しいNISA」の制度内容にも触れていく。

投資の入り口が見えてきたことで、ギャル曽根さんも「NISAはニュースでは聞いたことがあったけど、中身は詳しく知りませんでした。預貯金だとまったく増えないなら、生きたお金に変えるほうがいいのかな」と、意欲が増したようだ。

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参加者限定で「東証アローズ」見学も

マネー講座終了後には、会場まで来てくれた参加者限定で、東証アローズの見学も実施。

東証の歴史がわかる写真を見ながら、「当時は手サインで株式の売買をしていたんですよ。例えば、『三越』は、3本指を立てた右手で左手を越えるようなジェスチャーで表現していたそうです」という話を聞くと、参加者の皆さんも「手サインで!?」とびっくり。

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マーケットセンターや、縁起のいい「辰巳の方角(東南)」に設けられた東証の東玄関といった普段はなかなか来る機会がない場所を写真に収めるなど、貴重な時間になったようだ。

「なぜ、投資が必要なのか?」「まずは何から始めてみるといいのか?」投資に興味があるけれど、始め方がわからないという人にぴったりの内容を届けた今回のマネー講座。ギャル曽根さんも参加者の皆さんも「わかりやすかった」と、話していた。

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東証では、今後もさまざまな講座やセミナーを開催していく予定だ。投資やお金の活用法に興味がある人は、参加してみてはいかがだろうか。

(有竹亮介/verb)

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