2025年6月24日に【グローバルX チャイナテック ETF】(銘柄コード:380A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。
基本情報
銘柄名・コードグローバルX チャイナテック ETF(380A)ファンドの特色香港取引所に上場している銘柄のうち、代表的なテック関連銘柄30銘柄から構成される、「Hang Seng TECH Index(配当込み、円換算ベース)」との連動を目指すETFです。対象指標Hang Seng TECH Index(配当込み、円換算ベース)対象指標の概要Hang Seng TECH Indexは、Hang Seng Indexes Company Limitedが開発した、香港上場企業のうち、代表的なテック関連銘柄30銘柄から構成される株式インデックスです。
香港取引所上場銘柄を母集団とし、以下のプロセスによって組入銘柄を選定します。
✓組入候補銘柄の選定
母集団のうち、以下のテーマに関連する事業を展開している銘柄が組入候補銘柄として選定されます。
・インターネット(モバイルを含む)
・フィンテック
・クラウド
・eコマース
・デジタル
・自動運転
加えて、主に以下の水準のうちいずれかを満たす銘柄が選定されます。
・研究開発費が売上高に対して5%以上
・年間の売上高成長率が10%以上
・テクノロジーを活用したビジネスを行っているか
✓組入銘柄の選定
・組入候補銘柄群のうち、時価総額上位30銘柄を選定
・各銘柄の組入比率は、浮動株時価総額加重によって算出され、1銘柄につき中国企業は8%、海外企業は4%を上限とします。また、海外企業は全体で10%を組入上限とします。
(※最初の計算期間は2025年6月20日から2026年1月10日まで)分配金支払基準日毎年1月10日、7月10日(年2回)管理会社Global X Japan株式会社信託受託会社三井住友信託銀行株式会社売買単位1口単位信託報酬0.375%(税込0.4125%)以内上場日2025年6月24日(予定)
新しいETF組成の思い
グローバルX チャイナテック ETFは、香港上場企業のうち、代表的なテック関連銘柄30銘柄から構成されるETFです。対象指標となるHang Seng TECH Indexに連動するようなプロダクトが国内で未上場であることから、成長期待の大きい分野への投資機会を投資家の皆様に提供できると考え組成に至りました。
新しいETFの特徴
中国は“世界の工場”から“消費大国”、そして“イノベーション大国”へ
近年、中国のテクノロジー産業は世界経済において重要な役割を果たすようになってきています。これまで製造業を中心に成長してきた中国経済は、近年、知識集約型産業への転換を加速しており、eコマース、人工知能(AI)、フィンテック、クラウドコンピューティングといった先端分野が新たな成長の柱となっています。2015年にはGDPの約27%を占めていたデジタル経済の割合は、2023年には約43%まで上昇しています。
こうした背景には、政策的な後押しと、急速に増加したインターネットユーザーの存在があります。中国国内のインターネットユーザー数はすでに11億人を突破しており、オンラインショッピング、モバイル決済、SNS、動画配信など、あらゆるサービスが日常に浸透しています。これにより、テック企業は巨大なデータと市場を背景に、革新的なサービスを次々と展開できる環境が整っているのです。

中国のテクノロジー産業は自立成長軌道へ
政策面においては、「中国製造2025」などでテクノロジー産業に関する明確な国家戦略が示されており、政府は研究開発(R&D)への投資を強化しています。
中国のスタートアップであるDeepSeekが開発したAIモデルは、米国企業よりはるかに少ない開発コストで構築されたとされており、世界に衝撃を与えました。また、DeepSeekの開発チームの多くが中国国内の大学出身者で構成されているとされる点も注目されています。これは、中国の教育・研究体制が世界水準のAI人材を自国で育成・実装できる段階にあることを示しています。
DeepSeekのような事例は、中国におけるイノベーションの「質」が確実に向上していることの証左でもあると言えます。イノベーションの質を測る指標として、特許出願件数が注目されますが、中国は生成AI関連の特許出願件数において、圧倒的な地位を確立しています。こうした実績は、中国のテクノロジー産業が持続的な成長軌道に近づきつつあることを物語っています。

(出所)StatistaよりGlobal X Japan作成
連動する指数の特徴
当ETFの対象指数である、Hang Seng TECH Indexは、今後も成長が期待される中国のテクノロジー産業を代表する銘柄を中心に、30の香港上場銘柄で構成されており、クラウド、eコマース、フィンテックなど、テクノロジー産業における様々なテーマを網羅しています。構成銘柄にはシャオミやテンセント、アリババグループなど、世界的にも著名な企業が含まれています。

(出所)Hang Seng IndexesよりGlobal X Japan作成

(出所)Hang Seng Indexes、BloombergよりGlobal X Japan作成
連動指標のパフォーマンス
対象指数のパフォーマンスを見てみると、長期的には香港市場全体の動きを表す代表的な株価指数であるハンセン指数を上回って推移しています。
【Hang Seng TECH Index(配当込み、円換算ベース)のパフォーマンス推移】※1

【Hang Seng TECH Index(配当込み、円換算ベース)の暦年別の騰落率】※2

※1、※2 Hang Seng TECH Indexの算出開始日は2020年7月27日。算出開始日以前の指数に関する情報は全て指数算出会社がバックテストしたデータ。各指数は円換算後の値を使用しています。円換算は前営業日の香港ドル建ての指数値(配当込み)に当日の為替レートをかけて計算しています。
(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
※1 期間はデータが取得可能な2015年1月1日から2025年4月30日まで、日次。指数値は2015年1月1日を基準日に100とし、指数化してあります。
※2 2015年はデータが取得可能な2015年1月1日から年末まで。2025年は2025年4月30日まで。
魅力的なバリュエーション
現在、バリュエーションの観点からも投資家にとって中国のテクノロジー株は魅力的な投資対象となっています。たとえば、2025年4月末時点におけるHang Seng TECH Indexの予想PER(株価収益率)は約16倍であり、これはNASDAQ 100指数の約24倍と比べて割安な水準です。政策リスクはあるものの、長期的な視点で見れば、現在のバリュエーション水準は、魅力的であると考えられます。

(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
「脱・米国依存」の投資先として期待
2025年、トランプ大統領の2期目がスタートしたことで、関税政策や米ドル依存などへの懸念が広がり、投資家の間では「脱・米国依存」の意識が高まりつつあります。こうした環境下において、中国のテクノロジー産業への投資は現実的な選択肢となっています。
パフォーマンス面においても、トランプ大統領2期目就任以降、香港市場は米国をはじめとした他国の市場をアウトパフォームしており、Hang Seng TECH Indexも良好なリターンを記録しています。今後、米中の地政学的緊張が高まる中においても、成長性と米国株からの分散投資先としての側面を兼ね備えた中国のテクノロジー産業への投資は、中長期目線での投資先として有効な選択肢として期待されます。

(出所)BloombergよりGlobal X Japan作成
※上記は、過去の実績・状況または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料なども考慮しておりません。
【参考情報】
● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
Quick:380A/T、Bloomberg:380A JT Equity、Refinitive:380A.T
(対象指標)
Bloomberg:HSTECHT Index、Refinitive:.HSTECHT
● 対象指標の算出要領
https://www.hsi.com.hk/static/uploads/contents/en/dl_centre/methodologies/IM_hsteche.pdf
※指数のディスクレイマーについては下記をご参照ください。
Hang Seng TECH Index(以下「本指数」)は、Hang Seng Data Services Limitedからのライセンスに基づき、Hang Seng Indexes Company Limitedによって公表・算出されています。
本指数の計算および算出の手法や基準、関連する数式、構成銘柄や要素等は、Hang Seng Indexes Company Limitedによって予告なく変更または修正される場合があります。
適用法令で許容される範囲において、Hang Seng Indexes Company LimitedおよびHang Seng Data Services Limitedは、(i) Global X Japan株式会社が本商品に関連して本指数を使用または参照したこと、(ii) 本指数の計算におけるHang Seng Indexes Company Limitedによる不正確さ、遺漏、誤り、(iii) 本指数の計算に関連して他者から提供された情報の不正確さ、遺漏、誤り、不完全性、(iv) 上記に起因して本商品の証券会社、保有者またはその他本商品を取り扱う者が直接的または間接的に被った経済的その他の損失、に関して一切の責任や義務を負いません。また、Hang Seng Indexes Company Limitedおよび/またはHang Seng Data Services Limitedに対して、本商品に関連して、いかなる証券会社、保有者またはその他の取扱者が訴訟、請求その他法的手続きを行うことはできません。
したがって、いかなる証券会社、保有者またはその他本商品を取り扱う者も、本免責事項を十分に理解したうえで本商品を取り扱うものであり、Hang Seng Indexes Company LimitedおよびHang Seng Data Services Limitedに一切依拠することはできません。なお、本免責事項は、いかなる証券会社、保有者またはその他の者とHang Seng Indexes Company Limitedおよび/またはHang Seng Data Services Limitedとの間に契約上または準契約上の関係を創設するものではなく、そのように解釈されてはなりません。