2025年10月1日に【ニッセイETF S&P500イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)】(銘柄コード:426A)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。
基本情報
銘柄名・コードニッセイETF S&P500イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)(426A)ファンドの特色主として、ニッセイS&P500 イコール・ウェイト インデックス マザーファンドの受益証券への投資を通じて、実質的に米国の株式等を主要投資対象とするETF(上場投資信託証券)に投資し、信託財産の1口当たりの純資産額の変動率を、S&P500 イコール・ウェイト指数(配当込み、円換算ベース)の変動率に一致させることを目指します。対象指標S&P500イコール・ウェイト指数(配当込み、円換算ベース)対象指標の概要S&P500イコール・ウェイト指数とは、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数を均等加重にした株価指数です。(※最初の計算期間は2025年9月29日から2026年1月27日)分配金支払基準日毎年1月27日、7月27日(年2回)管理会社ニッセイアセットマネジメント株式会社信託受託会社三菱UFJ信託銀行株式会社売買単位1口単位信託報酬実質的な信託報酬率(税込・年率): 0.206% 程度上場日2025年10月1日(予定)
新しいETF組成の思い
我々、ニッセイアセットマネジメント株式会社は、新たにETF事業を開始します。
その第一弾として、「ニッセイETF S&P500 イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)」というこれまで日本の投資家になじみの薄かったものの、注目が高まりつつあるETFを提供します。
一般的な米国株ETFとしてS&P500指数に連動するものがあります。この指数は「時価総額加重平均」という方法に基づいて構成されており、下の図の通り時価総額規模が大きい企業が属する業種の指数に占める割合が高くなります。その結果、特定の業種の動向が指数全体のパフォーマンスに非常に大きな影響を与えます。

この手法は、米国市場の動向を素直に捉えるという点で有用であり、多くの投資家に受け入れられています。
一方で、「特定の業種・銘柄の影響を抑えながら、S&P500 指数を構成する銘柄群にバランスよく分散投資をしたい。」というニーズも存在すると当社は考えています。
そのニーズに対応するのが新規に東京証券取引所に上場する、ニッセイETF S&P500 イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)です。このETFは「S&P500イコール・ウェイト指数(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指します。

この“イコール・ウェイト”、つまり“均等に投資する” という考え方は、海外ではすでに広く受け入れられており、この戦略で運用するETFは残高の広がりを見せています。
当ETFは、欧州で残高ベース第2位の運用会社DWS社のETF、「Xtrackers S&P 500 Equal Weight UCITS ETF」へ投資し、指標への連動を目指します。このETFは欧州市場でも順調に残高を伸ばしています。
2025年8月現在、DWS社が運用する300本以上のETFの中で、ここ5年でのこのETFへの資金流入額は上位5位以内に入るほどであり、人気の高さが窺えます。この度東証に上場するETFの実質的信託報酬率は0.206%(税込)程度であり、投資対象の欧州上場ETFの信託報酬率水準(0.20%)とほぼ同じであることを考えれば、魅力的な水準と言えるのかもしれません。
連動する指数の特徴
「S&P500イコール・ウェイト指数」は、時価総額加重平均のS&P500指数とは異なる、以下のような特徴を持っています。
・均等な組入比率
S&P500 イコール・ウェイト指数は指数を構成する約500の全銘柄に、企業の規模(時価総額)に関わらず、原則として均等な比率で投資します。
例えば、一般的なS&P500指数では組入比率が7%を超えるような巨大企業も、この指数では他の約499社と同じ約0.2%(100%/500社)の比率で組み入れられます。これにより、特定の巨大企業の株価動向が指数全体に与える影響が大きく抑制される一方で、S&P500指数では相対的に比率の小さかった中型の株のウェイトが引き上げられます。
• 幅広いセクターへの分散
時価総額加重型と比較して、時価総額が巨大な個別銘柄を含む情報技術やコミュニケーション・サービスセクターなどへの集中が緩和される傾向にあります。
• 定期的なリバランス
構成銘柄の比率を均等にするために、年四回、定期的に比率を調整(リバランス)します。具体的には、株価が大きく上昇して比率が0.3%になった銘柄があればその超過分を売却し、その資金で逆に出遅れて比率が0.1%に低下した銘柄を買い増す、といった調整が行われます。このプロセスを通じて、値上がりした銘柄の利益を確定させ、割安になった可能性のある銘柄に再投資するというサイクルが生まれます。

*業種の分類はGICSに従っております。
連動指標のパフォーマンス

*当グラフは、課税前配当込みドルベースのデータを使用
連動指標の主要構成銘柄
「S&P500イコール・ウェイト指数」の最大の特色は、特定の「主要構成銘柄」が存在しない点にあります。
イコール・ウェイト指数においては理論上、構成する約500銘柄の全てが、約0.2%ずつという均等な比率で組み入れられます。
そのため、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)といった世界的な巨大企業も、S&P500指数を構成する他の中型株も、指数内では同等のウェイトを占めることになります。
(※ただし、実際の組入銘柄や比率は、市場の動向やリバランスのタイミングにより変動します。)
パフォーマンスの特徴
当ETFが連動を目指す「S&P500イコール・ウェイト指数」は、S&P500指数(時価総額加重平均)とは異なるパフォーマンスになる傾向があります。
例えば、一部の時価総額の大きな銘柄群が市場全体を牽引するような局面では、S&P500指数(時価総額加重平均)が優位になる傾向が見られる一方、より幅広い銘柄が上昇する局面や、中型株が堅調な局面では、イコール・ウェイト指数が優位性を示した時期もありました。
これらはあくまで過去の実績であり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。ただ、パフォーマンス特性が異なるため、ご自身の市場見通しやリスク許容度に応じてS&P500 指数とS&P500 イコール・ウェイト指数を使い分けることができると考えられます。
投資家の皆さまへ
「ニッセイETF S&P500 イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)」の特性や仕組みについて見てきました。例えば、以下のようなニーズを満たしたい投資家の皆様にとって、新たな有効なツールとなり得ると考えます。
•ポートフォリオの分散を高めたい:
時価総額加重型のS&P500への投資が、実質的に一部の巨大企業への集中投資につながっている懸念をお持ちであれば、当ETFはより幅広い分散を実現するための一つの解決策となります。
•既存の投資戦略に、新たなアプローチを加えたい:
すでに時価総額加重型のS&P500のETFを保有している方が、相場局面に応じて戦術的に均等加重の当ETFを使うことで、市場の物色の変化を捉えることができます。
•ご自身の保有銘柄管理に、規律を取り入れたい:
相場の過熱や悲観といった感情的な要因に左右されず、“安く買って・高く売る”というルールに基づいた投資を実践したいとお考えの方にとって、当ETFの機械的なリバランス機能は強力なサポートになります。
我々はこの「ニッセイETF S&P500イコール・ウェイト(為替ヘッジなし)」が、皆さまの投資判断の一助となることを願っております。
【参考情報】
● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
Quick:426A/T、Bloomberg:426A JT Equity、Refinitive:426A.T
(対象指標)
Bloomberg:SPXEWNTR Index (S&P 500 Equal Weight Net Total Return)
当指標の円換算ベースです。
● 対象指標の算出要領
https://www.spglobal.com/spdji/jp/indices/equity/sp-500-equal-weight-index/#overview
※指数のディスクレイマーについては下記をご参照ください。
S&P500イコール・ウェイト指数は、S&P Dow Jones Indices LLCまたはその関連会社(「SPDJI」)の商品であり、これを利用するライセンスがニッセイアセットマネジメント株式会社に付与されています。Standard & Poor‘s ® およびS&P ® は、Standard & Poor’s Financial Services LLC(「S&P」)の登録商標で、Dow Jones ® はDow Jones Trademark Holdings LLC(「Dow Jones」)の登録商標であり、これらの商標を利用するライセンスがSPDJIに、特定目的での利用を許諾するサブライセンスがニッセイアセットマネジメント株式会社にそれぞれ付与されています。当ファンドは、SPDJI、Dow Jones、S&P、それらの各関連会社によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではなく、これらのいずれの関係者も、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行わず、当インデックスのいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切の責任を負いません。なお、S&P500イコール・ウェイト指数(配当込み、円換算ベース)とは、S&P500イコール・ウェイト指数(配当込み)をもとに委託会社が独自に円換算したものです。