【格言かぶオプコラム】第10回:相場に王道なしの画像はこちら >>


【かぶオプコラム】
前回記事はこちら
【格言かぶオプコラム】第9回:山高ければ谷深し | 東証マネ部!

*****

1月は、お正月や成人式など、晴れやかな行事が続く時期ですが、その一方で、受験の季節でもあります。受験勉強は正直なところ楽なものではなく、できることなら最小限の努力で、効率よく合格できないかと思わずにはいられません。

けれど現実は厳しく、「学問に王道なし」。学問を修めるのに、近道や裏技はないのだと、誰もがどこかで思い知らされるものです。

投資の世界も同じで、残念ながら誰にでも通用する必勝法や絶対に勝てる近道は存在しません。それを端的に表した格言が「相場に王道なし」です。もしも、「これさえやれば必ず儲かる」「誰でも勝てる方法がある」などと言い切る人がいたら、その人とはいったん距離を取ったほうがよいでしょう。

とはいえ、「相場には王道がない」と言われてしまうと、一体何をすればいいのか、努力しても意味がないのではないか―そんな気持ちになるのも無理はありません。確かに、投資に必勝法はありません。しかし、ほぼ例外なく、長い時間をかけて力を発揮するものがあります。

それが、「複利の効果」です。

もちろん複利の力を使っても、一晩で資産が倍になることもなければ、翌月に人生が変わることもありません。けれども、投資で得た利益を再投資しながら時間を味方につけていくと、いずれ元手は大きくなり、利益の増加も加速していきます。

たとえば、元本100万円で年率7%の運用ができたとしましょう。

1年後の資金は107万円。正直、その結果は地味なものです。100万円が107万円になったからといって、「投資で大成功した」と感じる人は少ないでしょう。

しかし、同じように年率7%での運用を何年も続けたらどうなるでしょうか。100万円だった元手は5年後には約140万円、10年後には約197万円と、ほぼ2倍になります。「10年」と聞くとずいぶん長い時間がかかるように感じるかもしれませんが、その代わり確実性の高い方法です。さらに20年で約4倍、30年では約8倍にまで成長します。100万円の元手が800万円になれば、もはや小さな利益だとは誰も思わないはずです。

この資産の増加は才能や取引タイミングによるものではなく、投資を続けた時間の長さが生んだ結果です。よく、「投資は若いうちから始めたほうが良い」と言われるのは、若いほど「たくさんの時間を持っている」ためです。大きな複利の効果を手に入れるには、「やりたいと思ったら早く始めること」、そして「継続すること」が大切なのです。

では、この複利の利益を机上の空論ではなく実際の投資として手にするにはどうすればよいのでしょうか。

その一つの形が、カバード・コール(カバコ)とターゲット・バイイング(ターバイ)を繰り返す戦略です。

具体例を一つ挙げてみましょう。
2025年11月14日、日本郵船(9101)の株価が5,000円を下回ってきた局面で、行使価格4,900円の12月限プット(取引最終日=12月11日)を120円で売ったとします。このときに得られたプレミアムは120円で、行使価格に対して約2.4%に相当します。

その後、12月11日の終値は4,884円となり、プットは権利行使され、4,900円で株を買うことになりました。
そこで翌12月12日、今度は行使価格5,000円の1月限コール(取引最終日=1月8日)を96円で売ります。このコールのプレミアムは、行使価格に対して約1.9%です。2026年1月8日の株価終値は5,232円となり、コールは権利行使され、株は5,000円で売却されました。

ここでは、いったん株の値上がり益(=5,000-4,900=100円)は脇に置き、2か月の取引で得られたプレミアムだけに注目してみましょう。プット売りで約2.4%、コール売りで約1.9%ですから、この2つを平均すると、1か月あたり約2%のプレミアムを得た計算になります。

もちろん、毎回理想どおりの取引になるとは限りません。カバコが思ったより早く行使されてしまうこともあれば、ターバイで買った株が、しばらく含み損になることもあります。

相場環境によってはもっと小さなプレミアムしか取れないこともあるでしょう。そこで話を半分にして考え、仮に毎月1%程度のプレミアムを、カバコとターバイの繰り返しで積み上げられたとします。それを12か月続ければ、単純計算で年率12%。税金を差し引いても、年率7%前後の収益率は十分に現実的な水準です。

このようにカバコとターバイを繰り返し、毎月少しずつプレミアムを受け取り、それを原資に加えていく。この循環を淡々と続けることで、資産は少しずつ、しかし確実に積み上がっていきます。一回の取引で得られるプレミアムはわずかでも、回数を重ねるほど、雪だるまの芯は確実に太くなっていく。これこそが複利の妙味です。

相場に王道はありません。
けれど、もしも王道のようなものがあるとすれば、それは派手さのない、地味な積み重ねなのかもしれません。かのウォーレン・バフェット氏も、派手な売買ではなく、バイ・アンド・ホールドという地味な彼の「王道」を気の遠くなるほどの期間続けてきました。ある月はまったく取引せず、別の月には突然やる気を出して普段の何倍も売買する―そんなムラのあるやり方ではなく、同じことを、同じペースで、淡々と続ける。

それが結果として実を結ぶのでしょう。

また、相場に王道がないということは、裏を返せば、「これをやらなければならない」という唯一の正解があるわけでもない、ということです。他人の成功談は参考になりますが、他人の方法をそのまま真似する必要はありません。大切なのは、自分が無理なく続けられる投資の形を見つけることです。

新しい年のはじまりに、かぶオプとともに、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。その一歩が、やがてあなただけの「王道」になっていくかもしれません。

(提供元)株式会社シンプレクス・インスティテュート

【かぶオプコラム】一覧
かぶオプについてもっと知りたい方は、かぶオプ特設ページもご覧ください。

編集部おすすめ