市場で注目を浴びているトレンドを深掘りする連載「マネ部的トレンドワード」。今回取り上げるテーマは、「1億総推し活」。
「推し活」という言葉が浸透し、特定の人や物を熱心に応援することが一般的な趣味になってきている。この流れを受け、さまざまな企業が推し活とビジネスを掛け合わせる動きを見せている。
そのひとつが、大日本印刷のグループ会社で証明写真機や写真プリント関連のサービスを展開するDNPフォトイメージングジャパンだ。オリジナル背景で撮影できる記念撮影フォトブース「写Goo!」「sharingbox PRIME」、クラウド型画像販売ソリューション「Imaging Mall(R)」などを展開し、2025年には「推し活EXPO」にも出展。
推し活市場に参入したきっかけや「写真プリント×推し活」の可能性について、DNPフォトイメージングジャパン企画本部の久和野英明さん、武田理沙さんに聞いた。
“コトづくり”を目指して開発したサービス
「実は、推し活というキーワードが一般化する前から動き出していた事業でした。我々はもともと写真を印刷するプリント用紙やインクリボン、プリンターなどのモノづくりを主軸に展開してきた企業ですが、10年ほど前から“コトづくり”に動き出しました。写真を撮影して画像処理を行い、プリントしてお渡しするまでのサービスを手掛け始めたのです」(久和野さん)
2015年頃には、撮影ブースの外観や背景をカスタマイズできるフォトブース「写Goo!」の原型ができていたそう。キャラクターやスポーツ選手、観光名所などを背景やフレームに設定し、イベント会場などに設置することで、ここでしかできない撮影体験を実現できる。
記念撮影フォトブース「写Goo!」のイメージ。
「『写Goo!』は半個室のようなブース型で、コンテンツを堪能しながら撮影体験をしていただけます。撮影・プリント機のみを独立させて、ブースを簡略化した『sharingbox PRIME』も展開しています。狭いスペースにも置けるので、イベント会場の一角に設置しやすく、気軽に記念撮影しやすいという特徴があります」(久和野さん)
DNP販促用撮影システム「sharingbox PRIME」のイメージ。
「『写Goo!』の開発と並行し、IP(知的財産)ホルダーの方々が保有しているキャラクターやアイドル、スポーツ選手などの画像データをグッズ化して販売する仕組み『Imaging Mall』もスタートしました。当初、プロ野球の球団と連携し、試合中の写真を当日にプリントして販売するサービスを実施したところ、スタジアム来場者の増加という効果につなげることができました。その日にすぐ手に入る即時性が、支持されたのだと思います」(武田さん)
現在、「Imaging Mall」はイベント当日の写真を販売するサービスだけでなく、店舗やイベント会場に設置された専用機器でコンテンツ画像を使ったブロマイドを販売できるサービスも展開している。
DNPフォトグッズ販売サービス「Imaging Mall with コンテンツラッシュ」のイメージ。
「形に残る」&「持ち歩ける」が推し活にマッチ
10年前から始めた“コトづくり”が、結果的に推し活とマッチする形となった。
「『写Goo!』や『sharingbox PRIME』はキャラクターやアイドルなどのIP、企業ロゴなどを背景に差し込むことで、記念撮影という体験を伴った多様な楽しみ方を提供できます。画像データさえあれば何十種類、何百種類もの背景やフレームを設定可能です。推し活を楽しむ方々の希望や願いを叶えやすい点が、満足度につながっているのではないかと感じています」(武田さん)
ソーシャルゲームのイベント「Fate/Grand Order Fes. 2022 ~7th Anniversary~」では、「写Goo!」のブースをゲームの世界観に合わせて装飾し、キャラクターと一緒に撮影できる体験が人気を博したそう。そのほかにも、商業施設のクリスマスなどの季節イベントや、美術展、恐竜展をはじめとする博物館での企画展などにも採用された。
「撮影した写真はデータでも受け取ることができますが、やはりプリントされた写真として手元に残るところが推し活と相性がいいのだと思います。推し活をされている方の多くは、推しのグッズを持ち歩いたり身に付けたりすることを大切にされているので、その点も踏まえて、印刷の方法や用紙などを考えています」(久和野さん)
一般的な写真サイズだけでなく、スマホケースに入れられるサイズや簡単に折って分けられる折り目が付いた用紙も用意されている。フォトキーホルダーにして身に付けられるように、ホルダーとセットで販売するサービスも行っているとのこと。
「集客につながる撮影体験」で多様な企業と連携
「2025年は『推し活EXPO』にも参加しましたが、企業の方々からも『撮影したものがグッズになって、すぐに持って帰れるところがいい』と評価していただきました。撮影サービスが施設やイベントの集客につながる可能性を、感じていただけたのではないかと思います」(久和野さん)
「企業の皆さんも『ちょっと試したいな』と撮影していかれる方が多く、体験を通じて『イベント会場に撮影・プリントできるブースがあるといいよね』というお話をいただいたケースもありました。
写真を販売するソリューション「Imaging Mall」も、企業から注目されているという。
「『Imaging Mall』はクラウド型のソリューションなので、画像データさえ準備していただければ稼働できます。ユーザーの方が希望した分だけプリントする仕組みなので、在庫を持たずに提供できる点も強みと考えています」(久和野さん)
一方で、IPを扱うからこその難しさも実感しているという。
「キャラクターなどのIPを扱う際、非常に注意するのは色味です。プリントしてみたら想像していた色味と違ったということがないよう、必ず企業の方に事前にチェックしていただき、調整しています。企業にとっても推している方にとっても大切な部分なので、印刷会社としてしっかり応えていきたいところです」(久和野さん)
ニーズやトレンドを取り入れ既存事業をブラッシュアップ
DNPフォトイメージングジャパンの強みである写真プリントを活かした取り組みは、見事に推し活のニーズにマッチした。
「展示会やイベントで体験していただく方のなかには、写真を現像したことのない方や数年ぶりにプリントする方もいるのですが、『こんなにキレイに印刷されるんですね』といった声をいただいています。デジタルとは異なる色彩や迫力といったプリントならではの魅力に、改めて気付いていただくきっかけになっているのかなと思います」(久和野さん)
「IPホルダーの方々から、『コンテンツは大量に持っているけど、どう活用したらいいかわからない』というご相談を受けることもあります。写真撮影やプリントという当社の技術を活かした形でお手伝いできることはたくさんあると思いますし、今後も期待に応えられるように取り組んでいきたいです」(武田さん)
これから注力していきたいことは、既存のサービスを活かしながら、さまざまなニーズを満たせるものへとブラッシュアップさせていくこと。
「写真プリントと推し活を掛け合わせたことで、展開していける幅が広がりました。だからこそ、今後は“誰に向けてどのようなものを提供していけばいいのか”という点を考え、細分化させていく必要があると感じています。
「証明写真機の『Ki-Re-i(キレイ)』も当社の主力商品なのですが、『背景色を推しカラーを意識したものに変えられたらいいのではないか』といった話も出てきています。写真のコンパクトさ、コレクション性の高さといった特性を活かしながら、季節性やトレンドなども取り入れて、新たな体験を生み出していきたいと考えています」(武田さん)
既存の技術にあぐらをかかず、より充実した体験を届けていこうとしているDNPフォトイメージングジャパン。貫いてきたその姿勢が、多くの人の笑顔を生み出すサービスにつながっているのだろう。
(取材・文/有竹亮介 撮影/鈴木真弓)

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