リバースモーゲージとは?仕組み・対象者やメリット・デメリット...の画像はこちら >>


リバースモーゲージとは、自宅を担保にして借入をし、契約者が亡くなった際に担保物件を処分して返済する仕組みのことです。老後資金の準備などに活用されることがあります。



最近、テレビやネットなどでリバースモーゲージに関するサービスを目にすることが多いのではないでしょうか。リバースモーゲージには様々なリスクが存在し、同居人や相続人に影響を及ぼすこともあるため、仕組みを十分に理解してから契約するか判断することが大切です。

本記事では、リバースモーゲージの仕組みや検討する際の注意点などについて解説します。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けて、契約者が亡くなった際に不動産を処分することで借入金を返済する仕組みのサービスです。「逆」を意味する「リバース(reverse)」と、「抵当」や「担保」を意味する「モーゲージ(mortgage)」に由来しています。

ここで、リバースモーゲージの主な用途や対象者について、押さえておきましょう。

主な用途

リバースモーゲージの主な用途は、以下の通りです。

・老後の生活資金を確保するため
・新たに住居を購入するため
・利用中の住宅ローンを借り換えるため
・老人ホームに入居する際にかかる一時金を確保するため
・趣味にお金を使うため
・子どもにお金を生前贈与するため

なお、取扱機関によっては、決められた用途にしかリバースモーゲージを利用できないことがあります。

主な対象者

一般的に、中高年層や高年齢層が、リバースモーゲージの対象者です。特に、老後のことを考え始めている人がリバースモーゲージを検討することがあります。

また、金融機関によって利用できる年齢が定められている点に注意しましょう。「50歳以上」「55歳以上」「60歳以上」が、年齢条件として一般的です。また、本人だけでなく配偶者について年齢の条件があることもあります。

リバースモーゲージとリースバックの違い

「どのような手段で資金を受け取るか」が、リバースモーゲージとリースバックの違いとして挙げられます。

リースバックとは、売却してその代金を受け取ってからも、引き続きその物件に住み続けられるサービスのことです。リバースモーゲージは所有する物件を担保に新たに借入をする(負債を増やす)のに対し、リースバックは資産を売却することで資金を調達します。



リースバックで得た資金は売却代金のため、資金使途に決まりはありません。リースバックの詳しい内容については、以下の記事を参考にしてください。

リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

リバースモーゲージの主な種類

リバースモーゲージは、各都道府県の非営利団体が主に高齢者向けに提供している制度を指す場合と、銀行が提供しているローン商品の一種を指す場合があります。それぞれの特徴を押さえておきましょう。

社会福祉協議会のリバースモーゲージ

各都道府県にある社会福祉協議会が、「不動産担保型生活資金」などの名称でリバースモーゲージを提供していることがあります。社会福祉協議会とは、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした、営利を目的としない民間組織のことです。

例えば、持ち家と土地はあっても現金収入が少ない高齢者が、生活費をまかなうために居住用不動産を担保として社会福祉協議会のリバースモーゲージを利用することがあります。

銀行のリバースモーゲージ型住宅ローン

銀行のリバースモーゲージ型住宅ローンには、銀行独自で提供している商品と、住宅金融支援機構(※)の「リ・バース60」の仕組みを活用している商品があります。

リ・バース60の主な特徴は、融資を受けてから毎月利息のみを支払う点です。また、契約者が亡くなった際は、相続人が対象物件を残すために融資を一括して返済するか、担保物件を売却して返済するかを選択します。

なお、この記事で主に紹介しているのは、社会福祉協議会のリバースモーゲージではなく、銀行のリバースモーゲージ型住宅ローンについてです。
※住宅金融支援機構:全額日本政府出資の独立行政法人。主に住宅に関する金融サービスを提供している。

リバースモーゲージを利用するメリットとデメリット

ここから、リバースモーゲージを利用するメリットとデメリットについて、解説します。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージを利用するメリットは、高齢者でも融資を受けられる可能性がある点です。通常の住宅ローンは「70歳」を超えると借りられなくなることが一般的であるのに対し、リバースモーゲージ型住宅ローンであれば借入時の年齢に上限が設けられていないことがあります。



また、通常の住宅ローンは住宅の購入やリフォームなどに資金使途が限定されているのに対し、リバースモーゲージ型住宅ローンはより幅広い用途に利用できる点もメリットです。ただし、リバースモーゲージには様々なデメリットや注意点があるため、メリットだけに注目して安易に契約しないようにしましょう。

リバースモーゲージのデメリット

金利が上昇すると毎月の支払負担が想定より重くなる可能性がある点が、リバースモーゲージを利用するデメリットです。ただし、商品によって、契約時に全期間固定金利を選択できる場合もあります。

また、不動産の評価額が低下した場合に、売却代金だけでは返済できず、相続人が残った債務を返済しなければならないことがある点もデメリットです。

リ・バース60には、リコース型とノンリコース型の契約方法があります。担保物件を売却しても債務が残る際、相続人に返済義務が生じるのがリコース型、返済義務が生じないのがノンリコース型です。そのため、リコース型を選択した場合は、担保評価額次第で残債の返済が必要になるでしょう。

なお、金利や取扱条件については、各金融機関で異なります。

リバースモーゲージを検討する際の注意点

リバースモーゲージを検討する際は、以下の点に注意しなければなりません。

・リスクを理解しておく
・担保価値のことを考慮する
・相続人のことを考えなければならない
・長生きした場合のことも想定する

利用を決める前に、必ず注意点を理解しておきましょう。

リスクを理解しておく

リバースモーゲージには、様々なリスクがあることを理解しておきましょう。

デメリットとして紹介した通り、リバースモーゲージの契約方法によって、金利上昇リスクや不動産評価の下落リスクなどが生じる可能性があります。あらかじめリスクを把握しておかないと、想定外の支払いが生じて資金計画の見直しが必要になることがあるでしょう。



担保価値のことを考慮する

リバースモーゲージを検討する場合は、担保価値のことも考えなければなりません。

リバースモーゲージは担保を提供することを条件に、融資を受けられる手段です。そのため、担保として提供する自宅の価値が低いと、希望額の融資を受けられない可能性があります。

また、評価額は定期的に見直される点にも注意が必要です。担保評価額の見直しに伴い、借入額が限度額を上回った場合は、返済を求められることがあります。

なお、リバースモーゲージ型住宅ローンの種類によって、一戸建てしか担保の対象としていないこともあるでしょう。

相続人のことを考えなければならない

リバースモーゲージを利用する際は、相続人のことも考えておかなければなりません。

リバースモーゲージ型住宅ローンを契約するにあたって、推定法定相続人の同意が必要とされたり、契約への同席が求められたりすることがあります。リバースモーゲージを利用することで、申込人が亡くなった際に物件に住み続けられなくなったり、物件を相続できなくなったりするリスクがあるためです。

同居人や相続人に納得してもらえるサービスなのかを、十分検討しておいたほうがよいでしょう。

長生きした場合のことも想定する

長生きした場合のことも想定したうえで、リバースモーゲージに申し込むべきなのか判断しましょう。

寿命は人それぞれのため、契約時にいつまで生きるかは予測できません。例えば、平均寿命まで生きる想定で資金計画を立てていた場合、長生きするとその分利息や生活費を多く払うことになり、手元の資金が不足することがあります。時間の経過とともに担保評価額が下がり、限度額を超過した融資金の返済を求められることもあるでしょう。

リバースモーゲージとは自宅を担保にした借入

リバースモーゲージとは、主に自宅を担保として提供することで新たに借入をする資金調達手段です。

老後の生活資金を確保したり、老人ホームに入居する際にかかる一時金を確保したりするために、活用されることがあります。

一方で、変動型で契約すると金利が上昇した際に支払負担が重くなる点や、不動産担保の評価額が低下して融資金の返済を求められることがある点などは、リバースモーゲージを利用するデメリットです。場合によっては、リバースモーゲージを契約したことで、同居人や相続人に迷惑をかけることもあります。

リバースモーゲージに関心がある場合は、メリット・デメリット・注意点を比較したうえで、家族にも相談して利用すべきなのか判断したほうがよいでしょう。

参考:金融広報中央委員会「知るぽると 老後を豊かに過ごすために ーリバースモーゲージという選択肢ー」
参考:住宅金融支援機構「個人向け商品【リ・バース60】」

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

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