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【かぶオプコラム】
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【格言かぶオプコラム】第11回:「Buy the rumor, sell the fact」(「うわさで買って、事実で売る」) | 東証マネ部!

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2025年度コラムの締めくくりとして、中国の古い寓話に由来する言葉「株を守りて兎(うさぎ)を待つ」を取り上げたいと思います。これは、中国戦国時代の思想書『韓非子』に登場する逸話から生まれた故事です。



昔、ある農夫が畑を耕していると、一匹の兎が飛び出してきました。そして偶然にも、畑の切り株にぶつかって死んでしまいます。農夫は、何の努力もせずに兎を手に入れるという幸運に恵まれました。

この出来事に味を占めた農夫は、その日から畑仕事をやめてしまいます。そして切り株のそばに座り込み、再び兎がぶつかってくるのを待ち続けました。しかし当然ながら、そんな幸運が何度も起こるはずはありません。結局、農夫は兎を手に入れることもできず、畑も荒れてしまいました。

この農夫が畑仕事もせずに再び得られるはずもない兎をただ待ち続けたように、成果が期待できない古いやり方を頑固に続けて融通が利かないことを、「守株(しゅしゅ)」といいます。日本では、北原白秋が作詞し、山田耕筰が作曲した童謡「待ちぼうけ」としても広く知られています。

さて、「株を守る」という言葉だけを聞くと、投資家にとっては良いことのようにも思えますが、一度の成功体験にこだわって新しい手法を学ばないとしたら、それは非常にもったいないことです。

世界は絶えず変化しています。今年の2月28日には、アメリカとイスラエルがイランへの攻撃を開始し、その影響で原油価格が急騰しました。

このように、金融市場は、政治、戦争、技術革新、エネルギー問題など、さまざまな要因によって刻々と姿を変えていきます。かつての成功体験が、いつまでも通用するとは限りません。だからこそ投資家には、時代の変化を見極め、新しい戦略を取り入れていく柔軟さが求められます。

株式投資は、長い歴史の中で多くの資産形成を支えてきた王道の方法です。しかし、株価が上下する以上、ただ株を持ち続けるだけでは思うように資産が増えない局面もあります。そこで、役に立つツールの一つが「かぶオプ」です。

例えば、2月27日時点で日経225ETF(1321)は61,000円を超えていました。しかし、ホルムズ海峡の封鎖というニュースを受けて、3月4日には一時56,000円を割り込みました。8%以上の下落です。

では、この間に日経225ETFのかぶオプはどのように動いたのでしょうか。

3月限行使価格57,000円のプットは205円から1,300円へと6倍以上に値上がりしました。

2月末から3月にかけての相場は、市場の荒れ方もかなり激しいものでした。

しかし、このようなときに株を大事に抱え込んで祈っているだけでは、利益を守ることはできません。そんなときは、プットオプションを買って損失を限定し、相場下落から利益を得るという方法も一つの考え方です。

以前の切り株には、もう兎はぶつかってこないかもしれません。しかし、見る方向を変えれば、もっと大きな獲物が見つかるかもしれません。

また、株を持ちながらコールを売るカバード・コールを使えば、株価が大きく上がらない局面でもプレミアムという収益を得ることができます。さらに、株を買う代わりにプットを売るターゲット・バイイングを使えば、株価が下がったときには株を割安に手に入れつつ、株価が下がらなければプレミアムを受け取ることができます。

このように、状況に応じて柔軟に戦略を変えていくことで、株式投資の可能性は大きく広がります。もちろん、どんな投資にも絶対の正解はありません。

だからこそ投資家には次の二つの姿勢が求められます。

・過去の成功体験にとらわれないこと
・時代の変化に合わせて学び続けること

これらを心がけていれば、時代にあった投資家として長く投資を続けることができ、資産形成においても成果をあげることができるでしょう。

一年間にわたりお届けしてきた「格言かぶオプコラム」も、今回で一区切りとなります。相場格言には、長い歴史の中で投資家たちが積み重ねてきた知恵が詰まっています。

時折コラムを読み返していただき、投資のヒントや次の一歩を考えるきっかけにしていただければ、これほど嬉しいことはありません。一年間お読みいただき、どうもありがとうございました。

(提供元)株式会社シンプレクス・インスティテュート

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