8月、新潟労働局の審議会で最低賃金を65円引き上げ、1050円とする答申が行われた。これに対し、県労連などは上げ幅が不十分だとして、さらなる賃上げを求めた。
■最低賃金 初の“1000円超”答申も引き上げ幅に異議

「物価は今この瞬間にも上がり続けている」
「実質賃金のマイナスの下で物価の伸びに追いついていない」
街頭で新潟県労連など3団体が声を挙げていたのは最低賃金について。大幅アップを求めて新潟市中央区で街宣を行っていた。
「国の責任で中小企業を直接支援してほしい。最低賃金は直ちに1500円。目指せ1700円が私たちの要求」と県労連の寺崎洋子議長は訴える。
新潟労働局の審議会は8月6日、新潟県内の最低時給を現在の985円から65円引き上げ、1050円とする答申を行った。
この額で決定した場合、時給表示されるようになった2002年以降、引き上げ額は過去最大。10月2日から適用される見込みで、最低賃金が初めて1000円を超えることになる。
これに対し、街の人からは「日本は物価上がっているので、やはり普通に生活しようと思うと、もっと上げてほしいなとは感じている。1300円までは最低上げてほしい」「とりあえず妥当かなと思う高ければ高いにこしたことはないが、やはり会社の経営もある」などの声が聞かれた。
■最低賃金のさらなる引き上げ・地域間格差の是正など申し立て

県労連の寺崎洋子議長をはじめ3団体は街宣後、県労働局を訪れ、異議申立書を提出。
最低賃金の上げ幅が物価上昇のペースに追いついていないことなどに触れ、最低賃金のさらなる引き上げや地域間格差の是正について申し立てた。
寺崎議長は「1050円では低すぎる。
■審議会「急激に上げることは難しい」
この申し出を受け開かれた22日の審議会では、「去年よりも大幅に引き上げられている」、「経営者側が提示した金額に近づけるための再審議でなければ必要性がない」などとする意見が出された。
こうした意見を踏まえ、審議会としては答申通りの決定が適当であると判断。
県内の最低賃金を1050円とすることを新潟労働局に再答申した。
新潟地方最低賃金審議会の長谷川雪子会長は「急激に賃金を上げることの難しさがある。さらなる引き上げを叶えたい気持ちはあるが、その通りに叶えられなかったことは非常に残念」と話した。
新潟労働局は今後、10月2日の適用に向けて各市町村や関係団体に周知していく予定だ。
(NST新潟総合テレビ)