能登半島地震で被害の出たエリアに対する液状化対策について、これまで新潟市では住民負担を求める考えを示していましたが住民には工事費用は求めず施設の維持管理費の半分を負担してもらう方針を打ち出しました。
【新潟市 中原八一 市長】
「液状化対策費は施設整備費と維持管理費の2つに分けられるが、結論として、施設整備費については全額、新潟市が負担することにいたします」
9月4日開かれた復旧復興推進本部会議を終え、こう話した新潟市の中原八一市長。
街区単位の液状化対策について、新潟市はこれまで公平性の観点から住民の費用負担を求めてきました。
8月の住民説明会では、中越沖地震後に対策した柏崎市の山本団地を例に取り…
【新潟市の担当者】
「1戸あたり約60万円を負担したと聞いている。結果として、柏崎市の例よりも高くなる可能性があると考えている」
こう説明していましたが、住民からは…
【天野中前川原自治会 増田進 会長】
「やはり一番ネックになるのが住民負担だと思う」
「費用負担が大きいと、市が求める100%の住民合意は難しい」という声が相次ぎました。
そこで、新潟市はモデルケースを設定し、すべての街区共通となる住民の負担額を算出。
1ヘクタールの街区内で約4億円かかる施設整備費について、3億9000万円を国が負担、残る1000万円を市が支出。住民負担は求めないことに。
一方で、地下水位を下げるために必要なポンプ施設の電気料金などは市と住民が半分ずつ負担。
50坪の住宅の場合、ポンプの耐用年数である30年間で、住民負担は26万2500円。分割払いも可能だということです。
市の決定に、住民負担ゼロを訴えてきた自治会長の一人、増田進さんは。
【天野中前川原自治会 増田進 会長】
「地域としてはありがたい話だと思っている。地域の被災された方々にお話しできる、説得しやすくなるのではないかと思っている」
市は10月の住民説明を経て、街区内の土地所有者全員の合意を必要とする意向確認を進める考えです。
【新潟市 中原八一 市長】
「住民の皆さんからは、市と一緒になってこの街区単位の液状化化対策を実施をしていただくことを積極的に検討していただきたいと思う」
また、街区外の設備の工事や維持にかかる費用は国と市でまかなうということです。
新潟市は住民の合意が年内に得られた地域では最速で再来年に工事が始められるとみています。