ラジオを聴き始めてから9年が経とうとしている。まだまだ浅いラジオ聴取歴だが「ラジオがなければどう生き延びていたのだろうか」と考えることさえあるほど、ラジオは私にとって不可欠な存在となっている。ラジオを聴くきっかけは「伊集院光深夜の馬鹿力」という番組を知ったことで、それから徐々に他の番組も聞くようになった。一人で家に篭り昼夜逆転型フリーランスとして働く私にとって、毎日同じ時間に同じ声を聞くことが仕事のルーティンになっている。特に朝やお昼の番組は仕事のオンオフを入れることができるありがたい存在だ。今回私が紹介する本は、そんなラジオの魅力が詰まった一冊だ。ライターの武田砂鉄(たけだ さてつ)さんによるTBSラジオ歴代パーソナリティへのロングインタビューを収めた『TBSラジオ公式読本』である。ラジオリスナーに向けた本ではあるが、今回の記事では本書の紹介を通して私自身がラジオによって世界を見る視点が変わった経験を、ラジオを聴いていない方に向けてお話ししたい。ラジオ番組は一般的に「朝のニュース番組」「普遍的な日常に寄り添うお昼の番組」「社会や文化に焦点を当てた夕方の情報ワイド番組」、そして「深夜の芸人のラジオ」に区分できる。私がラジオについてインタビューを受けた際は深夜ラジオについて話すことが多いが、今回は本で紹介されている、お昼から夕方に放送されている二つの番組に焦点を当てていく。
『ジェーン・スー 生活は踊る』
最初にご紹介したいのが『ジェーン・スー 生活は踊る』(月・木・11:00-13:00/2016年4月~)。作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティのジェーン・スーさんが「ルーティンをワクワクに」というテーマで、日々の生活情報やお悩み相談を音楽と一緒に届ける番組。彼女は本書で、次のように番組について語っている。
この番組では、毎週金曜日(今は金曜の放送はなくなった)にオープニングで、必ずスーさんが「お仕事中の方、家事育児、病気療養、はたまた介護中のみなみな様、よくぞ、よくぞ金曜日までたどり着きました! 本当にお疲れさまでした」と言う言葉を投げかける。番組を聴き始めた当時、私にとってこの言葉は非常に印象的だった。誰にも会わず数日家に篭って仕事をしたり、落ち込むことがある日々の週末に聞くこの言葉に、自分のことを気にかけてくれる人が世の中にはいるんだと励まされたことが多々ある。実際、仕事や家事育児、病気療養、介護など、他人の目には見えず、評価されにくい営みに対して労う言葉をかけてもらうことは少ない。また、番組のお悩み相談の中で印象的な回がある。
今回は、今日は春から大学生になる19歳・男性からの「いわゆるいじられキャラで、マウントを取られたり、馬鹿にされることが多くありました。それが原因なのか、自分に対する『自信』を持続させること、長続きさせることができなくて苦しいです」第1675回3/9(木)の放送(12:00~12:15頃)より。私たちは子どもの頃から表舞台に立つ人の輝かしさや美しさばかりを放送するメディアに囲まれ、さらにはSNSで他人と自分を比較することが容易になった現代において、特別な「何者か」でなければいけないという強迫観念に支配されていると思う。比較対象は無限に存在するため「何者か」への執着と自己肯定感は反比例する。
『荻上チキ・Session』
次に、社会的な制度や法律の改善策について討論する『荻上チキ・Session』を紹介していく。この番組『荻上チキ・Session』(月・金・15:30-17:50/2020年9月~)に興味を持つようになったきっかけは、自分の身近な人が性犯罪を起こしたことだった。信頼していた人間の行為によって、それを聞いただけで生きる意欲すら奪われてしまった。その後、性被害を受けた人々の話を調べ始め、彼らが直面する問題や、被害者自身が被害を受けている事実にすら気付くことができないような社会や教育のレベルの低さを知った。そんな状況で、ラジオから流れていた番組中で性被害の問題について取り上げているのが聞こえた。
私自身、学生時代痴漢の被害に遭遇したとき、あえて冗談まじりに笑いながら「キモいよね」と友人にそれを話した経験がある。同じように友人も私に笑いながら同じような経験を話した。10年近く前になる当時は、本当は怖かったという気持ちは隠して、大したことはないと振る舞わなければいけないという空気があった。私は、自ら経験した辛い出来事から他の人に絶対同じ経験をしてほしくないと願うと同時に、自分自身も無意識に他者を傷つけることはしたくないという意識が強く芽生えた。それを実現するためにはこの番組のように問題の根源を掘り下げ、個々の視点を尊重し、論理的に討論する姿勢が不可欠であることを痛感した。その過程でフェミニズムという思想に辿り着き、それがセクシャリティの問題と深く関わっていることを知った。そのおかげで私が自分自身のなかに抱いていた、女性であるから男性を好きにならなければならないという考え方への違和感は、それが自分自身の内面から生まれたものではなく、社会規範による洗脳があったからであると気付くこともできた。そうして世界中の女性が抱える問題に目を向けるようになると、戦時下において被害を受けた女性たちのニュースがこれまでにないほど心に強く突き刺さり、戦争をより身近に感じるようになった。戦争問題から沖縄の基地問題に目を向けるようになり、そこでは現地の女性たちへの暴力が横行していることを知った。自分が抱える問題が芋蔓式に世界中で起きている出来事と密接に関係していることに気付きニュースを聞く際の視点が大きく変化したのだ。
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年10月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61-wQA+eveL._SL500_.jpg)
![Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2024年 10月号[日本のBESTデザインホテル100]](https://m.media-amazon.com/images/I/31FtYkIUPEL._SL500_.jpg)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年9月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51W6QgeZ2hL._SL500_.jpg)




![シービージャパン(CB JAPAN) ステンレスマグ [真空断熱 2層構造 460ml] + インナーカップ [食洗機対応 380ml] セット モカ ゴーマグカップセットM コンビニ コーヒーカップ CAFE GOMUG](https://m.media-amazon.com/images/I/31sVcj+-HCL._SL500_.jpg)



