国際 NGO 「プラン・インターナショナル」は、日本での SRHR (性と生殖に関する健康と権利)の実現を目指すキャンペーン「SRHR for JAPAN #一億人のための SRHR」を7月30日に開始した。同日、東京都内で記者会見を開催。
キャンペーンの概要とSRHRに関する国内最大規模の意識調査の結果を発表した。
会見には、プラン・インターナショナル アドボカシーグループリーダー 長島美紀氏をはじめ、産婦人科医で一般社団法人SRHR JAPAN代表理事を務める池田裕美枝氏、産婦人科医でタレントの宋美玄氏、若者支援を行う認定NPO法人D×P理事長の今井紀明氏、当事者としてLGBTQ+に関する情報を発信している松岡宗嗣氏らが登壇。SRHRの重要性や、教育現場における性教育への課題などが語られた。
“Until we are all equal”をコンセプトに、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しているプラン・インターナショナル。
女の子をはじめ、誰もが差別されない公正な社会を実現するために、「性と生殖に関する健康と権利」「暴力からの子どもの保護」などをテーマに多様な取り組みを行っている。
「SRHR」は、英語の“Sexual and Reproductive Health and Rights”の頭文字をとった略語で、日本語では、「性と生殖に関する健康と権利」と訳される。
例えば、自分の身体や性に関する正しい知識を得ること、望まない妊娠や性暴力から守られること、誰を好きになりどう生きるかを自分で決めること、妊娠・出産・避妊を安心して選択できることといった、「選ぶ自由」と「尊重される権利」は、SRHRの一部となる。
その一方で、現在の日本社会では、SRHRが十分に実現されていないのが現状だ。性別や性的指向を理由とした差別が存在していたり、性的同意の重要性が十分に認識されていなかったりと、多くの深刻な問題が生じている。
キャンペーン「SRHR for JAPAN」は、制度・教育・文化の3つの側面からSRHRに関する課題を解決するとともに、社会に向けてその重要性を訴求する。国が策定中の第6次男女共同参画基本計画に向けた重点提案や、学習指導要領改訂に向けた議員対話、著名人とのイベントをはじめ、企業や行政、団体などさまざまなステークホルダーと連携した取り組みを展開していく。
今年4月、同NGOが全国の15歳~64歳の男女10,000人を対象にした意識調査「SRHR white paper 2025」では、「SRHR」という言葉を知っている人は4人に1人、内容を理解しているのは10人に1人に留まった。
性的同意の認知率は85%だったものの、「意味をきちんと理解している」と回答したのは54%。「毎回同意を確認している」は26%であった。
性的同意の学習経験は全体では18%であったが、40代以上では10%前後と低い水準となった。
同NGOのアドボカシーグループリーダー 長島美紀氏は、「SRHRが欠如すると自尊心が低下しやすい。その結果、教育やキャリアの選択肢が狭まったり、人間関係で不平等が続いたり、社会参加やリーダーシップを発揮しづらいといった現象が起きてしまう」と説明した。
産婦人科医で一般社団法人SRHR JAPAN代表理事、女性医療ネットワーク理事長の池田裕美枝氏は「海外ではSRHRという言葉は広く浸透しているが、日本ではまだまだ知られていない。その一方で、意識調査で若い層に広く認識されているのが判明したのは大変喜ばしいこと。今後は幅広い世代に向けて普及啓発を行っていきたい」と話した。
産婦人科医でタレントの宋美玄氏は、「今回の意識調査で注目すべき点と感じたのは、どの世代においても『正しい知識を得る機会がない』ということ。その背景には、日本では性教育や生殖教育が十分に行われてないことが非常に大きい。よって、子どもの頃から包括的性教育を当たり前に学べる仕組み作りが必要」と指摘した。
若者支援を行う認定NPO法人D×P理事長の今井紀明氏は「現場では『学校に行くことができない』『両親との不仲により家にいられない』という子どもが非常に目立つ。
そういった子どもは性教育を受ける機会がない。いかに学校や家庭以外の場所で、SRHRの概念を広めていくかが今後の重要なポイント」と語った。
一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣氏は、「中学生のとき、保健体育の授業で自分がゲイであることを友人と教員に笑われた経験があり、非常にショックを受けた。もし当時、SRHRという概念が日本社会に普及していたら、状況は違っていたはず」と、LGBTQ+当事者としての見解を述べた。
「SRHR for JAPAN」は30日に特設サイトをオープン。SRHRに関する読み物が掲載されているほか、キャンペーン第一弾としてクイズ形式で学べる「性的同意チェック #性的同意模試」も公開中だ。ぜひこの機会にサイトをチェックし、性的同意への理解を深めてみてはいかがだろうか。
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