俳優の仲野太賀さんが主演を務める2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の放送が1月4日から始まった。2023年の『どうする家康』以来3年ぶりの戦国大河、1996年『秀吉』以来30年ぶりに豊臣家を題材にした豊臣大河に注目が集まっている。そんな『豊臣兄弟!』の波に乗っかり、登場する人物について深掘りしていこうという企画。第3回目は第3話で衝撃的な退場が話題となった「城戸小左衛門」。

加治将樹さん演じる城戸小左衛門。作中では木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が「父の手柄を横取りした仇」と語り、藤吉郎と小一郎の因縁の相手として登場した。2人の父親である弥右衛門が、戦場で討ち取った敵の首を城戸小左衛門に奪われ、その無念から命を落としたという設定で、槍の名手の豪傑として描かれている。

この城戸小左衛門、なんと資料が残っていないこといないこと……。架空の人物かと思いきや、信長の側近武士であり、太田牛一が書いた『信長公記』に唯一名前が出てくる。
僧侶と武田信玄が信長の人となりについて語る場面の中で、六人衆と呼ばれる信長の側近集団が登場。弓の名手3人、槍の名手3人で構成される6人で、弓の名手が浅野長勝、堀田孫七、著者本人の太田牛一。そして槍の名手として記されているのが、伊東清蔵、堀田佐内と城戸小左衛門。このことから城戸小左衛門は信長に仕えた、それも槍術を認められた側近に近い立場だったことがわかる。

しかし、城戸小左衛門の実像についてわかることは、実在の人物であること、槍術に長けていたこと、信長からもそれを認められていたことくらい。資料が残っていなさすぎて、信長は大河ドラマに幾度となく登場しているが、城戸小左衛門が登場したのは今回が初めて。当然藤吉郎、小一郎の親の仇であるという設定は史実ではなく、今回のドラマを盛り上げるためのフィクション。そして生没年が不明であるが、信玄と僧侶の会話は1555年頃であったと推測できるため、この頃までは確実に生きていたのではないかと思われる。

ドラマ作中では桶狭間の戦いで藤吉郎、小一郎の前であっけなく絶命してしまった城戸小左衛門。桶狭間の戦いが1560年なので、実際にこの戦いで亡くなっている可能性もあるが、それは現段階の史料ではわからない。

筆者もドラマを視聴していて、序盤の盛り上げ役の敵キャラだと思っていただけに、あの退場の仕方は驚いた。4話からはまたひとつ展開が動きそうなので、楽しみに視聴したいと思う。

(Written by 大井川鉄朗)



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