日本人事経営研究室は2月10日、都内で「中小企業が抱える賃上げ課題解決・ラウンドテーブル」を開催した。当日は同社代表取締役の山元浩二社長が登壇し、中小企業が抱える賃上げ課題の概要を説明したほか、オンライン会議でナガセトーヨー住器株式会社の永関英文社長や、株式会社たかはし葬儀社の高橋建隆朗社長が人事評価制度や経営計画を導入した賃上げ成功事例について発表した。
今回の発表会では、全国の中小企業で、人事評価制度を運用している経営者や役員100名と、運用していない経営者や役員100名を対象に賃上げ成功している企業の特徴について報告した。 

人事評価制度の重要性について話す山元社長
 国内の中小企業の2025年度の人手不足を理由に倒産した企業は過去最高の397件となった。OECD加盟国ランキングでは28位となり、労働生産性の低迷などの打撃を受けた結果となっている。今後は、生産性向上の取り組みなどを強化することなどが課題となる。 
 同社のコンサル導入企業786社の顧客のうち、人事評価制度を運用して賃上げ成功している企業は全体の92%、人事評価制度を適用していない企業は44%となっている。 


人事評価制度を導入して賃上げに成功した高橋社長
 一方、国内の中小企業の経営者が特に悩んでいる問題は、圧倒的に賃上げできずに人材が集まらず、人手不足に陥っていることだという。賃上げをすることで人材の定着率が上がるために、賃上げは必須となる中、賃上げができずに賃上げ倒産する中小零細企業が後を立たない。 
 特に、危機を感じるのは、親族経営で属人化している企業や中小の生命保険会社などで、より良い給料体制の企業に転職してしまう社員が多く、離職率が高いことが挙げられる。相談に来る企業は様々な問題を抱えている中、一番多い悩みは、やはり賃上げだという。しかし中小企業の多くは、経営計画や今後の目標がなく人事評価制度が存在しない。そこで、ビジョン実現型を提案しているのが同社だ。 
 山元社長は「賃上げを成功することができず、結果的に人材が確保できずに人手不足に陥るという悪循環がうまれていることが最大の問題です。
特に保険会社などでは、賃上げできずに社員を定着できずに大企業に転職していく社員も多いのが実態です。まずは、賃上げできる企業になるためのビジョンを明確にしていくことが問題解決につながっていきます。実際に人事評価制度導入してから成果が出始めるのは、平均して2、3年後からですが、根気よく経営計画を考えていくことで全体の業績も上がり、結果的に賃上げにもつながっていくはすです」と話す。 



 企業のビジョンを明確にして、皆で共有しながら目標に向かっていけば、社員のモチベーションや生産性も上がり、結果的に賃上げにつながる。社長ではなくリーダーが部下を育成する仕組みを構築していくことで、経営計画にもとづいた業績が向上し、毎年計画的な賃上げが可能となる。国内の中小企業の多くは、10ケ年計画をタイムリーに運用し、ビジョン実現型人事評価制度を活用することが成果をあげる解決策なのではないだろうか。 




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