日本政府が2050年までに実現すると宣言しているカーボンニュートラル。それを実現するための取り組みの一つが「再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電)」(再エネ)、化石燃料から太陽光や風力発電等のクリーンエネルギーに転換するGX(グリーン・トランスフォーメーション)の導入だ。
 
 株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、これまでにエネルギーの地産地消を目指して施設や根を活用した太陽光発電所で再エネを最大限に活用する仕組みを構築してきた企業。今回、民間と自治体との連携により余剰再エネを循環させる再エネ循環モデル「GX City」を堺市で本格始動すると発表した。 
 上の画像は代表取締役社長 秋田智一氏(右)と執行役員DX推進部長 岩崎哲氏(左)。 
  
<自治体が抱える課題とアイ・グリッドのGX導入による解決>
 堺市が抱えている電力とGXにかかわる課題は、①電力単価の上昇によるエネルギーコスト増、②太陽光発電施設を設置するスペースの不足と住民理解、③公共施設の構造的限界(築年数、構造、屋根面積、屋根形状)の3点。そこで地域内にある企業の既存施設の屋上を最大限に活用して、自然への負荷を少なく太陽光で発電するという、「分散型太陽光」をベースにした アイ・グリッドのGXが導入されることとなった。
 これまで、太陽光パネルを事業所の屋上に設置する企業は、自家利用するために必要十分な発電施設を設置してきた。そのため必ずしも屋根面積を最大限に利用していなかったが、その屋根上余剰に発電施設を拡大すれることによって余剰電力が生まれる。アイ・グリッドはその余剰電力をアグリゲートして市場に供給し、屋上に発電施設を設置することが難しい地元自治体にその余剰電力が供給される。これが地域内で完結すれば、長距離送電によるロスも発生しない。 自治体内で発生する再エネ・余剰電力を地域に「紐づける」ことで「エネルギーの地産地消」を実現することができることになる。これがアイ・グリッドのGX Cityだ。


 しかしながら、余剰電力アグリゲーションには複雑な発電管理が必要になる。
アイ・グリッドはそれを実行するためにプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」。発電量予測、需要量予測、異常検知のための3つのAI技術をビッグデータに適用する仕組みを運用している。 
  
<地域脱炭素を共創で推進する堺モデル>
 堺市では太陽光パネルの野立ての設置には適する土地が不足していた。また自家発電のために市庁舎などの施設の屋上を利用するには構造的限界があった。また、電力単価の上昇によるエネルギーコスト増も課題となっていた。 


 そこで、アイ・グリッドのGXを採用することになった。民間施設の屋上を利用して余剰再エネが生産され、それをアイ・グリッドがアグリゲートし、堺市が消費する。都市部において地産地消型の再生可能エネルギーの調達が可能になるのだ。これまでに採択されている施設堺市内でアイ・グリッドと契約している発電施設を要する民間施設(PPA業者)は11社15施設。各企業で自家消費された以外の余剰電力は、堺市本庁舎へ供給される。 
 
永藤英機 堺市長はこの事業が「堺モデル」として全国の同様の課題に直面する自治体にとってロールモデルとなることを期待しているという。またアイ・グリッドは、「再エネの地産地消を実現し、自然を壊さず地域の脱炭素化・レジリエンス強化・経済活性化、生活利便性・快適性の向上を、地域企業や自治体と一緒に目指す都市のあり方」であるとGX City 構想を位置付けている。
 




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