⼥性審査員による国際日本酒品評会「Japan Women’s SAKE Award~美酒コンクール~」にて最高峰「美酒 of the Year 2025」に選ばれた「吟天」。中央が小田切社長。
(画像提供:一般社団法人日本のSAKE とWINE を愛する女性の会)

2025 年だけでも国内外のお酒のコンテストで25個ものアワードを受賞した日本酒ブランドがある。その名も「吟天」。「どこの酒蔵?」と思う人も少なくないかもしれないが、実は「吟天」は特定酒蔵のお酒ではない。

酒蔵のように自ら酒を醸すのではなく、各地の酒蔵と協働しながら酒の味や特徴を設計し、酒蔵に醸造を依頼。その後、自社での長期低温熟成やアッサンブラージュ(精密なブレンド)、販売までを行う、いわば“日本酒プロデューサー”的存在が「吟天」だ。

そのコンセプトは“コース料理にペアリングする日本酒”。 料理との相性や飲み手の体験までを見据えて日本酒を生み出している。「吟天」シリーズのお酒は現在、飲食店などに卸されたり、オンライン通販で販売されたりしている。多数も受賞歴に輝く「吟天」とは、いったいどんなお酒なのか‥。

「吟天」の創業社長は30 年以上も日本酒ペアリング会を開催
現在10種類ある「吟天」ブランド(2026年3 月時点)。(画像提供:吟天)
「吟天」の創業者、小田切崇社長はもともとIT企業に勤務していたが、日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得。会社員時代から日本酒ペアリング会を主宰してきた。
その後、日本酒への情熱から一念発起、2015 年に起業し、2017 年に酒販免許を取得して「吟天」ブランドを立ち上げた。



https://www.youtube.com/@ginten_chefsake

「吟天」ではフレンチやイタリアン・中華などの一流シェフと日本酒ペアリングの動画配信もしている。

「吟天はワインの世界でいう“ネゴシアン”のような役割です」と話す小田切氏。実は彼の名刺にも「ネゴシアン」という肩書が記されている。現在は日本酒をプロデュースしてプライベート・ブランド「吟天」を展開するほかに、「吟天」銘柄以外の日本酒やワインを通販サイトで販売したり、レストランなどへお酒を小売販売したりしている。

純米吟醸酒だけじゃない、スパークリングや熟成酒もある「吟天」
現在、「吟天」ブランドの日本酒は10種類ほど展開されて、そのほとんどが自社の通販サイトで販売されている(https://ginten.tokyo/)。今回はその中でも香り系・旨味系・熟成系の3 本をピックアップして紹介したい。

・香り系:「吟天水龍」(製造:山梨銘醸、山梨県/吟天通販サイト価格5,060円・720ml、画像提供:吟天)

シャンパンと同じ瓶内2次発酵で造られたスパークリングタイプの日本酒。瓶詰め後に約6年の熟成を重ねたお酒で、ふわりと花や果実のような上品な香りが立ち上がり、米の甘みが口中に広がる。

きめ細かな泡とすっきりした後味が特徴。和食はもちろん、豚肉やジビエの煮込み、鴨肉のローストなど、野趣あふれる肉料理などとも相性が良い。

・旨味系:「吟天花龍」(製造:南部美人、岩手県/吟天通販サイト価格9,900円 720ml、画像提供:吟天)

「吟天」は2022 年から酒米の王様と呼ばれる「山田錦」や「愛山」の自然栽培にも取り組み、無農薬で育てた酒米を使った日本酒づくりにも挑戦している。
このお酒は「山田錦」の発祥の地とされる兵庫県小野市で無農薬・無化学肥料で育てた「山田錦」を40%まで磨いて醸したもの。

ふわっと華やかな花の香を感じられ、やわらかな口当たり。米の旨みがふくよかに広がり、心地良い余韻が残るお酒。和食やフレンチのコースにペアリングするお酒として酒質を設計したもので、魚介料理ともよく合う一本。 2025年の発売以来、国内外の酒コンテストで7 つもの受賞歴に輝く注目の純米大吟醸。

・熟成系:「吟天龍王」(製造:本田商店、兵庫県/吟天通販サイト価格22,000円 720ml、画像提供:吟天)

20年以上熟成させた酒を数種類ブレンド(アッサンブラージュ)した熟成タイプの日本酒。和牛ステーキなど濃厚なメイン料理に合わせて設計されたお酒で、甘味、旨味、酸味が重層的に広がる。

フランスの日本酒コンクール「Kura Master」熟成酒部門でプラチナ賞、イタリアの「ミラノ サケ チャレンジ」で金賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ている。 冒頭の「Japan Women’s SAKEAward~美酒コンクール~」にて最高峰に輝いたのもこのお酒。

美食家が集う日本酒ペアリング会「吟天グルメ」に潜入
「竹の子の唐揚げ」にスパークリング日本酒「吟天水龍」をペアリング


「吟天」シリーズのお酒は大変気になるが高級酒も少なくないため、「なかなか味わう機会に恵まれない」と嘆く日本酒通も多い。そんな人におすすめなのが、小田切氏が30年以上続けているペアリング美食会。「吟天」シリーズのお酒を数種類、一度に少しずつ味わえる大変貴重な機会が「吟天グルメ」だ。
現在も定期的に開催されている、日本酒好きの食通たちが集まる会に潜入してみた。

2026年2 月、開催店は東京・早稲田の人気店「手打ち蕎麦 汐見」。同店は2024 年と2025年の2年連続で食べログ百名店に選ばれた評判の店だ。 この日は旬の食材を使った和食8品に日本酒7種がペアリング。上記の「吟天」3 種も含まれており、小田切氏の丁寧な解説を聞きながら堪能できた。

「ズワイガニと塩水ウニの巻き寿司」には純米大吟醸「吟天花龍」(撮影:綿田博吉)


1品目の「竹の子の唐揚げ」にはスパークリング日本酒「吟天水龍」。上質な泡が熱々の竹の子をやわらかく包み込む。濃厚な旨味の「ズワイガニと塩水ウニの巻き寿司」には、力強い旨味の純米大吟醸「吟天花龍」をペアリング。見事な調和で、参加した美食家たちの顔に笑みが広がる。

鴨鍋には熟成酒「吟天龍王」のぬる燗をペアリング


コースの山場となる鴨鍋には熟成酒「吟天龍王」。ぬる燗で提供され、お酒のまろやかなコクが鴨の旨味を一層引き立てる。黄金色のお酒を口に含んだ瞬間、旨味がじんわりと広がり、余韻が静かに続く。

最後は店自慢の十割蕎麦が登場。群馬・赤城産の蕎麦を自家製粉し、その日の分だけ手打ちする蕎麦は、細くしなやかで、なめらかな舌触り。

以上のような旬の料理と日本酒のマリアージュを楽しめる美食会「吟天グルメ」は、今後はフレンチや中華、イタリアンなどのレストランでも開催予定。詳しくは「吟天」の公式サイト(https://ginten.tokyo/)をチェックしてみよう。話題の「吟天」を一度に数種類、小田切氏の解説付きで堪能できる、貴重な美食イベントだ。


「吟天グルメ」開催店/「手打ち蕎麦 汐見」
住 所 新宿区早稲田鶴巻町556 松下ビル1F
電話:050-3033-4404(完全予約制)
営業時間:ランチ12:00 ~(14:00閉店、事前予約制・コースのみ、日曜日・祝日のみの営業)
ディナー17:30~22:00 (最終入店20:00)
定休日:水曜日、第1・3火曜日(2026年4月から水曜日のみ定休に変更)
席数:26席、個室あり・貸し切りOK・車椅子の入店可
料理:コース13,000円~、「早割17:30 ~1、1,000円」「遅割20:00~、11,000円」あり。全て税込。
店のホームページ:https://www.sobashiomi.com/


≪筆者プロフィール≫
▪滝口智子


国際きき酒師&ソムリエ
飲食ライター歴20年の食いしん坊バンザイ!記者&PRプランナー。
日本酒やワインなどもこよなく愛す。
テレビやラジオ番組などにも出演中。


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