管理栄養士のともゆみです。なすは今まで栄養が少ない野菜と言われてきましたが、実は今まで捨ててきたなすの「へた」や調理中に取り除いてきた「アク」にこそ栄養があるそうです。
中をくり抜いて調理して詰め直して再構築♪え、オムレツ詰めてるの!?「オム茄子ステーキ」作ってみた!
FNNプライムオンラインは、フジテレビ系FNN28局が配信しているニュースサイトです。そちらに、なすの栄養から栄養を増やす食べ方までが詳しく紹介されていました。
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部が監修した書籍『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます』(世界文化社)には、普段捨てているような食材の部位にも栄養があることや、栄養を高める調理法について記されているのですが、FNNプライムオンラインでは、その書籍に書かれているなすについての内容を一部抜粋・再編集したものを紹介しています。
まずはなすの成分を紹介します。
なすの部位別成分
へたやガク
なすのへたやガクにはがん予防効果が示唆されています。へたやガクに含まれる天然化合物が子宮頸がん予防のほか、幅広いがん予防に有効であることがマウスを使った実験で発見されたそうです。
皮
なすの皮には、アントシアニンの一種であるナスニンが豊富に含まれています。抗酸化力が高く果肉の2~3倍ほども高いと考えられ、なすの皮を剥くと、抗酸化成分をあらかた捨ててしまうことになるそうです。
果肉
スポンジ状の果肉は90%以上が水分で、栄養成分は少なめですが、カリウムや食物繊維、ビタミンB群などがバランスよく含まれています。睡眠の質を高めるGABAは、果肉の下部(果頂部)に豊富に含まれています。
種子
果肉の黒い点々は、なすの種子が熟して変色したものですが、黒い点々が多いほど成熟度は高くなります。なすの種にはポリフェノールの一種で抗酸化作用のあるクロロゲン酸が非常に多く含まれています。黒い点々は食べても大丈夫?と思うかもしれませんが、問題なく食べられ、多いほど抗酸化力が高まります。
なすのへたやガクはどうしてる?
なすのへたやガクってどうしていますか?
まぁ、たいてい捨てていますよね。
へたやガクには、がん予防効果が示唆されているのに、捨ててしまっているなんて…。ガクは口に残るので、そのまま食べるのは難しいですが、へたは付けたまま調理して食べることが可能です。そこで、ガクだけを切り落とすやり方が記載されていたのでやってみようと思います。
ガクの切り落とし方
1. へたと果肉がつながっているところに、包丁でぐるっと切り込みを入れます。
2. 切り込みを入れた部分から下のガクを取り除き、残ったへたごと調理します。
あとで、蒸してへたの部分も食べてみましたが、違和感なく食べられました。
アク抜きはしない方がいい!?
なすを調理するときは、なすを切ったあと、通常、水に浸けてアク抜きをします。普段やっていることですが、実はこのアクの正体は、クロロゲン酸という抗酸化作用のある成分なんです!糖分の吸収を抑えて脂肪の蓄積を防ぐとして、糖尿病をはじめ生活習慣病の予防効果も期待できるそうです。
睡眠の質を上げるなら「蒸す」
なすの果肉に含まれているGABAは、60℃の低温加熱をすることで、約40%増加します。リラックスしたり、睡眠の質を高める作用のあるGABAの成分を最大に引き出すには、「低温蒸し」がおすすめなんです。
なすの低温蒸しをやってみた!
わが家には蒸し器がなく、鍋にすっぽり入れる折りたたみ蒸し器を使ってやってみます。
【作り方】
1. 鍋に水を入れ、折りたたみ蒸し器をセットし中火にかけます。
2. 沸騰したら洗って半分に切ったなすを入れ、火を止めます(アク抜きはしません)。
3. フタをずらしてしばらく置きます。そうすることで、60℃程度の温度をキープできるそうです。この状態で20分置きました。なすを見てみると、あまり加熱されておらず、温度も冷めてきています。このまま置いても加熱されないままなので、ごく弱火にかけました。温度を計ると62℃くらいだったので、このまましばらく放置してみます。
4. ごく弱火にしたままさらに20分が経過しましたが、まだ完全に火が通っていないようなので、ごく弱火のままでさらに10分追加しました。
なんか、まだちょっとかたそうな感じもしますが、最初の20分を含めトータル50分加熱したので終了します。
ちょっと食べてみます。
アクが…強い。なんとか火は通っているようですが、えぐみがあって、スポンジっぽいです。おいしいかと言われると…。味はイマイチですね。
アミノ酸の一種であるGABAは、グルタミン酸などの旨味成分を加えることで増加します。みそやチーズを加えることで、GABAは2倍になるとのこと。
チーズディップを付けてみます。小さいサイズのチーズディップがスーパーに売られていたので買ってみました。温まるまで30秒ほど電子レンジで加熱したものを蒸しなすに付けてみます。
なすはイマイチですが、チーズのおかげでおいしく食べられますね。これがGABAを最も多く引き出す食べ方なのですね。
なすの皮に含まれるナスニンやアクに含まれるクロロゲン酸が持つ抗酸化作用は、加熱することで引き出されます。ただし加熱しすぎると減少するので、低温加熱または短時間加熱をおすすめします。
なすの上手な調理法や保存についても記されていました。
油を摂りすぎないコツ
なすの果肉はスポンジ状なので、油を吸いやすく、仕上がりが油っぽくなってしまうこともあります。油を少なめにさっぱりと仕上げるコツがありました。それは、加熱する前に油を先に絡めておくということ。小さじ1の油を絡めることがコツだそうです。今回は電子レンジで加熱しましたが、フライパンで加熱するときも同じようにできます。
【やり方】
1. なす1個を乱切りにし、油小さじ1を絡め、しばらく置きます。
2. 15分ほど置き、しんなりしてきたので調理します。
やわらかくてジューシーです。油っこさはなく、えぐみなどの雑味がなくおいしく食べられます。
最後になすの保存について触れています。
なすの保存法
暖かい国が原産のなすは、5℃以下の寒いところが苦手です。室温が15℃程度までであれば常温保存がおすすめだそうです。
水分が蒸発するとしなびてしまうので、1つずつラップに包んで、室温が高い場合は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。
知られざるなすの栄養についてたっぷりと知ることができました。睡眠に働くGABAの成分を最大に引き出す低温蒸しは、正直あまりおいしいものではありませんでしたが、これも経験。楽しく学ばせてもらいました。参考にしてみてくださいね。
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部が監修した『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!』に書かれているなすの栄養について再編集したものを、FNNプライムオンラインで紹介されていました。興味深かったのでその内容をお届けします。
中をくり抜いて調理して詰め直して再構築♪え、オムレツ詰めてるの!?「オム茄子ステーキ」作ってみた!
FNNプライムオンラインは、フジテレビ系FNN28局が配信しているニュースサイトです。そちらに、なすの栄養から栄養を増やす食べ方までが詳しく紹介されていました。
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部が監修した書籍『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます』(世界文化社)には、普段捨てているような食材の部位にも栄養があることや、栄養を高める調理法について記されているのですが、FNNプライムオンラインでは、その書籍に書かれているなすについての内容を一部抜粋・再編集したものを紹介しています。
まずはなすの成分を紹介します。
なすの部位別成分
へたやガク
なすのへたやガクにはがん予防効果が示唆されています。へたやガクに含まれる天然化合物が子宮頸がん予防のほか、幅広いがん予防に有効であることがマウスを使った実験で発見されたそうです。
皮
なすの皮には、アントシアニンの一種であるナスニンが豊富に含まれています。抗酸化力が高く果肉の2~3倍ほども高いと考えられ、なすの皮を剥くと、抗酸化成分をあらかた捨ててしまうことになるそうです。
果肉
スポンジ状の果肉は90%以上が水分で、栄養成分は少なめですが、カリウムや食物繊維、ビタミンB群などがバランスよく含まれています。睡眠の質を高めるGABAは、果肉の下部(果頂部)に豊富に含まれています。
種子
果肉の黒い点々は、なすの種子が熟して変色したものですが、黒い点々が多いほど成熟度は高くなります。なすの種にはポリフェノールの一種で抗酸化作用のあるクロロゲン酸が非常に多く含まれています。黒い点々は食べても大丈夫?と思うかもしれませんが、問題なく食べられ、多いほど抗酸化力が高まります。
なすのへたやガクはどうしてる?
なすのへたやガクってどうしていますか?
まぁ、たいてい捨てていますよね。
へたやガクには、がん予防効果が示唆されているのに、捨ててしまっているなんて…。ガクは口に残るので、そのまま食べるのは難しいですが、へたは付けたまま調理して食べることが可能です。そこで、ガクだけを切り落とすやり方が記載されていたのでやってみようと思います。
ガクの切り落とし方
1. へたと果肉がつながっているところに、包丁でぐるっと切り込みを入れます。

null
2. 切り込みを入れた部分から下のガクを取り除き、残ったへたごと調理します。

null
あとで、蒸してへたの部分も食べてみましたが、違和感なく食べられました。
アク抜きはしない方がいい!?
なすを調理するときは、なすを切ったあと、通常、水に浸けてアク抜きをします。普段やっていることですが、実はこのアクの正体は、クロロゲン酸という抗酸化作用のある成分なんです!糖分の吸収を抑えて脂肪の蓄積を防ぐとして、糖尿病をはじめ生活習慣病の予防効果も期待できるそうです。
アク抜きをしない方がその成分を摂取できるんです。
睡眠の質を上げるなら「蒸す」
なすの果肉に含まれているGABAは、60℃の低温加熱をすることで、約40%増加します。リラックスしたり、睡眠の質を高める作用のあるGABAの成分を最大に引き出すには、「低温蒸し」がおすすめなんです。
なすの低温蒸しをやってみた!
わが家には蒸し器がなく、鍋にすっぽり入れる折りたたみ蒸し器を使ってやってみます。
【作り方】
1. 鍋に水を入れ、折りたたみ蒸し器をセットし中火にかけます。
2. 沸騰したら洗って半分に切ったなすを入れ、火を止めます(アク抜きはしません)。

null
3. フタをずらしてしばらく置きます。そうすることで、60℃程度の温度をキープできるそうです。この状態で20分置きました。なすを見てみると、あまり加熱されておらず、温度も冷めてきています。このまま置いても加熱されないままなので、ごく弱火にかけました。温度を計ると62℃くらいだったので、このまましばらく放置してみます。

null
4. ごく弱火にしたままさらに20分が経過しましたが、まだ完全に火が通っていないようなので、ごく弱火のままでさらに10分追加しました。

null
なんか、まだちょっとかたそうな感じもしますが、最初の20分を含めトータル50分加熱したので終了します。
ちょっと食べてみます。

null
アクが…強い。なんとか火は通っているようですが、えぐみがあって、スポンジっぽいです。おいしいかと言われると…。味はイマイチですね。
アミノ酸の一種であるGABAは、グルタミン酸などの旨味成分を加えることで増加します。みそやチーズを加えることで、GABAは2倍になるとのこと。
チーズディップを付けてみます。小さいサイズのチーズディップがスーパーに売られていたので買ってみました。温まるまで30秒ほど電子レンジで加熱したものを蒸しなすに付けてみます。

null
なすはイマイチですが、チーズのおかげでおいしく食べられますね。これがGABAを最も多く引き出す食べ方なのですね。
なすの皮に含まれるナスニンやアクに含まれるクロロゲン酸が持つ抗酸化作用は、加熱することで引き出されます。ただし加熱しすぎると減少するので、低温加熱または短時間加熱をおすすめします。
なすの上手な調理法や保存についても記されていました。
油を摂りすぎないコツ
なすの果肉はスポンジ状なので、油を吸いやすく、仕上がりが油っぽくなってしまうこともあります。油を少なめにさっぱりと仕上げるコツがありました。それは、加熱する前に油を先に絡めておくということ。小さじ1の油を絡めることがコツだそうです。今回は電子レンジで加熱しましたが、フライパンで加熱するときも同じようにできます。
【やり方】
1. なす1個を乱切りにし、油小さじ1を絡め、しばらく置きます。

null
2. 15分ほど置き、しんなりしてきたので調理します。
ふんわりとラップをかけ600Wの電子レンジに2分かけました。ポン酢じょうゆを少々かけて出来上がりです。

null
やわらかくてジューシーです。油っこさはなく、えぐみなどの雑味がなくおいしく食べられます。
最後になすの保存について触れています。
なすの保存法
暖かい国が原産のなすは、5℃以下の寒いところが苦手です。室温が15℃程度までであれば常温保存がおすすめだそうです。
水分が蒸発するとしなびてしまうので、1つずつラップに包んで、室温が高い場合は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。

null
知られざるなすの栄養についてたっぷりと知ることができました。睡眠に働くGABAの成分を最大に引き出す低温蒸しは、正直あまりおいしいものではありませんでしたが、これも経験。楽しく学ばせてもらいました。参考にしてみてくださいね。
編集部おすすめ