【コメダ珈琲店のスゴ~い飲み物】お客さんの相談から爆誕した『とろみコーヒー』飲んでみた!何だそれ!?
沖縄大宜味村のKIZAHA COFFEEの「泡盛コーヒー」飲んでみました!
コーヒーを必ず毎日1杯は飲むという人も少なくないと聞きますが、わたしも毎日の生活の中ですっかり習慣になっています。その香りや味わいが体や心にいい効果をもたらしてくれるのか、飲むとなんとなく落ち着いて気持ちがゆったりとする気がします。もう随分前の話ですが、バーテンダーになる前は珈琲専門店で毎日数百杯のコーヒーを淹れてましたので、体にコーヒーが染みついてしまっているのかもしれません。
さて、わたしは沖縄に対して、南国で常夏でたまにスコールは降るけど湿度が低くて過ごしやすい島国で、本土とはちょっと違った文化を持っていて言葉や気質、食事や時間間隔も独特といった、一言でいうとまさに「楽園」といった勝手なイメージを持っています。30年ほど前に仕事で2度訪れただけでプライベートでは訪れたことはないのに、です。同じ日本なのに、風土が違いすぎて異国っぽいせいでしょうかね。
機会があればプライベートで訪れたいと思っていてもなかなかその機会がやってこないのですが、先日知人から変わったコーヒー豆をもらいました。うらやましいことに年に数回沖縄にダイビングに行くというその知人は、沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉にある珈琲店をよく訪れるのだとか。そこでいつも飲む変わったコーヒーの豆なのだそうです。
これがそのパッケージです。中央に南国っぽいカラフルなロゴがあり、上に「KIZAHA COFFEE」、下に「OKINAWA KIJYOKA」の文字が描かれています。この「KIZAHA COFFEE(キザハコーヒー)」というのが珈琲店の名前で、「KIJYOKA(キジョカ)」は集落の名称である喜如嘉のこと。ちなみに「キザハ」とは喜如嘉の古い呼び名だそうです。
このロゴは喜如嘉をイメージしたデザインで、周囲の海や山や「ぶながや」という木の精霊などが描かれているとのことです。ぶながやは沖縄では有名な精霊で、そういえば『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木しげる先生も「ブナガヤ火」というイラストを描いてます。どうやらロゴの下半分でコーヒーカップを持って踊っているのが、ぶながやっぽいですね。その隣はきっとアグー豚でしょうから、なんとも沖縄っぽい楽しげなロゴです。
KIZAHA COFFEEの山本大五郎さんは、知人から譲り受けたたった2本のコーヒーの苗を「自分で育てたコーヒーが味わえたら」と思い自宅の庭にその苗を植えました。元々アグー豚を育てていたのですが、その2本を基に苗を増やし、今から約10年前にたった一人で喜如嘉の畑でコーヒー豆の栽培を始めました。コーヒーの木は植えたからといってその翌年に収穫できるわけではなく、最低でも3~5年はかかります。しかも毎年安定して収穫できるとは限りません。
パッケージを裏返すと「レギュラーコーヒー(粉)」とあり、その下の原材料の欄には「コーヒー豆(ラオス産オーガニック)」と「泡盛25度」とあります。ラオス産のコーヒー豆は喫茶店のメニューでよく見かけるブラジルやキリマンジェロといったメジャーな豆ではありませんが、苦味が少なくて酸味や甘味がありさっぱりしていますので、淹れると飲みやすいコーヒーになります。ちなみに日本ではコーヒー豆、英語でもCoffee Beansと呼んでいますが、コーヒー豆は木の種子ですので本当は「豆」ではありません。これが本当の豆知識??
さて、気になるのは「泡盛25度」ですよね。実は山本さん、生の豆を地元の泡盛に漬けてから焙煎しているのです。その泡盛は、同じ大宜味村にある「やんばる酒造株式会社」の「やんばるくいな【25度】ブレンド酒」です。従業員5名の小さな酒造会社で、飲みやすいことで知られるこの泡盛は実に7割が地元で消費されています。以前コーヒー酒を飲んだことを思い出した山本さんが、ふと「泡盛に漬けてもおいしくなるかもしれない」と思ったことがきっかけだそうですが、コーヒー酒を飲んだことがなく泡盛が近くになければこの偶然はなかったかもしれないと考えると、本当に偶然というのは面白いものだと思います。
内容量は10gとありますが、誰が決めたやら一般的なコーヒー1杯に使用する豆の量は10gといわれますので、丁度いい量が入っていることになります。一般的なというのは、挽き具合や焙煎の度合、豆の状態や抽出方法、一度に淹れる量や飲み方などによって同じ種類の豆であっても味や濃さは変わってしまうからです。しかも、淹れる人の腕によっても味は変わります。
パッケージは小さな袋に入っているのですが、袋の中にもうひとつ、小さな紙が同封されていました。「YANBARU FLAVOR ヤンバルフレーバー」と書いてあり、その下にちょっと読みづらいですが
「ラオス産オーガニックコーヒー生豆を、地元大宜味村の「やんばる酒造」の泡盛、”やんばるくいな”に漬け込み後、焙煎しました。泡盛とコーヒーが絡み合った芳醇なフレーバーをお楽しみ下さい。」
とあります。パッケージに書ききれなかった、山本さんからのメッセージですね。どうやらモノクロコピーをハサミで切ったらしく、ちょっと紙が曲がってるところも味です。
パッケージを開けてみると、中から出てきたのはドリップバッグ。ただ粉が入っていると思ってましたので、ちょっとびっくりしました。個包装は手間とコストがかかるのに、淹れる人のことを考えてドリップバッグにしてくれているのはありがたいことです。実はペーパーフィルターで淹れるつもりでドリッパーなどを用意していたのですが、これを見てすぐ片づけました。
KIZAHA COFFEEの店舗ではペーパーフィルターで淹れているようですが、せっかくのドリップバッグですのでそのままカップにセット。
また、水も店舗では妖精が棲むという神秘の森、「七滝」の地下から汲み上げた天然の硬水「七滝の水」を使っているとのことですが、これはさすがに用意できないので水道水を沸かしたもので淹れます。ちなみに、KIZAHA COFFEEさんでは出来上がりの量が120mlですので、カップのどのくらいが120mlなのかをあらかじめ量っておくと淹れるときに困らずに済みます。
いよいよ淹れてみます。まずは豆全体に行き渡るだけの少量のお湯を、注ぎ口の細いポットでそっと注ぎます。いい香りが立ち始めてきました。ここでちゃんと豆全体を蒸らさないとコーヒー豆の味が引き出せないのですが、お湯を注ぎすぎてしまうと薄いコーヒーが先にカップに溜まってしまうので、実はここが一番難しくて大事なポイントです。
20秒ほど蒸らしたら、数回に分けてお湯を注ぎます。淹れ終わったときの量が先に確認しておいた120mlになるようにするのがコツです。
普通に淹れただけなのに…ラム酒やブランデーのような甘い香りがふわり漂う
いい色のコーヒーが淹れ終わりました。カップの容量が大きいので少ないように見えますが、これで120mlです。
一口飲んでみると、あまり苦味のない柔らかな口当たりでスッキリした風味です。味は案外どっしりとしていて、苦味は奥の方から遅れてやってきました。泡盛の成分が豆に染みたとしてもアルコール自体は焙煎で飛んでしまうので、凝縮された泡盛の風味と旨味だけがコーヒーの中に残っている感じです。飲み進めていっても余計な雑味のないおいしいコーヒーで、最後の一口までとてもやさしい口当たりでした。
2パックもらいましたので、これはホットとアイスの両方を試せということだなと思い、今度はドリップバッグをグラスにセット。ホット同様に出来上がりの量を先に確認し、あらかじめグラスに氷を入れておきます。アイスコーヒーを淹れるときに淹れ終えてから氷を入れる人もいますが、先に氷を入れておくと淹れる端から急冷することで余計な雑味を抑えることができます。
ホット同様に、豆全体に行き渡るだけの少量のお湯を注ぎ口の細いポットでそっと注ぎます。豆がいい具合に蒸れたところで数回に分けてお湯を注ぎ、淹れ終わったら氷を足します。
ホットほどコーヒーの風味は上がって来ませんが、飲んでみるとホットより甘味を強く感じます。
この不思議な香りについて、もう少し触れておきます。先にコーヒー酒の話をしましたが、コーヒー酒は焙煎したコーヒー豆を挽かずに焼酎やウイスキーなどに漬け込み、味や香りが移った酒を楽しむのが一般的ですが、焙煎前の生豆をそのまま漬ける場合、泡盛独特の味や香りはコーヒーに移りません。泡盛に漬けることで水分量が多くなるため焙煎時間を長くしていると山本さんが語っていますし、漬け込む期間は数日とのことですから梅酒やリンゴ酒が出来上がるときの浸透圧が生豆にも働いているのだと思います。目的が泡盛を飲むためではなく生豆に泡盛独特の香りを移すことですので、うまい具合に成功している気がします。
おいしかったので立て続けにホットとアイスの2杯を飲んでしまいました。もし沖縄を訪れることがあれば、北端の大宜味村まで足を延ばして(ちょっと遠いですが)、ぜひKIZAHA COFFEEさんに立ち寄って飲んでみてください!
ネットで購入できるようなので、興味のある方はこちらを確認ください。
やんばる酒造
https://takazato-maruta.com/?pid=151584148









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