茶碗蒸しは本来”飲む物”で、正式な食べ方は箸でかき混ぜて”飲む”んですって。ご存じでしたか?テーブルマナー講師、smile先生のSNSでこの情報を見かけ、わたしはびっくりでした。
【漢字クイズ】よく見る「卵」と「玉子」ですが、実は明確な使い分けがあるってご存知?始まりは平安時代に
茶碗蒸しの作法とは?
画像出典:photoAC
茶碗蒸しの正式な食べ方をSNSで紹介していたのは、テーブルマナー講師のsmile先生こと、海野秀三郎さん。サービス業界で47年の経験を持ち、シティホテル支配人、リゾートホテル総支配人、専門学校講師、テーブルマナー講師などを務めてきた方だそうです。
そんなsmile先生によると、茶碗蒸しは、箸でかき混ぜて、”器に口を付けて飲む”のが、本来の食べ方なんだとか。
びっくりですよね。「茶碗蒸しはスプーンですくって食べるもの」だと思っていたわたしにとって、かなり衝撃的な情報です。
そこで、茶碗蒸しの作法について、さらに調べてみることにしました。
すると、岐阜県にある老舗料亭「助六」の3代目女将で、 おもてなし作法の講師もしているという中村智景さんのブログで、さらに詳しい情報を発見。
中村さんによると、現在、茶碗蒸しにはだいたいスプーンがついてきますが、もともと茶碗蒸しは箸だけで食べる料理で、お吸い物の代わりに出されていたそうです。
食べ方は、まず、箸で器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させて、茶碗蒸しを器から剥がす。そうして具を箸で食べ、固まっている卵液を箸でかき混ぜて細かくし、器に直接口を付けて、お吸い物のようにいただくそうです。
和食のマナーだと箸でかき回して食べることはタブーだそうですが、 茶碗蒸しだけは許されているとのこと。
へぇ~。
茶碗蒸しは、もともとお吸い物の代わりに出されていた料理なんですね。確かに、和食のコースで茶碗蒸しとお吸い物が同時に出てくることはないかも。あっ、でも、回転すし店のランチで、茶碗蒸しとおみそ汁が付いてくることもあるか…。
スプーンで”食べる”スタイルが定番になっている現代では、「茶碗蒸し=お吸い物(汁物)の代わり」というのも、あやふやになっているようですね。
また、和食で、直接器に口を付けて食べることはあまりないので、茶碗蒸しの器に口を付けるのって、ちょっと違和感があるかも。ですが、”お吸い物の代わり”と言われれば、ストンと腑に落ちます。お吸い物などの汁物は、お椀に口を付けますものね。
では、この本来の茶碗蒸しの作法に従い、実際に茶碗蒸しを箸で食してみましょう。一体どんな感じなんだろう?
作法に従い茶碗蒸しを”飲んで”みた!
茶碗蒸しと箸を用意。
昨夜のみそ煮込みうどんの残りのしいたけを全部入れたので、”ほぼしいたけ”な茶碗蒸しですが、まぁOK。
【茶碗蒸しの食べ方】
1. 箸で器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させ、茶碗蒸しを器から剥がします。
2. 具を箸で食べ、固まっている卵液は箸でかき混ぜて細かくします。器を両手で持ち、直接口を付けてお吸い物のように飲みます。
実際やってみると、細かくした茶碗蒸しは、卵のお吸い物のように普通に飲めます。
ですが、わたしの茶碗蒸しの作り方が悪いのか、食べ方(飲み方)が悪いのかわかりませんが…。食べ終わると、器に茶碗蒸しが少し残りました。
スプーンならすくってきれいに食べられますが、箸なのでちょっと無理。器を口に付けて、箸でかき込むなんて下品だろうし…。
やっぱり、スプーンの方が食べやすいかな。それに、スプーンだとすくえるので、茶碗蒸しの”とろぷるん”食感を楽しめますが、箸で食べる作法では、細かくしてしまうので、”とろぷるん”を味わえないのが、残念。
箸を使った茶碗蒸しの食べ方がわかったところで、実際には、スプーンで食べる機会の方が多いので、スプーンを使う場合の食べ方についても調べてみました。
参考にしたのは、マナー講師、村山紀子先生のYouTubeチャンネル『令嬢養成学校チャンネル』。
スプーンを使う場合でも、最初は箸と同じように、器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させて、茶碗蒸しを器から剥がします。そこからは、混ぜてもよし、すくって食べてもよしとのことです。
それにしも、”令嬢養成”とは、興味深いチャンネル名ですよね。なんでも、村山先生がこれまで出会ってきた、品のある令嬢たちのエッセンスを1つ1つ分析。「幸せを引き寄せる」「品をアップする」日頃のふるまいや、心遣いを紹介しているチャンネルだそうですよ。
まっ、正しい食べ方を知ったところで、これまで培ってきたものが違うので、ご令嬢たちのような品のある食べ方は、わたしには出来ませんが、マナーを知っておくのは大切ですよね。公の場で恥をかかないためにも…。
あっ、そういえば、つい先日のテレビで、茶碗蒸しをスプーンでぐちゃぐちゃと混ぜて食べていたお笑い芸人の方がいらしたんです。するとそれを見たほかの演者の方が、「そんなにぐちゃぐちゃ混ぜます?」「(育ちがわかって)家族ごと恥をかくことになるな」と言っていました。でも、今回のことを踏まえると、「茶碗蒸しを混ぜる」のはマナー違反ではないんですよね。
ぐちゃぐちゃ混ぜていたお笑い芸人さんに、茶碗蒸しの正しい食べ方の知識はなかったようですが…。指摘していた人たちもまた、知識がないということに。
これって、めちゃめちゃ恥ずかしい!ちょっと上から目線で指摘して、それが間違ってるって…。あ~、恥ずかしっ(笑)。
その一方で、いくら正しい作法でも、それを知らない人たちの前で「茶碗蒸しを箸で混ぜて飲む」を実践したら、ただただ”育ちの悪いガサツな人”。そんなレッテルを張られる危険性があるな、とも感じました。
正しい食べ方やマナーについての知識は、持っているのに越したことはありません。けれど、正しい作法でも、多くの人に認知されていないであろう作法は、勘違いされるリスクを考えると控えるのがいいかなとも思います。
ということで、今回は、茶碗蒸しの作法についてご紹介しました。
茶碗蒸しの作法に関する知識を得たことで、今後、高級料亭でのお食事会があっても大丈夫。茶碗蒸しに”あえて”スプーンが付いてこなかったとしても、「スプーンがありませんよ」とお店の人に言って、恥をかくことはありません。箸で茶碗蒸しをスマートに食すことが出来るかなと思います。まっ、そんな機会、わが家には絶対ないですけどね(笑)。
<参考記事>
『smile先生の世界一美しいテーブルマナー~茶碗蒸しの食べ方~』
https://www.tiktok.com/@smilehide3/video/7451506739750440199
『和食を楽しむ老舗料亭ちかげ女将の細腕繁盛記~ 茶碗蒸しの美しい食べ方マナーはご存知ですか?~』
http://blog.livedoor.jp/chikage_sukeroku/archives/85892038.html
もともと茶碗蒸しはお吸い物の代わりに出されていた料理で、”汁物”に分類されるとか。なので、本来の茶碗蒸しの食べ方は、箸でかき混ぜ、器を両手で持って、お吸い物のように口を付けて、ズズズッと飲むそうですよ。
【漢字クイズ】よく見る「卵」と「玉子」ですが、実は明確な使い分けがあるってご存知?始まりは平安時代に
茶碗蒸しの作法とは?

茶碗蒸し
画像出典:photoAC
茶碗蒸しの正式な食べ方をSNSで紹介していたのは、テーブルマナー講師のsmile先生こと、海野秀三郎さん。サービス業界で47年の経験を持ち、シティホテル支配人、リゾートホテル総支配人、専門学校講師、テーブルマナー講師などを務めてきた方だそうです。
そんなsmile先生によると、茶碗蒸しは、箸でかき混ぜて、”器に口を付けて飲む”のが、本来の食べ方なんだとか。
びっくりですよね。「茶碗蒸しはスプーンですくって食べるもの」だと思っていたわたしにとって、かなり衝撃的な情報です。
そこで、茶碗蒸しの作法について、さらに調べてみることにしました。
すると、岐阜県にある老舗料亭「助六」の3代目女将で、 おもてなし作法の講師もしているという中村智景さんのブログで、さらに詳しい情報を発見。
中村さんによると、現在、茶碗蒸しにはだいたいスプーンがついてきますが、もともと茶碗蒸しは箸だけで食べる料理で、お吸い物の代わりに出されていたそうです。
食べ方は、まず、箸で器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させて、茶碗蒸しを器から剥がす。そうして具を箸で食べ、固まっている卵液を箸でかき混ぜて細かくし、器に直接口を付けて、お吸い物のようにいただくそうです。
和食のマナーだと箸でかき回して食べることはタブーだそうですが、 茶碗蒸しだけは許されているとのこと。
へぇ~。
茶碗蒸しは、もともとお吸い物の代わりに出されていた料理なんですね。確かに、和食のコースで茶碗蒸しとお吸い物が同時に出てくることはないかも。あっ、でも、回転すし店のランチで、茶碗蒸しとおみそ汁が付いてくることもあるか…。
スプーンで”食べる”スタイルが定番になっている現代では、「茶碗蒸し=お吸い物(汁物)の代わり」というのも、あやふやになっているようですね。
また、和食で、直接器に口を付けて食べることはあまりないので、茶碗蒸しの器に口を付けるのって、ちょっと違和感があるかも。ですが、”お吸い物の代わり”と言われれば、ストンと腑に落ちます。お吸い物などの汁物は、お椀に口を付けますものね。
では、この本来の茶碗蒸しの作法に従い、実際に茶碗蒸しを箸で食してみましょう。一体どんな感じなんだろう?
作法に従い茶碗蒸しを”飲んで”みた!
茶碗蒸しと箸を用意。

茶碗蒸し
昨夜のみそ煮込みうどんの残りのしいたけを全部入れたので、”ほぼしいたけ”な茶碗蒸しですが、まぁOK。

茶碗蒸し
【茶碗蒸しの食べ方】
1. 箸で器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させ、茶碗蒸しを器から剥がします。

茶碗蒸し
2. 具を箸で食べ、固まっている卵液は箸でかき混ぜて細かくします。器を両手で持ち、直接口を付けてお吸い物のように飲みます。

茶碗蒸し

茶碗蒸し
実際やってみると、細かくした茶碗蒸しは、卵のお吸い物のように普通に飲めます。
ですが、わたしの茶碗蒸しの作り方が悪いのか、食べ方(飲み方)が悪いのかわかりませんが…。食べ終わると、器に茶碗蒸しが少し残りました。

茶碗蒸し
スプーンならすくってきれいに食べられますが、箸なのでちょっと無理。器を口に付けて、箸でかき込むなんて下品だろうし…。
やっぱり、スプーンの方が食べやすいかな。それに、スプーンだとすくえるので、茶碗蒸しの”とろぷるん”食感を楽しめますが、箸で食べる作法では、細かくしてしまうので、”とろぷるん”を味わえないのが、残念。
箸を使った茶碗蒸しの食べ方がわかったところで、実際には、スプーンで食べる機会の方が多いので、スプーンを使う場合の食べ方についても調べてみました。
参考にしたのは、マナー講師、村山紀子先生のYouTubeチャンネル『令嬢養成学校チャンネル』。
スプーンを使う場合でも、最初は箸と同じように、器と茶碗蒸しの境をなぞるように1周させて、茶碗蒸しを器から剥がします。そこからは、混ぜてもよし、すくって食べてもよしとのことです。
それにしも、”令嬢養成”とは、興味深いチャンネル名ですよね。なんでも、村山先生がこれまで出会ってきた、品のある令嬢たちのエッセンスを1つ1つ分析。「幸せを引き寄せる」「品をアップする」日頃のふるまいや、心遣いを紹介しているチャンネルだそうですよ。
まっ、正しい食べ方を知ったところで、これまで培ってきたものが違うので、ご令嬢たちのような品のある食べ方は、わたしには出来ませんが、マナーを知っておくのは大切ですよね。公の場で恥をかかないためにも…。
あっ、そういえば、つい先日のテレビで、茶碗蒸しをスプーンでぐちゃぐちゃと混ぜて食べていたお笑い芸人の方がいらしたんです。するとそれを見たほかの演者の方が、「そんなにぐちゃぐちゃ混ぜます?」「(育ちがわかって)家族ごと恥をかくことになるな」と言っていました。でも、今回のことを踏まえると、「茶碗蒸しを混ぜる」のはマナー違反ではないんですよね。
ぐちゃぐちゃ混ぜていたお笑い芸人さんに、茶碗蒸しの正しい食べ方の知識はなかったようですが…。指摘していた人たちもまた、知識がないということに。
これって、めちゃめちゃ恥ずかしい!ちょっと上から目線で指摘して、それが間違ってるって…。あ~、恥ずかしっ(笑)。
その一方で、いくら正しい作法でも、それを知らない人たちの前で「茶碗蒸しを箸で混ぜて飲む」を実践したら、ただただ”育ちの悪いガサツな人”。そんなレッテルを張られる危険性があるな、とも感じました。
正しい食べ方やマナーについての知識は、持っているのに越したことはありません。けれど、正しい作法でも、多くの人に認知されていないであろう作法は、勘違いされるリスクを考えると控えるのがいいかなとも思います。
ということで、今回は、茶碗蒸しの作法についてご紹介しました。
茶碗蒸しの作法に関する知識を得たことで、今後、高級料亭でのお食事会があっても大丈夫。茶碗蒸しに”あえて”スプーンが付いてこなかったとしても、「スプーンがありませんよ」とお店の人に言って、恥をかくことはありません。箸で茶碗蒸しをスマートに食すことが出来るかなと思います。まっ、そんな機会、わが家には絶対ないですけどね(笑)。
<参考記事>
『smile先生の世界一美しいテーブルマナー~茶碗蒸しの食べ方~』
https://www.tiktok.com/@smilehide3/video/7451506739750440199
『和食を楽しむ老舗料亭ちかげ女将の細腕繁盛記~ 茶碗蒸しの美しい食べ方マナーはご存知ですか?~』
http://blog.livedoor.jp/chikage_sukeroku/archives/85892038.html
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