【美しい日本語クイズ】普段の会話では聞きなれない「おもはゆい」って言葉…その意味がわかりますか?
まさかの漢字もあり!?「おまけ」の語源を探してみた♪
美しい日本語クイズの時間です。
【問題】
得した気分になるうれしい「おまけ」。その語源は何でしょう?
thinking time♪
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正解は、
商売人が客との値段のやりとりで”負ける”こと。
画像出典:photoAC
客との値段交渉に”負けて”値引きしたり、他の商品を付け加えたりすることが、「おまけ」の由来になっているそうです。
なので、おまけを漢字にすると「御負け」となります。
「おまけ」というと、得した気分になるポジティブなイメージ。それが、”負け”というネガティブワードが語源とは、ちょっとびっくりでした。
でもまぁ、得したと感じるのは、あくまでお客側の話で、お店側からしたら損するわけですものね。
それに、お客とお店の値段交渉や駆け引きの結果を、”勝ち負け”で表すのも、なんだかおもしろい!
あっ、でも。
この店側の”負け”って、もちろん、お客さんの交渉に根負けしての”敗北的”な値引きもあるでしょうが、商売人ならではの”あえて”の負けもありそうですよね。
店側は、多少の損を覚悟して一旦”負け”ることで、お客さんに気分をよくしてもらえる。そうやって印象をよくしておけば、またお店に来てもらったり、お客さんが友達を連れて来たり、お得意様になってもらったり。より大きな宣伝効果が、得られるわけです。
目先の損よりも将来の利益を確保する、「損して得取れ」や、一旦は相手に勝ちを譲り、争わずして最終的には勝利する「負けるが勝ち」。そんなことわざも、ありますしね。どうなんでしょう?
続いて、おまけを漢字にした「御負け」に注目してみましょう。
「おまけ」を漢字にすると「御負け」
漢字の「御負け」には、お菓子に付いてくる「おまけ」のかわいらしいイメージって、全然ないですよね(笑)。武士が使いそうな仰々しい雰囲気が漂っています。
文法的に見ると、「御」は敬語や丁寧さを表す接頭語で、「負け」は名詞とのこと。「御負け」は、「負け」の丁寧な言い方だそうです。
「負け」に丁寧な言い方があるとは、ちょっと意外な気も。
名詞の「負け」を辞書(goo辞書)で調べてみると…。
1. まけること。敗北。
2. 値段を安くすること。また、その代わりのもの。
3. 名詞に付いて、その事柄において他に圧倒される、それに値しない、などの意を表す。「気力—」「根—」「位(くらい) —」「名前—」
とありました。
これまで、「負け」には、勝負事の負けを表す1の意味しかないと思っていましたが、ちゃんと、値段を安くするという意味もあるんですね。
また、「今日は寒くて、おまけに雨が降っている」などに使う、「それに加えて。その上。さらに」の意味を持つ接続詞の「おまけに」も、この漢字を使うそうです。
「今日は寒くて、御負けに雨が降っている」となるわけです。
やっぱり、漢字にすると違和感がありますね。
さて、「おまけ」という言葉の語源についてわかったところで、値引きではなく、商品を買うと他のものが付いてくる、日本の”おまけ文化”について調べてみることに。
日本の”おまけ文化”は、いつ頃始まったんでしょう?
日本の”おまけ文化”の始まりは?
諸説あるようですが、日本の”おまけ文化”のルーツは、江戸時代の後期。富山の薬売りが、薬の”おまけ”として全国の得意先へ配った浮世絵「売薬版画」という説が、あるようです。
画像出典:photoAC
「売薬版画」は、江戸で話題の浮世絵を複製したものやその縮小版。商売敵だった近江(滋賀県)や大和(奈良県)の薬売りとの差別化を図り、得意先の心をつかむために配り始めたようです。
当時は、「おまけ」ではなく「進物」「土産物」と呼んでいて、売薬版画のほか、紙風船や歌舞伎の情報なども配っていたんですって。
ちなみに、紙風船は丸いものではなく、下の画像のように、薬の広告や子ども向けの絵柄が描かれた四角いものだったようです。
画像出典:骨董・古民具・古書の「芳栄堂」
そして、「おまけ」と聞いて、真っ先に思いつくのが、やっぱり、グリコですよね。わたしも含め、昭和時代の人は特に。
画像出典:グリコ公式HP
赤い箱の上にある、小さい箱を開けるときのドキドキ感は、多くの人の記憶に残っているのではないでしょうか?
ちなみに、グリコでは、「お菓子を食べる」と「おもちゃで遊ぶ」は、子どもにとってどちらも重要であるとの考えから、付属のおもちゃのことを決して「おまけ」とは言わないらしいです。
グリコさんのこだわりはちょっとおいといて、今回は、便宜上おまけと呼ばせてもらいますね。
栄養菓子「グリコ」が誕生したのは、1919年(大正8年)。
そこで、江崎グリコの創業者・江崎利一氏は、1922年(大正11年)に、販売促進のため、子どもたちの様子を描いた「絵カード」をキャラメルと一緒に封入。それが、グリコのおまけの始まりだったそうです。
画像出典:グリコ公式HP
1922年ということは、今から100年以上も前のことになりますね。長い歴史です。
その後、戦争の激化とともに1942年に一時製造を中止し、終戦直後の1947年に製造が再開。けれど、当初は物資不足ということもあり、おまけも、クレヨンや消しゴム、チョークなどの実用小物が喜ばれたそうです。
画像出典:グリコ公式HP
1958年にはプラスチック製のおまけが作られ、飛行機や車、家電など”当時の憧れ”をおもちゃにしたのだとか。
そして、パソコンが普及し、デジタル化が進んだ現代のおまけは、木で作った、アナログのおもちゃの動物たち。これをスマホで撮影すると、バーチャルな世界の中で動き出す、デジタルとリアルの融合したものに変化しているそうですよ。
画像出典:グリコ公式HP
おまけというと、主役に付け加えられる、あくまで脇役的存在。ですが、こうやって、グリコのおまけの歴史を見ると、いつの時代も子どもの心に寄り添っていますよね。
グリコが”おまけ”という言葉を使わないのも、納得です。
ということで、今回は「おまけ」という言葉の語源と、日本の”おまけ文化”について調べてみました。
「おまけ」が、客と値引き交渉した際に、値引きすることになった店側の”負け”という視点が語源になっているのは、興味深かったです。
久しぶりに、グリコのキャラメルを買ってみようかな(笑)。
<参考記事>
WEB
『東洋経済ONLINE~「おまけ付きお菓子」の意外にも長く奥深い歴史~』
https://toyokeizai.net/articles/-/313696
『骨董、古民具、古書の”芳栄堂”~富山の薬売り おまけの紙風船A101~』
https://www.nasushiobara-hoeido.com/index.php?
『グリコ公式サイト~「食べる」と「遊ぶ」を一箱に!グリコの歴代おもちゃを振り返る~』
https://www.glico.com/jp/health/contents/omocha01/
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