【田園日記~農と人の物語~ Vol.20】砂地ですくすく育つ、白くて甘~い「連島ごぼう」
年間販売高は十億円以上!?
令和五年三月、徳島県阿波市に新たな名所ができた。農畜産物直売所「JA土柱の里」の前に現れたのは、高さ三メートルの巨大なブロッコリーのオブジェ。買い物客だけでなく、多くの人が写真を撮るために立ち寄るという。
阿波市は、四国一の大河・吉野川の中流域に広がる。豊富な水資源と温暖な気候を生かし、多彩な農産物が生産されているが、なかでもダントツの栽培面積と販売額を誇るのがブロッコリーだ。面積は約二百五十ヘクタール、年間販売高は十億円を超える。
だが、昔から大産地だったわけではない。ブロッコリーの将来性に着目したJAが栽培の推進を始めたのは約十年前のこと。以来、当初の六倍もの成長を遂げてきた。
「氷入れ出荷」が大きな転機に
「その秘密は『氷入れ出荷』を始めて単価が上がったこと。
JA徳島県あわ市営農経済センター営農指導課の課長代理・土井哲さんは分析する。
当地のブロッコリーはすべて露地で栽培されており、五月中旬から苗の植え付けを開始。少しずつ時期をずらしながら植え付けを続けて、十月下旬から翌年六月まで出荷を続けていく。
夏場の出荷はないが、ブロッコリーは鮮度が落ちやすい。
そこで始めたのが、氷入れ出荷だった。生産者が出荷してきた発泡スチロールの箱に、氷を入れてから発送する。「その効果は絶大だった」と土井課長代理は話す。
「鮮度が保たれたことで単価が一・五倍ほど上がりましたし、遠くまで運べるので販路も広がりました。今では、中京の市場にもスムーズに出荷できています」
JAの後押しで、栽培面積が急拡大!
さらに、生産者の規模拡大を後押しするため、JAが始めたのが農機の貸し出し。
畝(うね)をたてる機械、苗を植えるための移植機を、十アール当たり約四千八百円という安価で貸し出す。
さらに約八千二百円をプラスすれば、農機のオペレーターまで派遣してくれる。
JA徳島県あわ市ブロッコリー部会部会長の湯藤哲也さんも、支援の恩恵を受けた一人だった。湯藤さんは二十六歳のときに関東からUターン。実家のブロッコリー栽培で就農した。
「ブロッコリーはもともと作りやすい品目で、初心者でも失敗が少ないのが魅力です。おまけにJAが農機を貸してくれるし、苗も供給してくれる。かなり、ありがたかったです。これなら面積を増やせると思いました」
十三年前には一ヘクタールもなかったという湯藤家の栽培面積は、いまや六ヘクタール。
湯藤さんと同様に、新規就農し、産地と共に成長してきた生産者がこの地域には少なくない。
阿波市には地の利もあった。古来、吉野川が氾濫を繰り返すことによって潤された土壌は、肥沃でありながら、砂がほどよく混ざっていて水はけがよい。
また市内のほとんどの圃場が灌漑(かんがい)施設を完備。バルブをひねれば、いつでも吉野川の水を畑に引ける。
困難は”ワン徳島”で乗り越える
それでも、近年は「作るのが難しくなってきた」と湯藤さんはこぼす。原因の一つは、暑さ。とくに今年度は猛暑が続き、生育不良や枯れてしまう株もあったそうだ。
そのうえ、病気も増えた。いままで経験したことのない病気が大発生し、一部の畑が全滅したこともあったという。
「以前は消毒なんてしたことなかったのに、今は最低でも収穫までに四回は消毒しないといけません。あとはとにかく、よく観察すること。植えた順番に毎日観察して、葉の裏まで異変がないか見ています。早く見つけたほうが食い止めやすいですから」
作るのが難しくなっただけに、重要になるのがJAからの情報と指導力。
その点でも「当地には強みがある」と土井課長代理は話す。
「あわ市ブロッコリー部会の生産者は、こちらが情報を発信したときに、すぐに足並みをそろえてくれます。だからなにかあったときでも、すぐに対応できるんです」
そうした信頼関係の強さ、チームワークのよさもまた、JAが積み重ねてきた後方支援による成果なのだろう。
そして令和六年四月、産地は新たな時代を迎えた。県内の九JAが合併し、JA徳島県が誕生。同年九月、湯藤さんは、JA徳島県ブロッコリー部会連絡協議会の会長にも就任した。
「これからは産地同士、たがいの技術を共有しながら”ワン徳島”で、全体のレベルアップをめざしていきたいと思っています」
阿波市に”Uターン就農”した三十九歳のリーダーは、穏やかだが力強い言葉で、新たな決意を語ってくれた。
※当記事は、JAグループの月刊誌『家の光』2025年1月号に掲載されたものです。
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