管理栄養士のともゆみです。スーパーで売られている卵の殻って白い色と褐色のものがありますよね。
どうして色が違うのかご存じでしょうか?また、卵を割ると黄身が濃かったり薄かったりするのはなぜ?保存方法や栄養素、1日何個まで食べていいかなど、改めて考えてみると卵について知らないことが多いことに気づきました。農林水産省のホームページにいろいろと掲載されていて面白かったので、紹介しますね。

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毎日のように食べている卵ですが、卵の殻に白と褐色があったり、卵を割ってみると、卵黄の色が濃かったり薄かったり。この違いは何なんだろう?そんな卵についてのさまざまな疑問と解説が、農林水産省のホームページ内に掲載されていました。知っていると得することがあるかも?

卵の殻が白いのと褐色があるのはなぜ?

【卵のハテナ】「殻の色」「黄身の色」に違いがあるのはナゼ?色の違いで味わいは違う?保存の正解は?
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卵の殻の色って白と褐色のものがありますよね。褐色の方が高級感があるイメージを持っていましたが。この色の違いは何なんでしょう?

卵の殻の色は、基本的には「鶏の種類」によって決まります。一般的に羽毛が褐色や黒っぽい鶏は「赤玉」を産み、羽の白い鶏は「白玉」を産む傾向があります。赤玉の卵を産む鶏は、白色の鶏に比べ産卵量がやや低いため、価格がやや割高になります。また、殻の色によって卵の栄養価に違いはありません。

なるほど、鶏の種類によって殻の色が決まるんですね。

卵黄の色が濃かったり薄かったりするのはどうして?

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卵を割った時、卵黄の色がすごく濃いなと思うことってありませんか?

卵黄の色は鶏が食べる飼料によって決まります。
黄色の強い草やとうもろこしが多いと黄色が強い卵黄となります。飼料用米やマイロ(飼料用穀物)などが多いと、淡い色の卵黄になります。パプリカやカニの甲羅の色素を飼料に混ぜると、赤色が強くなります。卵黄の色によっても、栄養価に違いはありません。

鶏が食べるえさの色によって、卵黄の色が変わるんですね。

卵の大きさの違いは?

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産む鶏が成長するにつれて、卵の大きさも大きくなります。
そのサイズは農林水産省の規格で6つに分けられています。下記の6段階あります。

ss…40g以上46g未満
s…46g以上52g未満
MS…52g以上58g未満
M…58g以上64g未満
L…64g以上70g未満
LL…70g以上76g未満

市場で売られている卵は50g~70gのものが多く、中身の割合はだいたい卵殻1割、卵白6割、卵黄3割となっています。

卵のサイズってずいぶん細かく分かれているんですね。

卵の保存方法

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買ってきた卵、冷蔵庫のドアポケットにしまっていませんか?やりがちですけど、これ実はやめた方がいいんです。

冷蔵庫のドアポケットは、開閉時に起こる振動や温度差が生じるため、卵が傷みやすくなります。
保存する時は、卵に付着しているかもしれないサルモネラ菌がほかの食品に移らないように、パックのまま冷蔵庫の奥に保存するのがベストです。

【卵のハテナ】「殻の色」「黄身の色」に違いがあるのはナゼ?色の違いで味わいは違う?保存の正解は?
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また、卵の形には先端のとがった方と丸い方がありますが、保存する時はとがった方を下にします。とがった方が卵殻の強度があり割れにくいことと、丸い方には「気室」があり、こちらを下にすると、卵黄と気室内の空気が触れやすくなって細菌が入り込む可能性が高くなるからです。

卵は1日1個が正解?

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かつては卵を食べると血中コレステロールが上昇し、心臓疾患を引き起こすと考えられていたため、1日1個までと言われてきました。近年の研究結果では、あまり影響がないことがわかっています。健康な人が1日2、3個食べてもコレステロールの異常を引き起こすことはありません。もちろん食べすぎはNGですが、気にしすぎずに摂取しましょう。

卵はビタミンCと食物繊維以外ほとんどの栄養成分を含んでいます。たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がバランスよく含まれている、栄養価の高い食品です。体内の吸収率のよさも魅力です。卵に不足しているビタミンCと食物繊維(野菜や果物)を補えば、栄養バランスはさらによくなります。

あまりにも身近な卵ですが、知らないことがたくさんありました。
殻の色が褐色の方がちょっと高級感を感じていたので、栄養価も高いのかなとか勝手に想像していましたが、白玉と変わりないとのことでしたね。今後卵を選ぶ基準は、殻の色ではなく、表示をよく見て観察してみようと思います。

参考web:
特集「疑問解消! たまごのヒミツQ&A」:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2404/spe1_01.html

日本卵業協会
http://www.nichirankyo.or.jp/qa/hinshitsu.htm#tag10

参考文献:
もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク 朝日新聞出版 監修 徳江千代子
一生役立つ きちんとわかる栄養学 監修 飯田薫子 寺本あい 西東社
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