管理栄養士のともゆみです。よもぎのお団子っておいしいですよね。
手作りできないかなと思って調べてみたら、よもぎの保存方法からよもぎ団子の作り方までを、ニチレイフーズのホームページ内にある食サイト『ほほえみごはん』で紹介していたのでやってみようかと。でも生のよもぎは日持ちが悪く、あまり流通しないそう。確かにスーパーなどでも見かけた記憶がありません。田んぼのふちや川沿いなどに生えているとか。探してみることに。

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よもぎの保存方法について書かれていたのは、冷凍食品でおなじみのニチレイフーズのホームページ内にある『ほほえみごはん』という食サイトです。『ほほえみごはん』では、あらゆる食材の保存方法や下ごしらえの方法、食べ方などが掲載されています。普段あまり目にしない、なじみのない食材も掲載されていたりするので、重宝しています。

よもぎ探し

まずは、よもぎを手に入れるところから始めます。生のよもぎはすぐにしおれてしまい、日持ちがしないので、あまり流通しないそうです。スーパーでも見かけた記憶はありません。ただ、調べてみると、日本ではあらゆるところに生えているとのこと。
日当たりのいい空き地、河原、畑などでふつうに見られ、繁殖力が旺盛なので、地下茎をのばして、群生していることが多いそう。早春の若芽を摘んだものを食用としています。

よもぎの見分け方は、葉は幅4cm、長さ8cm前後の楕円形で、羽状に深く裂けています。茎に交互に生える葉のつき方をしていて、葉の裏が白っぽいのが特徴です。義母に聞いてみたところ、独特の香りも見分け方のひとつだそうです。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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写真を見ながら探しに行きました。道端や川の土手など、あちこちにそれらしきものを見つけました。ただ、実物をあまり見たことがないので、もし間違っていたら?と思い、採るのを躊躇していました。そんなときにふと実家が農家の友人に、駐車場に生えているよもぎらしきものを指し、「これってよもぎ?」と訊いてみたところ、「全然違う!」という答えが⁉

確かにそのよもぎらしきものは、よく見ると葉の裏側が白っぽくなかったですね。
結局、その友人の実家の畑に群生しているよもぎを採らせてもらうことに。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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おぉ、たくさん生えているではないですか⁉
やわらかくて香りがいい!本当は3月に採った方がやわらかくて苦みも少ないそうです。今は4月下旬なので、ちょっと遅いそう。
採るときは茎ごと取らず、やわらかい葉のみ摘むそうです。たくさん採らせてもらいました~。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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では本題へ。

よもぎの保存方法

生葉のよもぎは、すぐにしおれてしまうので、冷蔵だと3日程度しか保存できないそうです。そこで、食サイト『ほほえみごはん』では、新鮮な風味を約1か月キープできる冷凍保存をおすすめしています。洗ったあとに茹でてあく抜きし、ペースト状にして冷凍すると、料理にもすぐに使えて便利なんですって。このペーストでよもぎ団子を作ります。

よもぎの下ごしらえ方法

【下ごしらえ方法】
1. よもぎは茎から外し、葉だけにします。今回は摘む時点で葉のみ摘みました。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話


2. 鍋に湯を沸かし、沸騰したら塩と洗ったよもぎを加え、再沸騰してから中火で約2分茹でます。よもぎ約100gに対し、水2.5Lと塩小さじ2が目安です。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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3. よもぎを水に取り、20~30分さらしてあく抜きします。


【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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4. よもぎをボウルから上げ、手で軽く絞って水気を切ります。摘んだときは山盛りだったのに、茹でて絞るとこんなに小さくなりました。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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よもぎペーストの作り方

1. 茹でたよもぎをフードプロセッサーに入れます。最初に15秒撹拌し、水大さじ1を入れ、3秒×5~6回オンオフを繰り返します。

2. さらに水大さじ1を入れ、3秒×5~6回オンオフを繰り返します。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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わが家のフードプロセッサーとの相性が悪いのか、この時点であまりペーストになっていなかったので、ハンドブレンダーで撹拌してみます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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わが家ではこちらの方がよかったみたい。一気にペーストになりました。

よもぎペーストの冷凍と解凍

【冷凍方法】
1. ペーストにしたよもぎを冷凍用保存袋に入れて、なるべく空気を抜きながら薄くのばします。
※100gのよもぎから作ったペーストを保存するのに、Sサイズ(縦13cm×横18cm)程度の冷凍用保存袋がちょうどいいです。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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2. 冷凍用保存用袋の上から菜箸で均等に筋目をつけます。そうすると使いたい量だけパキッと手で割って取り出しやすくなります。
Sサイズの冷凍用保存袋の場合、6つに割れるように筋目をつけます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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3. 金属製バットにのせて冷凍庫で保存します。保存期間は約1か月です。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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【解凍方法】
使いたい量だけ取り出して、ラップに包んで電子レンジで加熱します。目安は1かけ(約30g)当たり、500Wの電子レンジで1分加熱します。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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よもぎペーストで作る「よもぎ団子」の材料と作り方

だんご粉と電子レンジで作れる「よもぎ餅風団子」の作り方です。よもぎ餅より時短&簡単に作れるのに、モチモチ感やよもぎの風味はかなり本格派なのだそう。

【材料】
だんご粉…100g
砂糖…大さじ2
水…適量
冷凍よもぎペースト…1かけ(約30g)
片栗粉…少量
茹であずき…適量
きなこ…適量

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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【作り方】
1. 冷凍よもぎペーストを耐熱皿にのせ、水小さじ1をかけます。ふんわりとラップをして、500Wの電子レンジで1分加熱解凍し、しっかり混ぜます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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2. 耐熱ボウルに、だんご粉と砂糖を入れて混ぜます。水90mlを一気に加え、さらによく混ぜます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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3. 2にふんわりとラップをして、500Wの電子レンジで1分加熱し、しゃもじ等で混ぜます。
今回はしゃもじの代わりにシリコンベラを使いました。これを3回繰り返します。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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4. 3の生地が熱いうちに、1を加え練り混ぜます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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5. 4等分にして平丸型にまとめます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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6. 片栗粉を軽くまぶします。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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7. 器に盛り付け、ゆであずき、きなこを添えて出来上がりです。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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※完成したよもぎ団子は時間がたつと固くなってしまうので、食べる前にオーブントースター200℃で3分加熱するか、電子レンジ500Wで1個につき1分ほど加熱するのがおすすめです。

それではいただきます。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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あ、おいしい。モチモチのお団子によもぎの清涼感と青臭さが鼻から抜け、とてもおいしいです。やはり生のよもぎを使うと、生にしかない独特のフレッシュ感がありますね。挑戦してよかったとしみじみ思います。
あんこときなこはもちろん合いますが、あんこの風味が強いので、何も付けずにお団子だけ食べた方がよもぎの香りを楽しめますよ。お団子の生地にほんのり甘さがあるので、そのままでもおいしく食べられます。

「よもぎ蒸しパン」

冷凍のよもぎペーストがまだ残っているので、今度はよもぎ蒸しパンを作ってみました。
こちらは「富澤商店」のホームページを参考にしました。

冷凍よもぎペースト30gは500Wの電子レンジに1分かけて解凍しておきます。Aのボウルに米粉100g、ベーキングパウダー小さじ1、砂糖25gを入れて混ぜます。Bのボウルに牛乳80g、サラダ油20g、塩ひとつまみを入れて混ぜます。Bのボウルに解凍したよもぎとAを入れてよく混ぜ合わせます。アルミカップに注いでフライパンに並べます。フライパンのふちから熱湯を入れて、フタをして弱めの中火で12分蒸したら出来上がりです。

【よもぎ団子の作り方】道端に生えている“自然のよもぎ”採取から始めて…ペーストにして団子を作った話
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生地がふわもち、よもぎの香りがふわっと漂い、とってもおいしいです。出来立てのアツアツを食べると、よりよもぎの香りが立ちますね。

よもぎの成分

よもぎは緑が濃くて香りが強いキク科の植物で、β‐カロテン、葉酸、ビタミンCなどのビタミン、カルシウムや鉄などのミネラル、タンニンやクロロフィルなどのポリフェノール、香り成分のシネオールなどを含んでいます。これらの成分には、血栓が作られるのを予防し、できてしまった血栓を溶かす働きがあり、動脈硬化から起こる心筋梗塞や脳梗塞の予防に役立ちます。血液の流れがよくなるため、全身の代謝アップが期待できます。独特の香り成分シネオールには気持ちを静める働きがあり、イライラやストレス解消にと、昔からよもぎ風呂がよく知られています。

生のよもぎで作るお団子がこんなにおいしいなんて驚きでした。生のよもぎがスーパーなどではあまり見かけないので、自分で探す場合は、わたしのように間違えてしまわないように気を付けてください。できれば、よもぎかどうか区別ができる人に教えてもらうといいですね。先日、自然食料品店で生のよもぎが売られているのを見かけました。直売所でも時季によっては取り扱うことがあるようです。乾燥よもぎだったら容易に手に入るかも。わが家は、冷凍ペーストがまだ残っているので今年はあと数回はよもぎを楽しめそうです。友人の実家から根っこごと少し分けてもらったので、庭で育てて毎春の楽しみにしたいと思います。

参考web:
よもぎの米粉蒸しパン | レシピ | 富澤商店
https://tomiz.com/recipe/pro/detail/20240412170821

参考文献:
病気にならない人の食べるクスリの本 監修 板倉弘重 永岡書店
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