七味といえば、うどんやお蕎麦にさっとひとふりするピリッと辛い薬味ですよね。それが「スイーツ」になるなんて想像したこと、ありますか?七味メーカーの老舗、長野「八幡屋礒五郎」が手がける「Kongen Sweets」では、七味素材を活かしたちょっと意外なお菓子が作られているんです。
今回は、その中から「生姜糖」と「SPICE CHOCOLATE」を実食してみましたよ。和のスパイスたちと、新しい甘さとの出会いが待っていました。

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全国で愛される七味の名店!「八幡屋礒五郎」を知っていますか?

【長野県民は知っている】善光寺門前の老舗『八幡屋礒五郎』から…七味のスイーツ出た!食べてみた!


この赤い缶、どこかで見覚えがある方も多いのではないでしょうか。長野出身の筆者にとってはおなじみの存在ですが、県外の定食屋さんや蕎麦店でもたびたび目にすることがあり、その存在感は全国級(長野県民にとっては、見かけるたびに、なんだかちょっと誇らしくなってしまう存在)。八幡屋礒五郎の七味唐辛子は「日本三大七味」のひとつにも数えられ、豊かな風味と奥行きのある香りで、長く愛され続けてきた老舗ブランドです。

本店があるのは、善光寺の門前。江戸時代から参拝客をもてなしてきた歴史ある土地に根ざし、七味を通じて”信州の味”を届けてきました。近年は、伝統の七味を軸にしながら、自社農場での原材料生産、カフェ運営、さらにはスイーツやコスメの展開など、新しい挑戦も続けています。長野県内外の百貨店や土産店、スーパーでも商品を見かけることができ、今や”長野の味”の顔として多くの人に親しまれています。

”七味素材”がスイーツに?素材を活かした「Kongen Sweets」に注目

【長野県民は知っている】善光寺門前の老舗『八幡屋礒五郎』から…七味のスイーツ出た!食べてみた!


七味といえば、ピリッと辛くて食欲をそそる薬味——そんなイメージをお持ちの方も多いはず。けれど実は、「唐辛子」「山椒」「生姜」「麻種」「胡麻」「陳皮」「紫蘇」という、七つの素材から成る七味唐辛子は、視点を変えると奥行きある”素材の宝庫”でもあります。

そんな素材を使ったスイーツを手作りしているのが、八幡屋礒五郎が手がける「Kongen Sweets(コンゲン・スイーツ)」。
チョコレートやジェラート、琥珀糖、マカロンなど、見た目も味わいも個性あふれるラインナップが揃います。今回はその中から、特に気になった2品、「生姜糖」と「唐辛子BEAN TO BAR チョコレート」をピックアップして実食してみました。

生姜って、こんなに上品だったっけ?こだわり素材でつくる「生姜糖」

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まず最初に気になったのは、七味の素材としてもおなじみのしょうがを使ったスイーツ。その名も「生姜糖」(¥432/税込)です。
七味唐辛子に欠かせない素材のひとつ、しょうが。ピリッとした辛味や爽やかな香りで、全体の風味を引き締める重要な存在です。そんなこだわりのしょうがの絞り汁を、高純度の砂糖でじっくり煮詰めてつくられたのが、この生姜糖。ひとつひとつ型に手作業で流し込んで作られていて、飴とも違う、なんとも上品でやさしい雰囲気が漂います。

そのままはもちろん、お湯や紅茶に溶かして楽しむのもおすすめなんだとか。スタンダードのほかに、柚子風味や黒糖風味などのバリエーションも展開されていて、素材の違いを比べてみるのも楽しそうです。

上品な辛さとやさしい甘さがクセになる!

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ひとかじりすると、最初はほんのり硬さを感じますが、口の中でふわっと崩れていくような不思議な食感。しょうがの爽やかな香りと、軽やかに抜けていく辛み、そして砂糖のやさしい甘みが一体となって、ぶわ~っと広がります。

まるでフレッシュな新しょうがを使ったような、キレのある風味。口の中にじんわり残る辛さが心地よく、いくつか口にしているうちに体がぽかぽかと温まってくるような感覚すらあります。

そのままでも満足感がありながら、どこか品があって、おしゃれ。ドリンクと一緒に出せば、ちょっとした”おもてなし”にもぴったりな存在です。ティータイムにそっと添えたら、センスのある人と思われるかもしれません。

ミルクティーにひとかけら!甘くてスパイシーなチャイ風アレンジ

【長野県民は知っている】善光寺門前の老舗『八幡屋礒五郎』から…七味のスイーツ出た!食べてみた!


八幡屋礒五郎の公式サイトでは、「そのままはもちろん、お湯や紅茶に溶かしても美味」と紹介されています。そこで今回は、ミルクティーにそっとひとかけら入れてみることに。すると、まるでチャイのようなスパイシーで奥行きある味わいに早変わり。これは…クセになりそう。

1カップに2かけらだと風味はほんのり。飲みながら少しずつかじって、一緒に味わうくらいがちょうどいいバランスかもしれません。気持ちも体もじんわり温まる一杯です。


老舗の”本気の遊び心”!七味が主役のチョコセット

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さて、次に手に取ったのは、「SPICE CHOCOLATE アソート・ミニ8枚セット」(¥1,620/税込)。七味に使われている素材とチョコレートを組み合わせた、なんとも八幡屋礒五郎らしいスイーツです。セットには、唐辛子やさんしょう、しょうが、胡麻、麻種、紫蘇、陳皮、柚子などの素材を使ったチョコがずらり。ルビーカカオやコロンビア産のカカオバターなど、個性豊かなチョコとの組み合わせが楽しめます。

通常サイズのタブレットは店舗によって取り扱いフレーバーが異なるため、気になる味がある方は事前の確認がおすすめ。ちなみに軽井沢店には、軽井沢発祥のスペシャルティコーヒーロースター”丸山珈琲”との限定フレーバーもあるそうです。

七味は旨辛、さんしょうは香りで勝負!スパイス×チョコの奥深さに驚く

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セットの中から、今回は特に印象的だった2種のお味をご紹介。まずは「七味」フレーバー。ひと口食べると、ビーントゥバーならではのカカオの深みがしっかり感じられ、続いてじわじわと辛さが押し寄せてきます。正直、”ほんのり風味がする”くらいかと思っていたら大間違い。カカオの旨味と七味の旨味が見事に融合していて、まさに本格的なスパイスチョコレート。「なめててごめん」と思わず心の中でつぶやいてしまうような衝撃の一枚です。


【長野県民は知っている】善光寺門前の老舗『八幡屋礒五郎』から…七味のスイーツ出た!食べてみた!


一方で「山椒」フレーバーは、口に運ぶ瞬間から和の爽やかな香りがふわりと立ち上がり、期待を裏切らない華やかさ。ベースのチョコレートはミルク系で、さんしょうの青っぽい香りとマイルドな甘みが絶妙にマッチしています。ピリッとくる刺激ではなく、あくまで香りを味わうタイプ。食後の余韻も心地よく、上品な和のアクセントが光ります。

それぞれのスパイスごとにチョコレートの種類を変えているあたりにも、素材へのリスペクトと相性へのこだわりが感じられます。そのほかにも、しょうがや胡麻、柚子など、個性豊かなフレーバーが揃っていて、味のバリエーションを楽しめるのもこのシリーズの魅力。全種制覇したくなること請け合いです。

気になった方はぜひ、長野旅行やお取り寄せをしてみてはいかがでしょう。

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