卵の収納というと昭和時代は、冷蔵庫の扉裏にある、穴の開いた卵ポケットに入れるのが常識でした。でも、令和は違うんですってね。
扉裏は、扉の開け閉めによる温度変化や振動が激しく、卵が傷みやすくなるので、”冷蔵庫の奥にパックごと保存する”のが新常識だとか。ただぁ~!パックを開封したら最後、ずっとパカパカ開きっぱなしに。これが不便なのよね。そこで、とっておきの裏ワザを見つけたので試してみることに!

冷蔵保存の”卵”を生で食べられる「賞味期限」は…「2週間」「1か月」「2か月」どれ?【食品保存クイズ】

卵は冷蔵庫のドアポケットに保存するなかれ!

まずは裏ワザを試す前に、卵の保存について、まとめておきます。ちょっと長くなりますので、裏ワザを早く知りたい方は、遠慮なく、飛ばしてくださいね(笑)。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!

画像出典:photoAC

昭和・平成あたりは、卵の保存というと、冷蔵庫の扉裏にある卵ポケットに入れるのが定番でした。けれど、扉を開閉する際の振動によって卵が傷つき、細菌が侵入しやすくなる恐れがあること。また、温度の変化も激しく菌が繁殖してしまう可能性があることなどから、扉裏の収納はおすすめ出来ないというのが、最近の常識のよう。

では、どこにどうやって保存するのがベストなのでしょう?

ネットで色々調べてみたら、東海林養鶏場のHPに「卵が傷つかず、温度の変化が激しくない場所に保存するのがベスト」とありました。

冷蔵庫の中で一番温度の変化がないのは、冷蔵庫の奥。

そして、卵パックに入れたままにすることで、卵同士がぶつからず、多少の振動くらいなら卵が傷つくこともない。

ということで、「冷蔵庫の奥に卵パックごと保存する」のが、卵のベストな保存方法らしいです。


【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!

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また、別のサイトには、卵の殻には、食中毒の原因になるサルモネラ菌がついている可能性があるため、卵パックのフタを閉じて保存すること!と書いてありました。すると卵がむき出しにならず、他の食品に菌が移ってしまうことも避けられる…ということのよう。

ただしこの件について調べてみると、実際のところ、市販の卵からサルモネラ菌が検出されるのは、約0.003%らしいです。

低っ。

さらに詳しく調べてみると、

鶏卵がサルモレラ菌に汚染される経路は2つあるそうで、ひとつは「on egg汚染(鶏の消化管等に存在する菌が、糞便と一緒に卵殻表面に付着する場合)」。もうひとつは「 in egg汚染(感染している鶏の卵巣や卵管が汚染され、卵の形成過程で内部に取り込まれる場合 )」。

通常の流通過程では、パックに詰められる前に、卵殻の洗浄・殺菌が実施されているので、「on egg汚染」は除去されます。「in egg汚染」は卵内部の汚染なので、卵殻を洗浄・殺菌しても取り除かれることはありません。けれど、養鶏場において親鶏がサルモネラ菌に感染しないよう、飼育方法を工夫するなど感染率を下げる努力がされているそうです。

そんな徹底した管理のおかげで、食品安全委員会が実施した研究事例では、日本全国から集めた市販の卵約10万個のうち、サルモネラ菌が検出されたのはわずか3個。さらに、2万個の卵から汚染が検出されなかったとのデータも併せ、汚染の確率を0.0029%程度と推定しているそうです。

以上のことから、卵の殻に付着しているサルモネラ菌は、ほぼなさそう。
けれど、リスクがないわけではないし、サルモネラ菌に限らず、卵が傷ついて細菌が侵入しないためにも、やっぱりフタを閉じて保存するのが安心かな。

…ということで、やっと、満を満を満を持して、今回の裏ワザの登場です(笑)。

卵が傷つくのを防ぐのはもちろんのこと、パカッとフタが開いた状態で冷蔵庫に保存すると、スペースを取るし、開かないようフタの上に何かをのせたらのせたで、取り出すときに面倒くさい。フタを閉じられるものなら閉じたいのですが、卵パックは一度開けると、フタが閉まらないんですよね~。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!

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そこで、これ!テレビ東京『ありえへん∞世界』で紹介していた、「卵パック”パカパカ”問題」を解決する裏技。

テレビ東京『ありえへん∞世界』の卵パック”パカパカ問題”を解決する裏ワザ!

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!


2025年4月8日放送の番組で、卵を生産・製造・販売する株式会社愛鶏園の製造管理チーム・熊谷美香さんがこの問題を、サクッと解決してくれました。

やり方は、超・超・超簡単。

「逆から開けるだけ」

ええええっ。たったそれだけ?って思いますよね。

では、実際にやってみましょう。

卵パックを逆から開けてみた!

シールで封をしてある開け口とは反対側の側面を、はさみで切ります。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!


以上。


めちゃめちゃ簡単。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!


シールが”ちょうつがい”となり、フタがきちんと閉まるそうです。

どれどれ。

お~、ちゃんと閉まりました!パカッと開きません。すばらしい。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!


そして、卵を全部使い終わったら、シールを取ります。すると…。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!


あら、便利!

パックを重ねられるのです。かさばらずに捨てられて◎。

【卵はパックごと冷蔵庫へ】が令和の常識だが…「開封するとパカパカする」問題をどうする!?こうする!
パック


ということで今回は、卵の保存方法と、開けたら最後「卵パック”パカパカ”問題」を解決する裏ワザについて紹介しました。

梅雨も始まり、食中毒にはよりいっそう気をつけたい季節。賞味期限を守るのはもちろん、卵の保存や調理にも注意したいですよね。


<参考文献>
WEB

『東海林養鶏場~たまごの保存、どうしてますか?~』
https://shoji-egg.jp/HS5cXiwV/column025

『食品安全委員会~【読み物版】 [生活の中の食品安全−安心して生卵を食べられる国−(食品安全委員会委員長 佐藤 洋) その1 ]  平成29年2月23日配信~』
https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h2902_r1.html
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