中華の巨匠・脇屋友詞さんがYouTubeで紹介したのは、「麻婆うどん」。香味野菜と豆板醤で作るピリ辛スープに、冷凍うどんを合わせた手軽な一品です。
「脇屋シェフって四川料理の専門じゃなかったはず…なぜ麻婆うどん?」と思ったのですが、実は脇屋シェフは”ヌーベルシノワ”の第一人者。ジャンルにとらわれず、新しい味を追求するスタイルが魅力なのですね。さっそく作ってみたところ、15分とは思えない本格的な味に驚きました!

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中華のアイアンシェフとして一躍有名になった脇屋シェフ。東京ヒルトンホテル、キャピトル東急ホテル、リーセントパークホテル総料理長、トゥーランドット游仙境などを経て、現在は「Wakiya一笑美茶樓」のオーナーシェフです。中国料理にフランス料理の要素を取り入れた「ヌーベルシノワ」の先駆者として知られています。

脇屋シェフの「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」の材料と作り方

【材料】※2人分
豚ひき肉…100g
長ねぎ(みじん切り)…大さじ2
しょうが(みじん切り)…大さじ1
にんにく(みじん切り)…大さじ1
冷凍うどん…2玉
青ねぎ…適宜

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


青ねぎは小口切りにしておきます。

太白胡麻油…大1
豆板醤…大1
紹興酒…大2
しょうゆ…大4
鶏ガラスープ…200ml(鶏ガラスープの素(顆粒)小さじ2を200mlの水で溶いたもの)
こしょう…少々
ゴマ油…大1
花椒…適宜
ラー油…適宜

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


【作り方】※調理時間:15分
1. フライパンに太白胡麻油を入れ、中火でひき肉を炒めます。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


2. 肉の色が変わってきたら、長ねぎ、しょうが、にんにくを入れて炒めます。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


3. 豆板醤をフライパンの中心に入れて炒め、香りが立ってきたら全体を炒め合わせます。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


4. 紹興酒、しょうゆ、鶏ガラスープを加え、しっかり沸騰させます。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


5. こしょうとゴマ油を加えます。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


6. うどんを表示通りに茹でながら、茹でているお湯を少し取って器を温めます。


【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


7. お湯を切ったうどんを器に盛りつけ、5のスープをかけます。青ねぎを散らして、花椒とラー油を回しかけて出来上がりです。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


ひき肉を炒めて、そこに長ねぎ、しょうが、にんにくを加えて炒めるという中華料理の基本動作をこれまで数えきれないくらい行ってきました。が、何度行ってもこの香りにはヤラれます。これがベースになったスープがおいしくないわけがありません!

さっそく茹でたうどんにスープを絡めて口へ運ぶと…辛いけど王道としか言えない味が口の中に広がりました。うどんも生麵や乾麵ではなく、冷凍なのにしっかりモチモチ感があり、スープの中のひき肉と一緒に食べると食感の違いと肉の味も楽しめます。

中華では調味料が多くなるのは"あるある"ですが、これが15分で作れるとは驚きです。とても満足な味でしたが食べ終えた瞬間に「もっと麺が欲しいなぁ」と切に思いましたので、思わず追加でもう1玉茹でてしまいました。

【シェフ脇屋の四川風うどん】15分でこの味!?豆板醤と花椒で「やみつきピリ辛スープの麻婆うどん」作ろう


わたしは週2くらいのペースでスーパーに買い物に行きますが、以前に比べて冷凍食品の棚がとても増えていることに、今更ながら驚きます。卵や納豆などの棚が1列とすると、スーパーによっては冷凍食品の棚が2列あるところもあり、そんなに冷凍できる食品があるんだと思う一方、何でも冷凍できてしまう技術にもとても感心します。

今ほど冷凍技術がなかった頃は、冷凍=味が落ちると認識していましたので、ほとんど冷凍食品を買うことがありませんでした。それが最近のニュースでは握り寿司まで冷凍でき、しかも現役のお寿司屋さんが食べても冷凍だと分からないレベルにまでなっているそうです。
そう聞くと、冷凍麺がおいしいのもうなずけますよね。技術力に脱帽です。

脇屋シェフはこのレシピのスープを「やみつきピリ辛スープ」と説明していましたが、確かに豆板醤と花椒が効いて辛く感じました。とても辛いけどおいしいというのは四川料理の特徴の一つですが、脇屋シェフは四川料理専門のシェフではありません。

四川料理で有名な、亡くなられた陳建一シェフも、あの伝説の番組「料理の鉄人」で四川料理に留まらない幅広い中華料理の技法を披露していたように、基本的な技術を身に着けた人がその殻を破って新しい境地に挑み、新しいものを生み出していくというのはすばらしいことだなと思います。

よく「守破離」という言葉で言い表されますが、料理の世界はまさにこの守破離が実践されているように思います。

簡単でおいしい麻婆うどんができますので、ぜひ作ってみてください!
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