俳優・市原隼人さん主演映画『おいしい給食 炎の修学旅行』が、10月24日から全国公開!というわけで、市原さんに映画への思いをインタビューしてきました!給食をこよなく愛する熱血教師・甘利田幸男を演じる市原さんですが、実はプライベートでも食へのこだわりが人一倍強いのだとか。食への向き合い方から、俳優を続ける原動力、そして作品とファンへの想いまで、じっくりお話を伺いました!

【画像を見る】鍛え抜かれた筋肉が美しい…【市原隼人さん】

——『おいしい給食』シリーズは、タイトル通り〝おいしく食べる〟ことがテーマの作品ですね。


子どもの頃、僕にとって給食は学校生活におけるご褒美のような時間でした。揚げパンやソフト麺など、家では食べられないメニューに心ときめきましたし、班ごとに机をくっつけて食べるのも楽しかったです。好きな子が見えるように、こっそり机の角度を調整したりして(笑)。僕も給食のために学校へ行っていると言っても過言ではありませんでした。

——では、甘利田先生の役は…。

共感できるところだらけです(笑)。
ただ、大人になって改めて「給食」というものに触れると、子ども時代にはわからなかったことが見えてきました。地域の産業や食文化、歴史など、本当にたくさんの人が関わって、おいしくて栄養のあるものを子どもたちに届けてくれているのだと。

表面的には学園×食コメディですが、地に足がついたメッセージが詰まっている作品なので、演じながらたくさん救われましたし、この作品に出会えて本当によかったと思っています。

撮影の合間に東北の味覚を堪能!

——劇中では、せんべい汁やわんこ蕎麦を食べるシーンがあるそうですね。

せんべい汁は初めて頂いたのですが、基本的に給食では火を使った熱々のものは出てこないので、グツグツ煮えている汁に甘利田先生としては興奮しました(笑)。

わんこ蕎麦は、実際のお店で撮影させていただいたのですが、わんこそばを食べるシーンを撮った後にお店の人が「子どもたちはまだ食べ足りないでしょう?好きなだけ食べていって」と言ってくださって、みんな大喜びでした。


【市原隼人さん】マイ包丁はなんと11本!?人気シリーズ『おいしい給食』への愛情と舞台裏を語る!


————東北の食で好きなものや、撮影の合間に食べたものはありますか?

僕は、とにかくしじみが大好きで。毎朝しじみのお味噌汁を必ず飲んでいるのですが、青森県の十三湖のしじみを使っているので、今回、憧れの青森に行けて嬉しかったです(笑)。

岩手では、その土地ならではのものを頂きたくて、撮影の空き時間に冷麺を食べに行きました。人気のお店を調べて、1時間くらい並んで待ったのですが、本当においしかったです。

趣味は料理と包丁集め!「食は心のメンテナンス」

——市原さんといえば、鍛え抜かれたボディという印象がありますが、やはり食事にも気をつかっていらっしゃるのでしょうか?

僕にとって、心のメンテナンスに食は不可欠だと思っています。メンタルが落ちているなと感じたとき、食生活を変えるとガラッと気持ちが変わります。食と心は切り離せないと思います。作品に入っている間は、蕎麦やうどん、蒸し野菜、きのこ類、鶏むね肉など、だいたい同じものを食べています。

ストイックだと思われがちですが、作品が終わったら好きなものを好きなだけ食べます。ステーキだったら800グラムくらい食べますし、ジャンクフードも大好きです(笑)。

——ちょっと安心しました(笑)。料理もお好きだそうですね。


大好きです。ちょっと時間が空いたら仲間を呼んで料理を振る舞ったり。海鮮が好きなので、朝早く市場に行って新鮮な魚や伊勢エビ、岩牡蠣なんかを買ってきて、自分でさばくのがすごく楽しいんです。料理は人間に与えられた特権だと感じます。

——マイ包丁を持っていらっしゃるとか。

包丁も気づいたら11本に増えていました。小さいものから、三徳包丁、野菜用、出刃包丁など、いろいろあって、包丁によって味や食感が変わるんです。

「お米は一粒も残さず食べなさい」母から受け継いだ大切な教え

——食に限らず、暮らし方一つ一つにこだわりを感じます。

ひとつのものを、手入れしながら大切に長く使うことが好きです。うちのミキサーは、母が結婚前にひとり暮らしをしていたときから使っていたのを譲り受けたものなんです。

幼い頃から、母と一緒に台所に立つのが好きで、それが今も続いているんです。食べ物を大切にするという考えも、ごく自然に身についたように思います。
「お米は一粒も残さず食べなさい、大切に作ってくださる方がいるのだから」と、よく母に言われました。

【市原隼人さん】マイ包丁はなんと11本!?人気シリーズ『おいしい給食』への愛情と舞台裏を語る!


青森県田舎館村の田んぼアートの題材に『おいしい給食』が選ばれたため、地元の高校生たちと一緒に田植えをさせていただいたのですが、改めて、お米作りは大変で、ありがたいことだと感じました。

俳優を続ける原動力になったファンからの手紙とシリーズ最新作への想い

——小学校5年生の頃から俳優の道に進まれましたが、子どもの頃は、正直このお仕事に前向きではなかったそうですね。

最初は部活感覚といいますか、人前でしゃべるのが苦手なのを克服するための習い事くらいの気持ちでした。中学生の時に役者デビューしてからも、友だちが遊んでいるのに、どうして自分だけ撮影に行かなくちゃいけなんだろう、と思っていました。

そんな自分の気持ちを変えてくださったのが、ファンの皆様のお声でした。「市原さんの作品を観て、久しぶりに家族で会話ができました」というものや、「あと数ヶ月しか命がないのですが、市原さんの作品を観ると頑張れます」というお手紙をいただいたりして、涙が止まらなくなって…。

僕が作品に参加することで、誰かの役に立ったり、支えになれたりするのであれば、全身全霊で、市原隼人にしかできない仕事をしなければならない。そう思うようになりました。

——確かに、わたしたちはエンターテイメントを通して、元気や勇気をもらっています。

『おいしい給食』は、まさにそうした思いを込めてお届けしている作品です。実を言うと、僕はシリーズを続けるより、新しいものにチャレンジしたいタイプなんです。
ですが、小さなお子様から、ご年配の方まで楽しんでくださるこの作品が、僕は好きで好きでたまらない。そんな愛すべき『おいしい給食』の最新作を、みなさまに楽しんでいただけたら、これほど嬉しいことはありません。

※市原隼人さんのインタビューは、月刊誌『家の光』2025年11月号にも掲載されています。
https://www.ienohikari.net/press/hikari/
 
いちはら・はやと
1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。
01年に映画『リリイ・シュシュのすべて』で主演デビュー。
これまでの主な出演作品は、ドラマ『正直不動産』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』ほか。
 
【映画情報】
『おいしい給食 炎の修学旅行』
1990年、給食をこよなく愛する中学教師・甘利田幸男(市原隼人)は、今日もライバルの生徒・粒来ケン(田澤泰粋)と、日々熱い〝給食バトル〟を繰り広げていた。ある日、甘利田は生徒たちと共に、青森・岩手2泊3日の修学旅行に同行することに……。

10月24日(金)
新宿ピカデリーほか全国公開
配給:AMGエンタテインメント
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