【脱サラ農家インタビュー】きっかけは1冊の本!IT系会社員が東京で小松菜栽培を始めた!?【前編】
6時起床10時就寝の規則正しい生活

東京都西多摩郡日の出町に2か所の畑を借りている野崎さんは、季節に合わせて4種類の小松菜を栽培しています。
「春、夏は種を撒いてから約1か月、冬は2か月以上収穫までかかります。春、夏は成長が早いので、やや小ぶりであっさりしたものに、秋、冬はじっくりと土の養分を吸い上げて育つので、味の濃い小松菜になります」(野崎さん)

朝は6時頃に起きてすぐに畑へと向かいます。小松菜の収穫を済ませて、朝7時半には農産物直売所へ納品に。また給食センターから依頼がある日は、8時頃までには納品を済ませます。
「一度帰宅して朝食を食べて、9時過ぎにまた畑へ。収穫をしたり収穫が終わった畑の手入れをしたりと夕方頃まで畑にいます」(野崎さん)

収穫した小松菜は作業場で洗浄してから袋詰め作業をします。日暮れまでには作業を終了。その後は出荷数や販売数をチェックして、翌日の準備をして22時頃に就寝。
「会社員時代に比べると、起きるのも寝るのも早くなりました」(野崎さん)
安全安心な野菜づくりのためGAP認証を取得

連作障害(毎年同じ土地に同じ作物を栽培することで、野菜の育ちが悪くなること)が少なく、狭い土地で年4、5回作れることも小松菜栽培のよいところだそう。土づくりや水のやり方にも工夫を凝らしています。
「米は1年に1回ですが、1年に何度も栽培できることで経験を積めるのがいい。年々、品質のよいものを安定的に出荷できるようになっています」(野崎さん)

納得しない野菜は出荷しないと決めている野崎さん。責任をもって農業経営を続けていくために、東京都の農業生産工程管理(GAP)の認証を取得しました。農作業の点検、記録、確認を行うことによって、農産物の品質向上につながると言います。

「農作業の忙しさにかまけて、記録や点検などは忘れがち。だからこそ作業の”見える化”は大切なことです。東京都GAP認証を取得したことで、安全安心な農場だという評価にもつながります。出荷する小松菜には、すべて東京都GAP認証マークを貼っています」(野崎さん)
農業を始めるなら可能性の多い東京で!

東京で就農した野崎さんは、新潟県の三条市出身です。三条市発のアウトドアブランド「スノーピーク」のつなぎを着て、収穫用にも三条市名産の鋏を使っています。故郷の三条市には強い思い入れのある野崎さんですが、就農にあたっては東京以外の候補先を考えることはなかったそう。
「大消費地のそばで農業をすることに魅力を感じます。販路や売り方も工夫次第でおもしろいことができるはず。

東京都には、技術指導、補助金、経営計画など、各専門機関の手厚いサポートがあるので新規就農を目指す人にはいい環境だと言います。また農業未経験者であっても、「これまでの社会人経験は必ず農業経営に生かせる」とも。
「年齢性別問わずいろんな方と出会うことが多いので、社会人時代に身に着けたコミニュケーションスキルが役立っています。IT系企業にいたのに、今の仕事はアナログどっぷりです。注文もほぼ電話ですからね(笑)」(野崎さん)
自分ですべてを決められるストレスフリーな仕事

就農してよかったことは、自分で何もかも決められること。
「自然相手ですし予測がつかないことは多い。だけど生産物やスケジュールなどすべてを自分で管理して仕事に向き合えるのがいい。会社員時代は自分一人で決められないことが多く、ストレスを感じる日々でした。今では本当にノーストレスです」(野崎さん)

また会社員時代のような決まった休日はないけれども、自分の都合に合わせてオンオフを切り替えているそう。
「昼からはオフにしようなんてこともあります。平日の人の少ない時間に都心の美術館を訪ねて、早めにさっくりと一杯飲んで、電車が混まない時間に帰ってくる。そんな風に時々リフレッシュしていますね」(野崎さん)
今後は日の出町特産のトマト栽培を考えている野崎さん。
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