【応急手当てのシン・常識】鼻血が出たら「ティッシュを詰めて上を向く」は間違いだった!正しい手当てとは?
やけどとは医療用語では熱傷と言われ、高温の熱源に接触することで起こるやけどや、ホットカーペット、電気カイロなど低温の熱に長時間接触することで起こる低温やけどなどがあります。肌が赤くなってヒリヒリしたり、皮がむけたりする日焼けもやけどの一種です。
やけどはわたしたちにとってはとても身近なケガ(外傷)の一つなんです。
やけどの深さによる重症度分類とそれぞれの症状
皮膚の一番外側には表皮があり、その下に真皮、皮下組織があって、やけどの深達度によって重症度が分類されています。

皮膚の構造
熱傷Ⅰ度
表皮までの損傷で、赤みやヒリヒリ感、熱感を生じます。
日焼けは熱傷Ⅰ度に分類されます。
熱傷Ⅱ度
・浅達性Ⅱ度
表皮の下にある真皮の浅い部分(真皮上層)までの損傷で、発赤・腫れ・痛み・水ぶくれを生じます。
・深達性Ⅱ度
真皮の下にある皮下組織のすぐ上(真皮深層)まで損傷が及び、発赤・白濁色の水ぶくれを生じますが、痛みは感じにくいです。
熱傷Ⅲ度
皮膚の最下層である皮下組織にまで損傷が及び、血管や神経まで損傷するので痛みは感じません。
表面は白っぽくなり、ときには黒く焦げてしまっていることもあります。
治癒には1~3か月かかり、手術が必要となることも多いです。
深達性Ⅱ度~Ⅲ度は特に重症ですが、やけどの深さだけでなく、受傷した範囲や年齢によって総合的に重症度が判断されます。
【応急処置の新常識】やけどの患部にアロエを塗るはNG!
アロエはやけどの炎症を抑えると言われ、昔から民間療法として広く行われてきました。
わたしも子どもの頃、やけどをしたら祖母に庭に生えているアロエを塗ってもらった記憶があります。と・こ・ろ・が!この方法は間違いだったんです~!
なぜかというと…
やけどをした皮膚はバリア機能が低下してるので、アロエの葉についた雑菌が患部に触れることで感染を起こしやすくなります。
また、アロエに含まれるシュウ酸カルシウムという針のように尖った結晶成分が炎症を悪化させてしまうんです。
ではやけどをしたらまずどのように対処するのが正解なのでしょうか。
やけどの正しい応急手当て
やけどをした際は、ただちに流水で冷やすことが大切です。
冷やすことで、やけどの進行を防ぎ痛みを緩和することができるので、流水で15~30分程度冷やし続けてください。
指先や足などのやけどで痛みが強い場合は1時間程度冷やしましょう。

アイスノンや保冷剤で冷やすときは、凍傷を防ぐためタオルなどの布で包んで使用してください。
応急処置の注意点
1.衣服を着たままやけどをした場合は、衣服を脱ごうとした時に損傷を大きくしてしまう恐れがあるため、衣服の上から流水で冷やしてください。
2.やけどをした部分が腫れてきて指輪や時計などは外しにくくなることがあるので、早めに取り外しておくと良いでしょう。
3.患部が広範囲に及ぶ場合はシャワーで冷やすとよいですが、長時間体を冷やすと低体温につながるので注意が必要です。
なるべく早く病院を受診するか、救急車を呼びましょう。
水ぶくれができてしまったら…

水ぶくれができた時に潰してしまうのもNGです。
やけどでできた水ぶくれの中には傷を修復してくれる成分が含まれています。
水ぶくれを潰してしまうと細菌感染を起こしやすくなるので、できるだけ破かないようにしてくださいね。
病院受診について
熱傷Ⅱ度~熱傷Ⅲ度や、痛みが改善しない場合、熱傷の範囲が広い場合などは、早めに医療機関を受診してください。
とくに熱傷Ⅲ度や広範囲熱傷の場合は、診療時間外でも直ちに受診するか、救急車を呼びましょう。
一般的な初期治療としては、症状の進行を防ぎ感染を起こさないようにするために、皮膚を乾燥から防ぐための軟膏や創傷被覆材の使用や、抗生物質の投与などが行われます。
ご自身で応急手当てを行った後は、病院で適切な治療を受けましょう。