管理栄養士のともゆみです。突然ですが、「すごい納豆S-903」という商品をご存じでしょうか?「おかめ納豆」シリーズを手掛けているタカノフーズから販売されているのですが、2017年に発売されてから現在も好調な売れ行きを持続している商品です。
納豆を食べるより良いタイミングは…「朝」それとも「夜」どっち?「え、食べる時間で血栓も予防する⁉」
今回試したのは「すごい納豆S-903」こちら
40gの納豆が3つ入りで129円でした。「すごい」割にはお手軽価格♪
パッケージから推測すると、「S-903」と「シールド乳酸菌入り」というのがポイントのようです。
ではまず「すごい納豆」よりデカデカと書かれている「S-903」とはいったい何なのか、調べてみました。
S-903とは?
S-903というのは、納豆菌の一種のこと。納豆菌は、生育環境や種類によってさまざまな種類が存在していて、タカノフーズが保有しているだけでも実に2200種類以上のオリジナル納豆菌があるそうです。納豆菌は菌によって特徴があり、味や匂い、粘りなどそれぞれに違いがあります。
S-903納豆菌は、タカノフーズが保有する納豆菌から903番目に登録された菌で、その最大の特徴が免疫に対する機能性が非常に高いということ。一般的に使われている納豆菌と比較して、免疫に対する機能性が約1.5倍もあるスーパー納豆菌だったのです。
スーパー納豆菌S-903のすごさ
免疫とは、わたしたちの身体が持っている病原体から身体を守る仕組みのことですが、大きく2つの働きがあり、風邪やインフルエンザ、食中毒に対抗する作用とアレルギーに関わる作用の2つの働きがあります。
シールド乳酸菌入りたれ
たれには森永乳業株式会社が保有する「シールド乳酸菌」が100億個配合されています。シールド(盾)のように外敵から人の体を守る働きを持つことから名付けられ、本人がもっている健康力をサポートする乳酸菌で1日の摂取目安は100億個とされています。
マウスの実験結果では、S-903納豆菌と併用することで、乳酸菌単独摂取よりも、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、感染後も体内での抗体産生能を高める効果があると確認されています。
S-903納豆菌だけでもすごいのに、たれにも免疫作用に効く乳酸菌を使うことで、Wで健康を重視したところがより「すごい納豆」にしているんですね。
すごい納豆と一般的な納豆の栄養成分比較
すごい納豆40g(たれ・からしなし)
エネルギー…74Kcal
たんぱく質…6.2g
脂質…3.8g
炭水化物…5.3g
食塩相当量…0.003g
一般的な納豆40g(たれ・からしなし)
エネルギー…76Kcal
たんぱく質…6.6g
脂質…4.0g
炭水化物…4.8g
食塩相当量…0g
参考:文部科学省 日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)
「すごい納豆」は一般的な納豆と比較すると、多少ではありますが、エネルギーやたんぱく質は低く炭水化物が高くなっていますね。
「すごい納豆」はこんな人におすすめ
免疫力に焦点を当てたこの商品。特におすすめな人は免疫力が比較的低い子どもや高齢者、持病のある人は、感染症予防のため、継続的に取り入れると効果が期待できるかもしれません。また、抗アレルギーにも効果があるとしているため、花粉症の人は花粉症の季節より少し前から取り入れてみるといいかもしれませんね。
食べてみた!比べてみた!
「すごい納豆S-903」と普段よく見かけるおかめ納豆「極小粒」を買って比べてみました。
「すごい納豆S-903」40g×3 129円。「極小粒」50g×3 86円。どちらもたれとからし付きでした。
左が「すごい納豆」、右がおかめ納豆「極小粒」です。わかりやすいようにたれも小皿に出してみましたよ。
見た目で違いがはっきりわかります。
納豆の粒の大きさは同じくらいの大きさですが、左側の「すごい納豆」よりも右の「極小粒」の方が明らかに糸を引いています。たれは「すごい納豆」の方が薄い色をしています。
こんな風に比較したことがなかったので、違いの大きさにちょっとびっくり。納豆の違いは大豆の大きさくらいだと思っていたので。
では食べてみましょう。
まずは何も付けずそのままで。右側の「極小粒」から。
うん、うん、いつも食べなれている納豆ですね。おいしいですよ。
次は「すごい納豆」。
あ、全然違う。ネバネバが圧倒的に少なく、納豆特有の臭いも少ないです。「極小粒」は食感がやわらかいのに対し、「すごい納豆」は歯ごたえがあり、粒がしっかりしていて、なんというか大豆本来の味と甘みを感じますね。
今度はたれだけちょっと味見してみます。
比較してみると歴然とした違いがありました。
右側の「極小粒」の方はしょうゆのしょっぱさが立っていて、左側の「すごい納豆」のたれは甘さが際立っている甘辛だれですね。その甘さも砂糖のようなダイレクトな甘さではなく、みりんのようなまろやかさのある甘みです。
たれを絡めて食べてみます。「極小粒」から。
混ぜた回数は10回くらい。泡がふわふわしています。
混ぜるとネバネバが空気を含んでふわふわしてまろやかになりました。納豆はこれがおいしいんですよね。
次は「すごい納豆」で。
こちらも同じく10回ほど混ぜました。
混ぜても普段の納豆のようにはアワアワは出ませんでした。粒が小粒ながらしっかりとしているので、大粒を食べたときのような食べ応え感がありますね。しっとりしていて納豆独特のネバツキと納豆臭さが少ないので納豆が苦手な人も比較的食べやすいかもしれませんね。
納豆に含まれる成分「ナットウキナーゼ」と「ビタミンK」
納豆のネバネバ部分に含まれるたんぱく質分解酵素のナットウキナーゼは血管内にできる血栓を予防・融解する働きがあり、動脈硬化の予防や血圧降下作用、血行促進作用が期待されています。また、微生物由来のビタミンKも豊富で血液の凝固を調整する働きがあります。ただしワーファリンなどの抗凝固薬を服用している場合は薬の作用を打ち消してしまうため、納豆を食べるのは控えるように言われています。
一口に納豆と言っても、味や臭い、粘りなど商品によってさまざまです。「すごい納豆」は、粘りが弱く、納豆独特の臭いも少ないですが、大豆本来の味やしっかりとした食感、甘辛いたれの味など個人的には好みでした。また、一度食べただけでは免疫力が上がったかどうかは残念ながらわかりませんが、風邪を引きやすく免疫力が低めであると自覚している筆者はこれを機に継続して食べてみようと思います。今までは身体にいいものはおいしくないというのが定説でした。でもこの「すごい納豆」はちゃんとおいしいので続けやすいのではないかと思います。これからは納豆もヨーグルトなどの乳酸菌のように、菌で選ぶ時代に変わっていくのではないでしょうか。
参考文献:
一生役立つ きちんとわかる栄養学 監修 飯田薫子 寺本あい 西東社
かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学 監修 新出真理 ナツメ社
※記事内で紹介した商品は掲載当時の情報であるため、在庫状況、価格などが異なる場合がございます。
最近この商品を使ったCMが一風変わっていて、子どもが「すごい、すごい」と連呼しているだけなんです。それで終了。いったい何がそんなにすごいのか、調査してみたいと思います。
納豆を食べるより良いタイミングは…「朝」それとも「夜」どっち?「え、食べる時間で血栓も予防する⁉」
今回試したのは「すごい納豆S-903」こちら

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40gの納豆が3つ入りで129円でした。「すごい」割にはお手軽価格♪
パッケージから推測すると、「S-903」と「シールド乳酸菌入り」というのがポイントのようです。
ではまず「すごい納豆」よりデカデカと書かれている「S-903」とはいったい何なのか、調べてみました。
S-903とは?
S-903というのは、納豆菌の一種のこと。納豆菌は、生育環境や種類によってさまざまな種類が存在していて、タカノフーズが保有しているだけでも実に2200種類以上のオリジナル納豆菌があるそうです。納豆菌は菌によって特徴があり、味や匂い、粘りなどそれぞれに違いがあります。
S-903納豆菌は、タカノフーズが保有する納豆菌から903番目に登録された菌で、その最大の特徴が免疫に対する機能性が非常に高いということ。一般的に使われている納豆菌と比較して、免疫に対する機能性が約1.5倍もあるスーパー納豆菌だったのです。
スーパー納豆菌S-903のすごさ
免疫とは、わたしたちの身体が持っている病原体から身体を守る仕組みのことですが、大きく2つの働きがあり、風邪やインフルエンザ、食中毒に対抗する作用とアレルギーに関わる作用の2つの働きがあります。
S-903納豆菌には免疫に対する高い機能性があるとして、さまざまな実験で効果が確認されています。マウスでの実験では、インフルエンザやノロウイルス、大人風邪(ラノウイルス)の予防と感染後の症状軽減効果が確認されています。ヒトでの効果は鼻炎症状の緩和やくしゃみ、目のかゆみなどの和らぎが見られ、花粉症の症状緩和効果が示唆された実験結果が出ています。このようにS-903納豆菌は免疫に対してプラスに関与することがわかっています。
シールド乳酸菌入りたれ
たれには森永乳業株式会社が保有する「シールド乳酸菌」が100億個配合されています。シールド(盾)のように外敵から人の体を守る働きを持つことから名付けられ、本人がもっている健康力をサポートする乳酸菌で1日の摂取目安は100億個とされています。
マウスの実験結果では、S-903納豆菌と併用することで、乳酸菌単独摂取よりも、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、感染後も体内での抗体産生能を高める効果があると確認されています。
S-903納豆菌だけでもすごいのに、たれにも免疫作用に効く乳酸菌を使うことで、Wで健康を重視したところがより「すごい納豆」にしているんですね。
すごい納豆と一般的な納豆の栄養成分比較
すごい納豆40g(たれ・からしなし)
エネルギー…74Kcal
たんぱく質…6.2g
脂質…3.8g
炭水化物…5.3g
食塩相当量…0.003g
一般的な納豆40g(たれ・からしなし)
エネルギー…76Kcal
たんぱく質…6.6g
脂質…4.0g
炭水化物…4.8g
食塩相当量…0g
参考:文部科学省 日本食品標準成分表 2020年度版(八訂)
「すごい納豆」は一般的な納豆と比較すると、多少ではありますが、エネルギーやたんぱく質は低く炭水化物が高くなっていますね。
「すごい納豆」はこんな人におすすめ
免疫力に焦点を当てたこの商品。特におすすめな人は免疫力が比較的低い子どもや高齢者、持病のある人は、感染症予防のため、継続的に取り入れると効果が期待できるかもしれません。また、抗アレルギーにも効果があるとしているため、花粉症の人は花粉症の季節より少し前から取り入れてみるといいかもしれませんね。
食べてみた!比べてみた!
「すごい納豆S-903」と普段よく見かけるおかめ納豆「極小粒」を買って比べてみました。
「すごい納豆S-903」40g×3 129円。「極小粒」50g×3 86円。どちらもたれとからし付きでした。
左が「すごい納豆」、右がおかめ納豆「極小粒」です。わかりやすいようにたれも小皿に出してみましたよ。

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見た目で違いがはっきりわかります。
納豆の粒の大きさは同じくらいの大きさですが、左側の「すごい納豆」よりも右の「極小粒」の方が明らかに糸を引いています。たれは「すごい納豆」の方が薄い色をしています。

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こんな風に比較したことがなかったので、違いの大きさにちょっとびっくり。納豆の違いは大豆の大きさくらいだと思っていたので。
では食べてみましょう。
まずは何も付けずそのままで。右側の「極小粒」から。

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うん、うん、いつも食べなれている納豆ですね。おいしいですよ。
次は「すごい納豆」。

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あ、全然違う。ネバネバが圧倒的に少なく、納豆特有の臭いも少ないです。「極小粒」は食感がやわらかいのに対し、「すごい納豆」は歯ごたえがあり、粒がしっかりしていて、なんというか大豆本来の味と甘みを感じますね。
今度はたれだけちょっと味見してみます。

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比較してみると歴然とした違いがありました。
右側の「極小粒」の方はしょうゆのしょっぱさが立っていて、左側の「すごい納豆」のたれは甘さが際立っている甘辛だれですね。その甘さも砂糖のようなダイレクトな甘さではなく、みりんのようなまろやかさのある甘みです。
好みでしょうが、筆者は甘みのある「すごい納豆」の方が断然好きですね。
たれを絡めて食べてみます。「極小粒」から。
混ぜた回数は10回くらい。泡がふわふわしています。

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混ぜるとネバネバが空気を含んでふわふわしてまろやかになりました。納豆はこれがおいしいんですよね。
次は「すごい納豆」で。
こちらも同じく10回ほど混ぜました。

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混ぜても普段の納豆のようにはアワアワは出ませんでした。粒が小粒ながらしっかりとしているので、大粒を食べたときのような食べ応え感がありますね。しっとりしていて納豆独特のネバツキと納豆臭さが少ないので納豆が苦手な人も比較的食べやすいかもしれませんね。
そして、たれが好きな味だと納豆もおいしく感じます。
納豆に含まれる成分「ナットウキナーゼ」と「ビタミンK」
納豆のネバネバ部分に含まれるたんぱく質分解酵素のナットウキナーゼは血管内にできる血栓を予防・融解する働きがあり、動脈硬化の予防や血圧降下作用、血行促進作用が期待されています。また、微生物由来のビタミンKも豊富で血液の凝固を調整する働きがあります。ただしワーファリンなどの抗凝固薬を服用している場合は薬の作用を打ち消してしまうため、納豆を食べるのは控えるように言われています。
一口に納豆と言っても、味や臭い、粘りなど商品によってさまざまです。「すごい納豆」は、粘りが弱く、納豆独特の臭いも少ないですが、大豆本来の味やしっかりとした食感、甘辛いたれの味など個人的には好みでした。また、一度食べただけでは免疫力が上がったかどうかは残念ながらわかりませんが、風邪を引きやすく免疫力が低めであると自覚している筆者はこれを機に継続して食べてみようと思います。今までは身体にいいものはおいしくないというのが定説でした。でもこの「すごい納豆」はちゃんとおいしいので続けやすいのではないかと思います。これからは納豆もヨーグルトなどの乳酸菌のように、菌で選ぶ時代に変わっていくのではないでしょうか。
参考文献:
一生役立つ きちんとわかる栄養学 監修 飯田薫子 寺本あい 西東社
かしこく摂って健康になる くらしに役立つ栄養学 監修 新出真理 ナツメ社
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