ワインのラベルをよく見ると、「グランヴァン(Grand Vin)」という文字が記載されていることがあります。

この「グランヴァン(Grand Vin)」とは一体どんな意味があるのでしょうか?

「グランヴァン」ってどういう意味?

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自称も可能な「偉大なワイン」

「グランヴァン(Grand Vin)」とは、フランス語で直訳すると「偉大なワイン」を意味する言葉。

ですが、どのようなワインがこれに該当するかということについては明確な基準がありません。

そのため、ワインの生産者達は自分の造ったワインを自由に「グランヴァン( Grand Vin)」と呼ぶこともできれば、ラベルにも自由に「グランヴァン( Grand Vin)」と記載することができるのです。

一般的に「グランヴァン」と呼ばれるワインとは

このように、自由に「グランヴァン」と名乗ることができる一方で、世間一般で「グランヴァン」と呼ばれているワインには、ある共通の特徴があります。

それは、高価で高名なワインであったり、とりわけ優れた畑のブドウで造られたワインだったり、一流に格付けされた造り手の手掛けるワインだったり・・などなど。
つまり、ワイン愛好家の憧れの的となっているようなワインである、ということです。

代表的なグランヴァン・ボルドー編

フランスのボルドー地方は、フランスで最も素晴らしいワインを生み出す地のひとつとして知られています。

そのワインは「フランスワインの女王」とも呼ばれ、数多くの高品質かつ高級なワインが生産されていますが、特に有名な2つのグランヴァンをご紹介します。

シャトー・ラトゥール
【ソムリエコラム】ワイン愛好家なら知っておきたい!「グランヴァン」ってどんなワイン?
出典:Ch. Latour シャトーラトゥール 2010

1855年のパリ万博の開催にあたり、ナポレオン3世により、ボルドー地方でのメドック地区の代表的なシャトー(ワインの生産者)の格付けの制定が命じられました。

この格付けで、第1級に君臨しているシャトーは全部で5つ。この5つのシャトーを総称して「五大シャトー」と呼びますが、シャトー・ラトゥールもそのひとつです。

タンニンが豊富で非常に力強く、五大シャトーの中でも最も男性的なワインと言われています。

シャトー・ペトリュス
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出典:シャトー・ペトリュス Ch.PETRUS[2005] [正規契約蔵出し] 赤ワイン/辛口/フルボディ [750ml]

シャトー・ル・パンとならび、ボルドー地方のポムロールを代表するシャトー・ペトリュス。

メドック地区のシャトーのように公式な格付けが制定されているわけではありませんが、その知名度は抜群です。

極めてエレガントなスタイルのワインで、世界で最も高値で取引されるワインのひとつとなっています。

代表的なグランヴァン・ブルゴーニュ編

「ワインの王」とも呼ばれる、フランスの2大生産地のひとつ、ブルゴーニュ地方。

グラン・クリュ(特級畑)」と呼ばれる最高位の畑から、数多くのグランヴァンガ生み出されています。

ロマネ・コンティ
【ソムリエコラム】ワイン愛好家なら知っておきたい!「グランヴァン」ってどんなワイン?
出典:ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ [DRC] ロマネ・コンティ[1996] 赤 [750ml]

日頃ワインを飲まないような方であっても、ロマネ・コンティという名前はご存知なのではないでしょうか。
世界で最も知名度も高く、名実ともにブルゴーニュの最高峰のワインに君臨しています。

ロマネ・コンティの畑があるのは、数多くの高級ワインを生み出すコート・ド・ニュイ地区のヴォーヌ・ロマネ村。
日当たりもよく、立地や土壌もブドウ栽培に理想的な条件が揃っているのですが、その広さはわずか1.8ヘクタールのみ。
そのため、生産本数は限られ、平均して年間6,000本程度しか生産されません

需要に比べて供給量が非常に少ないため、きわめて希少価値の高いワインなのです。

シャンベルタン
【ソムリエコラム】ワイン愛好家なら知っておきたい!「グランヴァン」ってどんなワイン?
出典:ラトリシエール・シャンベルタン グラン・クリュ 750ml [フランス/赤ワイン/辛口/フルボディ/1本]

シャンベルタンの畑は、コート・ド・ニュイ地区のジュヴレ・シャンベルタンにあり、グラン・クリュ(特級畑)に格付けされています。

スケール感の大きい味わいが特徴で、ナポレオンが戦いの前には必ずシャンベルタンを飲んでいたという逸話もあり、「ブルゴーニュの王」や「王のワイン」とも呼ばれています。

まとめ

【ソムリエコラム】ワイン愛好家なら知っておきたい!「グランヴァン」ってどんなワイン?

名前は知っていても、なかなか気軽に飲むことはできないグランヴァン。

だからこそ、人生の節目や、ここぞというときに飲むにはぴったりなのではないでしょうか。

長い人生の間、一度は本物のグランヴァンを味わってみたいものですね。

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