情熱的な真っ赤な色をしたカクテル「ジャックローズ」をご存知でしょうか?
見た目もさることながら、豊かなリンゴの香りと適度な甘味のあるカクテルで女性の方に人気の一杯です。
ハリウッド俳優が生涯愛したカクテルとしても有名で、今も世界中で広く飲まれているカクテルです。
今回は味や作り方、アルコール度数、名前の由来、カクテル言葉など、ジャックローズの魅力について詳しくご紹介いたします。
「ジャックローズ」とは
ジャックローズはその名の通り、美しいバラの色をした真っ赤なカクテルです。見た目が美しく人気の高いカクテルの一つです。ショートカクテルなので冷たいうちに飲むようにしましょう。
ジャックローズってどんなお酒?
ジャックローズは、アップルブランデーをベースにした、アメリカ生まれの真っ赤なカクテルです。口当たりがよく甘味のある飲みやすいカクテルとして特に海外では人気があります。
作る場合は、シェイクだけでなくダブルストレインという手法も必要となり、ワンランクアップうえのカクテルづくりが体験できます。
見た目も大変美しいので、作り方を覚えておくと、きっとホームパーティーの場がパッと華やかになることでしょう。リンゴの香りが好きな人なら、是非一度ジャックローズにチャレンジしてみてほしいと思います。
ジャックローズの味の特徴
ジャックローズは、まずその情熱的な赤が印象的なカクテルで、味のカギとなるベースにはアップルブランデーが使われます。真っ赤な色はグレナデンシロップによるもので、適度な甘味があります。
色だけではなく、アップルのすがすがしい芳香も特徴です。もう一つの材料であるライムジュースの香りと相まって、よりさわやかさが引き立ちます。
食前酒や食後のデザートにおすすめのカクテルです。アルコールが弱いタイプの人は、少し甘みを強くすると飲みやすくなります。
ジャックローズの名前の由来
ジャックローズは現在フランスのノルマンディー地方一帯で製造されているアップルブランデー、カルヴァドスがベースになっています。このカルヴァドスがアメリカでは「アップルジャック」と呼ばれていることから、“アップルジャックで作ったバラのようなカクテル”といわれてジャックローズの名前がついたとされています。
アップルジャックは、リンゴを原料としたシードル(構造酒)から作られた蒸留酒である、アップルブランデーを指します。そのため、アメリカではカルヴァドスだけでなく、その他のアップルブランデーのこともアップルジャックと呼ぶことが多いようです。
ただし、イギリスでは低級なアップルブランデーのことをアップルジャックと呼んで区別しているように、ジャックローズの由来となっているアップルジャックは、国や地域によって扱われ方が異なります。
専門家の一言メモ
アップルジャックの“Jack”は英語で「(アルコール度数を)増やす」という意味の言葉です。特に凍結濃縮法と呼ばれる伝統的な製法を指しています。ただし、凍結濃縮法は健康に害のある成分も増やしてしまうために、現在ではアップルジャックは一般的な蒸留酒法を用いて作られています。国によっては凍結濃縮法によって作られたアップルジャックが法律的に飲めないところもあるみたいです。
ジャックローズの歴史について
ジャックローズは1900年代初頭にニューヨークで誕生したカクテルであるということが有力な説となっています。
アップルブランデーをベースにしたバラのように赤いカクテルとして人気の高いジャックローズは、「カサブランカ」「麗しのサブリナ」などで知られるハリウッド往年の映画俳優ハンフリー・ボガードが生涯愛したカクテルとしても有名です。
ジャックローズのアルコール度数
ジャックローズは、アルコール度数が40度ほどあるアップルブランデーをベースにライムジュースとシロップの合わせるので、アルコール度数約20度となります。
カクテルとしてはそれほど度数の高いタイプではなく、女性でも飲みやすいカクテルの一つです。ただし、日本酒やワインがアルコール度数14%ほどでビールは5%ほどです。他のお酒と比較すると度数は高めのお酒ですので、飲み過ぎて後悔しないように十分気をつけてください。
ジャックローズのカロリー
ジャックローズのカロリーは、おおよそ129kcalといわれています。(参考:『ミスのためのダイエットパターン早分かり』)生ビールの中ジョッキ1杯のカロリーが145kcal、日本酒1合が200kcalですので、これらと比べるとカロリーの低めのお酒だといえそうですが、量も加味すると、量の割には少し高カロリーなお酒といえます。
ジャックローズのカクテル言葉
このジャックローズという名前から、とても情熱的でロマンチックなカクテル言葉をイメージした人も多いのではないでしょうか。
意外なことに、アメリカの開拓時代に誕生したジャックローズのカクテル言葉は「恐れを知らない元気な冒険者」というものです。
夢と希望溢れる日々をエネルギッシュに生きた男たちの思いが感じられます。当時の人たちは、ジャックローズの赤い色に、恋の情熱を表す赤というより、エネルギッシュでパワーみなぎる希望の未来をイメージしていたのかも知れません。
専門家の一言メモ
映画タイタニックの主人公の男女の名前が、ジャックとローズでした。一説によると、このカクテルから2人の名前をもらったとのこと。豆知識として覚えておくと、お酒の席が盛り上がりそうですね。
ジャックローズはこう飲む!美味しい飲み方解説

冷えているうちに飲みきる
ジャックローズはショートカクテルに分類されますので、冷たいうちに飲み切るのがおすすめの飲み方です。できるだけ出来上がったらすぐに、冷えているうちに飲むようにしましょう。
どうしてもゆっくり飲みたい場合は、まず出来上がってすぐのフレッシュな味をよく味わうようにしたいものです。
カクテルグラスの脚を持って飲む
ジャックローズは脚の長いカクテルグラスに注いで飲みますが、その際、上のグラス部分ではなく脚を持って飲むのが美味しい飲み方です。グラス部分を持ってしまうと、手の体温でお酒がぬるくてしまうためです。
安定感に不安があるときは、人差し指でグラスの底を支えるように脚を持つようにすると、安定感が生まれます。
専門家の一言メモ
ショートカクテルが、短い丈の小ぶりのグラスに入ったカクテルと勘違いしている人もいるようです。
しかし、本来の意味は時間をかけてゆっくり飲むタイプではなく、できるだけ短い時間にサッと飲むタイプのカクテルということなのです。その結果ショートカクテルは丈の短い小ぶりのグラスに入っていることが多くなります。
美味しいジャックローズの作り方・レシピ
ジャックローズの材料について
ジャックローズのベースはアップルブランデーですが、そこにプラスするグレナデンシロップはザクロと砂糖でつくられた、鮮やかな赤い色のシロップ。ジャックローズの真っ赤な色はこのシロップの色なのです。
ライムジュースが手に入らないときにはレモンジュースで代用できるので、覚えておくと良いでしょう。
ジャックローズの作り方
ジャックローズの基本的な材料は、
・アップルブランデー 30ml
・ライムジュース 15ml
・グレナデンシロップ 15ml
シェイカーに材料をすべて入れ、そこに氷もプラスしてシェイクします。その後、カクテルグラスに注いだら完成です。
美味しいジャックローズを作るポイント
ロックアイスを使用する
ジャックローズは氷を入れてシェイクしますが、ロックアイスを使用することで、中身が薄まりにくくなって美味しいジャックローズを作ることができます。
空気を混ぜてシェイクする
ジャックローズはシェイクするときに空気を含ませ白濁した状態がベストだと言われています。そうすることで舌ざわりも非常に良くなることが理由です。
空気を混ぜるためにシェイクは強めに素早く40回程度行うと良いでしょう。
味見をする
シェイカーに材料をすべて入れた時点で、一度バースプーンで味見をし、甘さと酸っぱさのバランスをチェックし、好みの味に整えるのがコツ。
生の絞り汁・ジュースを使うと高級感UP
ライムジュースの代わりに生のライムのしぼり汁を使うと、よりフルーティーでさわやかさが増します。
また、生のザクロが手に入ったときにはグレナデンシロップの代わりに生のザクロジュースを使用すると、高級感がグンとアップします。この場合は甘味の不足分をガムシロップで補ってもOKです。
さらに、美味しくするための2つのコツ
シェイクした後グラスに移す時のコツを2つ、お伝えします。
1つ目は、小さな固形物が省くため、ダブルストレインを行うということ。口ざわりがよりまろやかになるので、是非行いましょう。
2つ目は、シェイクする前にカクテルグラスに氷を入れておき、冷やしておくこと。美味しく飲むためには絶対にはずせないポイントです。
専門家の一言メモ
ダブルストレインとはストレーナー、つまり茶こし器のようなネットで小さな固形物をこしながらグラスに移すという方法です。これをやるとやらないとでは、口当たりが格段に違います。特に生のライムやザクロのしぼり汁を使用するときには、必ず必要と考えなければなりません。
ジャックローズのブランデーはどのように選ぶ?

ジャックローズはベースのアップルブランデーの味が引き立つため、品質のアップルブランデー、カルヴァドスを使用することが最適。カルヴァドスは世界三大ブランデーの1つといわれており、世界中にファンがいるブランデーです。
アップルブランデーはフランスの北部に位置するノルマンディー地方一帯で多く生産されていますが、カルヴァドスと名乗れるアップルブランデーは、産地呼称規制(略称AOC)によってカルヴァドス地域で作られたアップルブランデーだけと決まっています。
アップルブランデーはリンゴを原料とした蒸留酒で、味の調整には西洋梨を使用しています。カルヴァドス地方の歴史ある老舗ブラー社では、質の高いカルヴァドスを長年生産し続けています。
中でも特に人気があるのは、カルヴァドス ブラー グランソラージュ。3~5年寝かせた新鮮な原酒をブレンドしたもので、高い人気があります。

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専門家の一言メモ
アップルブランデーであればジャックローズは作れますが、やはりジャックローズといえばカルヴァドス。本格的な味を目指すなら、是非使いたいものです。味にこだわる日本のバーでも、カルヴァドスが使われることがほとんどです。
ジャックローズに似たおすすめのカクテル

カルヴァドスを使ったカクテル
カルヴァドスカクテル
材料
・カルヴァドス 20ml
・ホワイトキュラソー 10ml
・オレンジビターズ 10ml
・オレンジジュース 10ml
作り方
カルヴァドスとホワイトキュラソー、オレンジビターズ、オレンジジュースをシェークしてグラスに注ぎます。
カルヴァドスカクテルは、カルヴァドスをベースにしたショートカクテルです。リンゴの甘い香りとオレンジの酸味のある甘さ、ビターズのほのかな苦味が絶妙にマッチした一杯です。
アップルカー
材料
・カルヴァドス 30ml
・ホワイトキュラソー 20ml
・レモンジュース 20ml
作り方
カルヴァドスとホワイトキュラソー、レモンジュースをシェークしてグラスに注ぎます。
アップルカーは、正解的に有名なサイドカーのブランデーをカルヴァドスに替えたカクテルです。カルヴァドスならではの深いコクとレモンの酸味を楽しむことができる一杯で、ショートシェイカーで作ると飲みやすくなります。ただし、アルコール度数は高めですので飲み過ぎには注意しましょう。
コープス・リバイバーNo.1
材料
・ブランデー 40ml
・カルヴァドス 10ml
・スイートベルモット 10ml
作り方
ブランデーとカルヴァドス、スイートベルモットをステアしてからグラスに注ぎます。
コープス・リバイバーNo.1は、「死者」を意味する“Corpes”(コープス)が名前についており、「死者が蘇えらせるもの」という意味を持つカクテルです。1920年のパリの「リッツ・バー」のフランク・メイヤー氏が考案したといわれています。
エンジェル・フェイス
材料
・ドライジン 30ml
・カルヴァドス 15ml
・アプリコットブランデー 15ml
作り方
ドライジンとカルヴァドス、アプリコットブランデーを直接グラスに注いでステアします。
エンジェル・フェイスは、チャーミングな名前のカクテルですが、使用する材料は全てお酒ですので、アルコール度数は名前によらず高いのが特徴です。香りがよく飲みやすい一杯で、昔から人気のあるスタンダードな一杯です。
ノアノア
材料
・カルヴァドス 20ml
・クレーム・ド・ペシェ(ピーチリキュール) 20ml
・ココモ(ココナッツリキュール) 15ml
・生クリーム 5ml
作り方
カルヴァドスとクレーム・ド・ペシェ、ココモ、生クリームをシェークしてグラスに注ぎます。
ノアノアは、カルバヴァドスのリンゴの香りとクレーム・ド・ペシェのピーチの香り、ココモのココナッツの香りが絶妙にマッチした、南国の雰囲気を楽しむことができるカクテルです。口あたりは生クリームを使っているので、まろやかなのが特徴です。
ノアノア(ノア・ノア)はタヒチ語で「かぐわしい香り」を意味します。
ウイドウズキス
材料
・カルヴァドス 30ml
・ベネディクティン 15ml
・シャルトリューズジョーヌ 15ml
・アンゴスチュラービターズ 1dash
作り方
カルヴァドスとベネディクティン、シャルトリューズジョーヌ、アンゴスチュラービターズをシェークしてグラスに注ぎます。
ウイドウズキスは、カルヴァドスをベースに3種類のハーブリキュールを合わせたカクテルです。名前のウイドウズキスは「未亡人のキス」という意味を指し、カクテル言葉は「大胆」です。非常によい香りと甘い味わいを楽しめる一杯です。
アップルブランデーを使ったカクテル

ムーンライトクーラー
材料
・アップルブランデー 60mll
・レモンジュース 30ml
・砂糖 小さじ1/2
・ソーダ 適量
作り方
ソーダ以外の、アップルブランデーとレモンジュース、砂糖をシェークしてグラスに注ぎます。その後、ソーダを注いでレモンスライスを添えます。
ムーンライトクーラーは、アップルブランデーをベースにしたロングカクテルです。名前にクーラーがや月光を意味する「Moonlight」(ムーンライト)がついている通り、見た目は黄金色で美しく、清涼感のある夏にぴったりの一杯です。アップルブランデーとしてカルヴァドス使用するのもおすすめです。
ハーバードクーラー
材料
・アップルブランデー 45ml
・レモンジュース 15ml
・シュガーシロップ 5ml
・ソーダ 適量
作り方
ソーダ以外の、アップルブランデーとレモンジュース、シュガーシロップをシェークしてグラスに注ぎます。その後、ソーダを注いでレモンスライスを添えます。
ハーバードクーラーは、アメリカの地名である「ハーバード」の名を冠したロングカクテルです。爽やかな味で飲みやすいのが特徴の一杯。ムーンライトクーラーを同様に、アップルブランデーにカルヴァドスを使用するのもおすすめです。夏にぴったりのカクテルです。
マネッティ
材料
・ドライジン 10ml
・アップルブランデー 10ml
・ホワイトキュラソー 10ml
・生クリーム 30ml
・グレナデンシロップ 1dash
・レモンジュース 1dash
作り方
ドライジンとアップルブランデー、ホワイトキュラソー、生クリーム、グレナデンシロップ、レモンジュースをよくシェークしてグラスに注ぎます。
フルーティな香りとまろやかな口あたりが特徴のカクテルです。全体的にさっぱりしていますので、食事の前後関係なくいつ飲んでも楽しめるオール・デイ・カクテルです。白い色で綺麗な見た目をしており、飲みやすいので女性におすすめの一杯でしょう。
ソノラ
材料
・ライトラム 30ml
・アップルブランデー 30ml
・アプリコットブランデー 2dash
・レモンジュース 1dash
作り方
ライトラムとアップルブランデー、アプリコットブランデー、レモンジュースをシェークしてグラスに注ぎます。
ソノラは、ライトラムをベースにアップルブランデーを使用するショートカクテルです。名前のソノラは、スペイン語で「音、響き」を意味しています。鮮やかな黄金色をした見た目をしており、4種類の材料が絶妙にマッチした上品な味です。フルーティなカクテルですが、割と辛口な一杯です。
まとめ

真っ赤な印象的なカクテルは男女ともに人気の高いカクテルです。癖がなく誰もが美味しいと思える味わいなので、デートの時にチョイスすれば、きっと喜んでもらえるはずです。
また日本人はリンゴの香りはとても好きな人が多いので、お友達や恋人とバーへ行ってプレゼントしても喜ばれそうです。
自分で作る場合はグレナデンシロップの量を少し増やしライムジュースを減らすと、全体的に少し甘めの真っ赤なジャックローズに仕上がります。お酒の弱い人でも飲みやすくなるので、おすすめですよ。