身近にあるもので簡単に作れる自然農薬のレシピ!ここでは、根量が増え、大きく育ち、果菜類は糖度アップが期待できる!「生育促進」に効果を発揮するタンニン鉄について解説します。

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鉄ミネラルで野菜はイキイキ!株元に散布する黒い活力剤

水の中に少量の鉄(鉄クギや鋳鉄など)と茶葉を放り込んでおくと、数日で水が真っ黒に変色します。これが“タンニン鉄”です。

原液のままのタンニン鉄を、野菜の株元に水やり代わりに散布して利用します。茶葉に含まれるタンニンと結びついた鉄は、野菜の根から吸収されやすく、野菜の生長が大いに促されます。

三並清継さんをはじめ多くの菜園家のみなさんから“タンニン鉄を使って好結果”のお便りが編集部に届いています。
「山から流れてくる沢の水を与えて育てたサトイモは最高品質で味も格別。山にはタンニンが豊富な落ち葉が堆積しています。“これだ!”と思い、タンニン鉄を畑のサトイモにかけて育てたところ、収量が増え、粒のそろいもよく、とびきりおいしいイモが採れました。ただ、タンニン鉄の効能で雑草の勢いもよくなり、除草の手間は少々増えます」と、三並さん。

タンニン鉄はあらゆる野菜に利用できます。根の張りがよくなり大きく育つ、味がよくなる、糖度がアップするなど、様々な恩恵が得られます。

生育中の野菜の株元散布のほかに、定植前の苗の底面給水に利用するのもおすすめです。

材料

・お茶パック…3袋分
・鉄のクギ…10本くらい
・水…約20L

完成まで

約5日(水が黒くなれば完成)

使い方

株元に原液を散布する

POINT

定植時や結実期、収穫前に原液のタンニン鉄を与える

● 定植前に育苗ポットを浸して底面給水する。
● 定植後、活着を確認したら株周りに散布する。
● 開花や着果のタイミングで株周りに散布する。

● 収穫の10日くらい前に株周りに散布する。

以上のタイミングを基本に、雨がない時期には水やり代わりに適宜散布して、野菜の生長を観察する。

作り方

01 鉄と茶葉を用意する。鉄は鉄クギや鋳鉄など。錆びていても構わない。茶葉は出がらしでいい。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方
02 バケツに茶葉と鉄を入れ、水を20L注ぐ。フタがあれば閉じておく。徐々に水が黒ずんでくる。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方
03 3~5日経って水が真っ黒になったら完成。鉄は何度でも、茶葉は2~3回は利用できる。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方
04 容器に移して畑に持って行く。あまり日持ちしないので使い切り、必要時には再度仕込む。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方

+αの情報

摘果した青い渋柿を利用してタンニン鉄をつくる!

タンニン鉄づくりに必要な材料は、少量の鉄とタンニンを豊富に含む植物です。
写真は、三並清継さんが実践する、青い渋柿と鉄で仕込むタンニン鉄です。
「青柿をネットに入れてハンマーで叩き、鉄材とともに水に浸します。茶葉の場合は完成までに約5日。ところが、青柿では1日も経たずに水が真っ黒になりました。2日目に青柿の袋を引き上げ、完成としました。酸度計で測ったところpH4くらいで、茶葉使用の5日目と同じ酸度です」と、三並さん。

使い方は、茶葉と鉄でつくったタンニン鉄と同じです。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方
◆材料
・渋柿(摘果した青柿)…10個(約1.4kg)
・鋳鉄…適宜(古い鉄材を利用)、水…約20L

◆完成まで
1~2日
作り方
01 摘果した青い渋柿をネット袋に入れて、ハンマーで叩き割る。鉄は、自宅の倉庫にあった錆びた鋳物を利用。なお、クギを使う場合は、必ず鉄製のものを利用すること。鉄以外やメッキが施されたクギは不可。

02 水を加えると丸1日経たないうちに真っ黒になる。
青柿は数回利用でき、三並さんは3回の仕込みに利用。鉄は何度でも使用できる。タンニン鉄の使い方は茶葉の場合と同様。
自然農薬「タンニン鉄」の作り方

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