ヒット作を生み出し、多くのファンから“神”だと崇められる存在にも、憧れの人がいます。神が神として称賛する人物とは、一体どんな人なのか。
そしてその二人を巡り合わせることで、ヒットを生み出すためのスゴ技が明らかにできるのではないでしょうか?
今回お呼びしたのは、『25時、赤坂で』(祥伝社)の作者・夏野寛子さん。
累計130万部超えを記録し、2024年4月には実写ドラマが放送されている本作は、今最も注目を浴びているBL作品の一つです。
繊細でありながら目を惹きつけられる画と、キャラクターの心情をありありと描く表現力は、まさに神レベル。
そんな夏野先生に、憧れの存在について尋ねると「中学生の頃に出会った『のはらのはらの』(大洋図書)の作者・雁須磨子先生です」との回答が!
雁須磨子先生といえば、キャリア30年以上のベテラン漫画家。これまで『うそつきあくま』(祥伝社)や『オロチの恋』(幻冬舎コミックス)など数々の人気BL作品を手掛けてきました。
「雁先生が描く“攻め”キャラって、何を考えているのかがわからないところが最高なんです」と、目を輝かせながら語る夏野先生。
神の心を鷲掴みにした作品とは、一体どんなものなのでしょう。対談を実施し、お互いの作品の魅力やBLの原点、BL漫画を描き始めた頃のエピソードまで、余すことなくお話しいただきました。
しかし、肝心の“良いBLを生み出す秘訣”を聞くと「刺さる作品は意図的に生みだせない」「気持ちが乗る方向に、流されるまま描くのが大切」と意外なアンサーが。
神と神は、やはりレベルが違うのでしょうか……!? お二人の作品づくりの裏側に迫ります。
中2で雁須磨子作品に出会い、衝撃「“何を考えているのかわからない男”が好きなんです」
――今回、夏野先生に推し作家さんをお聞きしたところ、雁先生を挙げていただきました。
夏野寛子(以下、夏野):
雁さんを前にそう言われると照れますね…!
雁須磨子(以下、雁):
ふふふ。
夏野:
中学生くらいの時に『のはらのはらの』を読んでから、雁さんのBL漫画が大好きで。恐れ多くも挙げさせていただきました。
雁:
ありがとうございます……!
――おふたりは以前、『ダ・ヴィンチ』2022年5月号で対談していましたよね。
『ダ・ヴィンチ』5 月号にて、雁須磨子先生とボーイズラブについて色々お話する機会をいただきました!嬉しさのあまり3cmくらい浮きながら喋っています…☁️