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ルノーといえば「カングー」をはじめ、「4(キャトル)」や「5(サンク)」といったコンパクトカー作りに定評があるメーカー。

そんな小型車職人の同社が、電気自動車時代においても「小っちゃくて面白い車は任せろ」とばかりに、今年のパリモーターショーで話題をさらった3台のコンパクトカーを披露した。


一見単なるショーカー風だが市販の可能性も!? 早速見てみよう。

コンパクト電気SUVの道を開く一台

ルノーの面白すぎる「近未来EV」。車はNFTになり、ドアも窓もなくなる説。コンパクトカー職人が見る数年後
ルノー「4エバー トロフィー」

ルノー「4エバー トロフィー」


4(キャトル)といえば、誰もが乗れる安価な実用車を代表する一台。

1961年に誕生すると世界100カ国以上で800万台以上が販売され、都会でも田舎でも、通勤やバカンス、荷物の運搬など、多様な目的に使用されてきた同社を代表する名車のひとつ。

そんな4を、ルノーは「モダンで電気的な再解釈」によって蘇らせた。

水平グリルに丸いヘッドライトが内蔵されたデザインは中期以降の4を彷彿させるものだし、テールライトも4をオマージュした形状だ。

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一方で4と違うのは、SUVスタイルだということ。

そもそもこの「4エバー トロフィー」は、4の生産が終了した後に始まった「4Lトロフィー」というラリーの25周年に合わせ、「頑丈で冒険心をくすぐる」ショーカーとして開発されたもの。

だからルーフにスペアタイヤを載せていたり、リアにショベルがくくられたりしているのだけれど、どうやら単なるショーカーでは終わらないもよう。

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同社は「将来のルノー5(下記参照)とルノー4のマーケットでの位置付けは、現在のクリオ(日本名はルーテシア)とキャプチャーと同じようなものになる」としている。

また「都会でも田舎道でも安心して走れる、将来のBセグメント電気自動車のSUVへの道を開く」ショーカーだとも言う。

すでに「2025年までに新型電気自動車を10車種投入する」と発表しているルノーだが、4という名は、キャプチャーのようなコンパクトクラスのSUVモデルとして使用される可能性があるらしい。

ルノーの面白すぎる「近未来EV」。車はNFTになり、ドアも窓もなくなる説。コンパクトカー職人が見る数年後


使用予定の電気自動車用の新しいプラットフォームは、「デザインに妥協しなくていい」というし、案外この感じのまま出してくれそう!?

2025年まで目が離せない。

NFTにもなるドリフトマシン

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ルノー5(サンク)は、実用車である4とは異なり、核家族時代のコンパクトカーとして登場した2ドアハッチバック車。中身は4を踏襲したのが、デビュー直後から大ヒットし、何度もヨーロッパのベストセラーに輝いた名車だ。


そんな5が電気自動車として2024年に復活することは、既に2021年に発表されている。

そこにきて今年のパリモーターショーに、5をベースとした往年のラリーカーの名車「5ターボ」を彷彿させる「R5ターボ3E」がお披露目されたのだ。

ルノーの面白すぎる「近未来EV」。車はNFTになり、ドアも窓もなくなる説。コンパクトカー職人が見る数年後


「ドリフトのために設計された」というこの車は、5ターボ2の後継であることを示す「3」と、電気自動車であることの象徴である「E」を合わせた「3E」が名前に付けられた。

全長はわずか4mなのに幅は2mを超え、巨大なリアスポイラーくを備えたやる気満々のボディにふさわしく、後輪をモーターで回すと静止状態から100km/hに達するまでわずか3.5秒、最高速度は200km/h超という性能が与えられている。
 
ルノーの面白すぎる「近未来EV」。車はNFTになり、ドアも窓もなくなる説。コンパクトカー職人が見る数年後


一方で「ゲームのような世界感を数多く取り入れた、超ハイテクなデザイン」と言う通り、アナログメーターが10個も備えられたサンクターボに習い、10個のデジタルスクリーンがステアリング奥に備わる。

またスタートさせるには「Free Play」ボタンを押し、用意されているドライビングモードの名称も「Turbo」(ドリフト)、「Track invader」(プレイ)、「Donut」(360度スピン)と、遊び心満点。

おや!? 助手席に黒いテディベアの姿もある。「ドリフティ」と名付けられた彼は「R5ターボ3Eが本気でないことを示す演出」だという。

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……そう。残念ながらこのR5ターボ3Eの市販化の予定はないらしい。ただし、仮想ゲームの世界で活躍することが想定されていて、今どきなNFT(Non Fungible Token)のコレクションも用意される予定だとか。

まあ、ドリフト専用マシンを我々がこぞって買うことはないだろうが、まずは2024年に登場する電気自動車の5を楽しみにしておこう。


2024年に登場予定の5(手前)と、往年の名車5(奥)。


躍進するダチアの「公約」としての一台

ダチア「マニフェスト」


最後はダチアの「マニフェスト」。

ダチアはルノー傘下のルーマニアのメーカーで、近年特にヨーロッパ市場で快進撃を続けている。例えば同社を代表する車「サンデロ」の2021年のヨーロッパでの販売台数は、同じクラスの王者であるフォルクスワーゲン「ゴルフ」に次ぐ2位だ。

人気の理由は、ルノーや日産の技術や部品をうまく使うことで、ライバルに対して安く、それでいて高品質で、デザインも良いことにある。

そんなダチアがパリモーターショーで放ったコンパクトなコンセプトカー「マニフェスト」は、その車名の通り「我々の成功を築いた価値と品質を拡大しながら、アウトドア志向の高まる顧客の側に立つというブランドの目標を示す」というダチアのマニフェスト。



4輪で走るこの電気自動車は「シンプルでリアルな体験を提供する」ために、ドアも窓もフロントガラスもない。アウトドアを楽しむなら自然の中に身を置こう、というわけだ。

夜になったらヘッドライトをひとつ外して、トーチライトとして活用することもできる。パンクに強いエアレスタイヤを備え、車高をグッとあげて、悪路走破性も申し分なし。

また電気ポットなど家電を屋外で使う際にはバッテリーから電気が取れるらしい。外はもちろん、車内もホースで水をザッとかけて洗える防水性もある。




そうはいっても原始時代に逆戻りするつもりもない。

現代のマストアイテムである「スマホ」を車内にビルトインさせれば、カーナビアプリや音楽アプリが使えるようになるし、将来的にはスマホをキーデバイスとした多様なサービスを提供することも検討しているらしい。

まだコンセプト(マニフェスト)ゆえ、詳細は未定だが、確かにヨーロッパで人気のメーカーだけあって、見た目はグッド!

このテイストを継いだモデルが、同社らしく低価格なら日本でも販売してほしいところだが、今のところ同社の車が日本に正規輸入される予定はない。



確かにルノーと日産、三菱自動車と同じグループのメーカーが小さな島にひしめく日本ゆえ、ダチアの付け入る隙がないのかもしれないけれど、近年の快進撃が続けばいずれ日本にも!? 

まずはこのコンセプトカーとともに“ダチア”の名を覚えておこう。
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