4月14日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「花屋」をピックアップ。「絶対に行きたくなる花屋さん25軒」「1日お花屋さん体験」「著名人が語る理想の花屋」など、花屋にまつわるあらゆる情報を紹介しています。
今回は「花屋さんが使う符丁(隠語)」について紹介します。

突然ですが「花卉」という字を読めますか? 読めなかったら花屋好きは失格かもしれません。答えは「かき」。花を咲かせる草の総称で、園芸学では最初に学ぶ基礎用語。でも「卉」を読める人が少ないことから、「花き」と表記されるようになったそうです。

最初に基本を押さえたら、次にマスターしたいのが符丁です。花屋さんに伺うと、たとえば「表日」は花の仕入れがある日のことで、逆にない日のことは「裏日」。またアレンジに関するものでは、葉物で形状を作ることを「グリーニング」といい、造花にワイヤーを巻きつけることを「チネリ」というそうです。

少し変わったものだと、大阪府枚方市の「京阪園芸ガーデナーズ」の小山内さんが教えてくれた「いてまえ」。もともと関西弁で「やっつけてしまえ」という意味ですが、こちらはバラの剪定中に「枝をばっさり切れ」という意味で使うそう。少々ワイルドな符丁ですが、綺麗なバラを育てるためには、威勢の良さも必要なのです。

また、花の名前は略すことがほとんどだそうです。

チューリップは「リップ」、ラナンキュラスは「ラナン」、スイートピーは「ピー」、アルストロメリアやイブピアッチェなど、舌を噛みそうな花は「メリア」「イブピ」と呼ばれます。ちなみにスターチスのことは「チース」というそうで、もし花屋さんから「チース」と聞こえてきても、お店にギャル男がいるわけではないようです。

◆ケトル VOL.30(2065年4月14日発売)

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