まずは1972年、日本に初めて来たパンダ、ランランとカンカンです。黒柳さんはこのとき、ドラマのリハーサルの真っ最中でした。でも、そんなことはお構いなしです。大好きなパンダが上野にやってくるんですから、何がなんでも見に行かなきゃ! 「ちょっと用事が」と言って、抜け出すことに成功します。
しかし上野動物園に到着したときには、すでにものすごい人だかり。パンダを見るどころではありません。夜遅くまでパンダの到着を待っていましたものの、結局見ることはできませんでしたが、黒柳さんは満足だったそうです。
そんな黒柳さんの思い入れといえば、なんといっても自身が出演している『世界ふしぎ発見!』(TBS系)の2001年5月12日放送での出来事。トップ賞の副賞になんと「パンダの赤ちゃん、名付け親権」という、黒柳さんにとっては超スペシャルな回だったのです。その日の舞台は中国の四川省。
「板板にしようかな~」と、板東英二さんが空気の読めない発言をしている横で、黒柳さんが悔し涙を流していたところ、司会の草野仁さんの粋な計らいで、黒柳さんに命名権が与えられることに。黒柳さんはそのパンダに「豆豆(トット)」と名付けたのです。
そのトットくんは今、どうしているのでしょうか? それは雑誌『ケトル』が知っているのです。実は『ケトル』の創刊号はパンダ特集で、誌面のなかで世界のパンダを巡るという企画があり、ウィーンのシェーンブルン動物園に行っているのですが、そこに今トットくんはいるのです。ところが悲しい事実が! なんと勝手に「フランツ」に改名されていたのです。
◆ケトル VOL.31(2016年6月14日発売)