「いまはとにかく寂しいっていうのと、会いたいっていうのが常にあります(涙)。最初はこれからのこととか考えるようにしてたんですけど、一周回ってそれしか考えられない状態になって。亡くなったって聞いて、お家に行って顔を見たりしてるときは、まだここにいるなって感じがしてたんですけど、実際にお葬式に行って骨になっちゃって、形がなくなっちゃった瞬間から、いない現実を突きつけられた感じがして」
仕事がしばらく休みになった時期には、「死とは何か」がテーマになっている映画ばかり見ていたという安本。「自分のなかでは拠りどころっていうか、莉奈はメンバーじゃなくて友達だったんで」と語るように、安本にとって松野は特別な存在だったようだ。
「莉奈みたいに愚痴もなく弱音もない子は初めてでしたね。ホントにすごいと思う。一番素直だし、純粋だし。あの肌の色からわかる純白さっていうか、ホントにけがれもなくて。でもやっぱり、なんで先に行っちゃったんですかって気持ちが大きいですね。最初は寂しいがデカかったけど、いまは若干悔しくなってきて。莉奈と過ごした時間は私にとっては最高のものだったけど、莉奈にとっていいものだけじゃなかったのかとか、いろいろ考えちゃうとちょっと悔いが残るというか」
大切な友達を失った経験はいかにもショックだったようだが、安本は、
「いろんな状況に置かれるからアーティストは強くなるのかなって思ったので、これをきっかけにまた新しく変わって、絶対に売れなきゃダメだなって。売れるのが一番のプレゼントだって言われたし、もっと大きなステージに莉奈のお父さんお母さんも一緒に連れて行きたいです」
と、前向きな様子。
◆『クイック・ジャパン』vol.131(2017年4月24日発売/太田出版)