『ケトルVOL.45』に掲載された、放送作家として番組を支えてきた小西マサテルとの対談で、「打ち合わせで目も合わせてくれない」「『コーナーを全部変えて欲しい』と言ってきた」など、スタッフに心を閉ざしていたことをバラされた岡村。その理由について、岡村はこう語っている。
「尖ってたのにはちゃんと理由があるんですよ。当時、大阪から来たばかりで敵か味方かわからんような人が周りにたくさんおったんですよね。ANNが決まったときも知らん人が突然、『プッシュしてやったよ』とか言ってくるし。『ええ……誰?』って。だから東京の人を信じたらあかんと思ってました。厄介な存在やったと思います(笑)」
結局、目を合わせるようになるまで半年かかったという岡村と小西。当時はディレクターと大喧嘩をしたこともあったそうだ。
「当時はカッコつけて、フリートークは『フリーでトークすべき』と信じて疑わなかった。20代の若造が、『ノートなんて見たらあかん。フリーでしゃべってオチつけて、CMに入るってのがキレイな流れだ』と思ってましたから」
ディレクターに「今日のオチは何?」と聞かれた岡村が、「面白いと思ったところでジングルを入れるのがそっちの腕の見せ所でしょ」と答えると、ディレクターが「そう言うけど面白くないんじゃ!」と、ブチ切れ、下北沢のお好み焼き屋で大喧嘩になったのだとか。
「もしかしたらあの日がなかったら今のANNはなかったかもしれませんよね。お互いの印象が良くない中でいいラジオなんてできませんから。もしかしたら、あのままラジオに絶望していたかもしれない。お互い意見をぶつけて喧嘩して……。あの日を境に少しずつ変わっていったような気がします」
と、しみじみと振り返っている。
◆ケトルVOL.45(2018年10月12日発売)