「帽子ですか? 被りますね。僕の場合はソフトです。監督するときは大体ソフトを被ってる。僕の親父が映画監督で、監督するときいつもソフトを被ってたもんでね、その真似をしてるわけです」
クォータリーマガジン『パパス』への寄稿で、普段被っているトレードマークともいえる帽子のことをそんなふうに説明した伊丹さん。もしかしたら、彼にとって映画を撮るという行為は、幼い頃に亡くした父との対話だったのかもしれません。そう考えると、俳優、テレビマン、商業デザイナー、イラストレーター、CM作家、エッセイストなど様々な顔を持っていた伊丹さんが、最後に辿り着いたのが映画監督だったのは、偶然ではなく必然だったと考えることができます。
「この人は映画監督になるために生まれてきた人」
結婚したばかりの頃、宮本信子さんは伊丹さんによくそう言っていたそうです。映画監督・伊丹万作の息子だからこそ、映画を撮ってほしい。身近にいる人がそう思うのは、決して不思議なことではありません。しかし、伊丹さんは眉間にシワを寄せ、黙って笑っていたとか。
ところが、転機は突然訪れます。宮本信子さんのお父様のお葬式で、ふっとインスピレーションが湧き、それがそのままデビュー作に。
しかも、製作費を自己資金でまかなっていたというから驚きです。もちろん、それが実現できたのは映画が軒並みヒットしたから。『お葬式』『マルサの女』『マルサの女2』『ミンボーの女』『スーパーの女』の計5作品でそれぞれ10億円以上の配給収入を記録。日本映画史上でも類を見ないほどの高い打率を誇る映画監督でもあったわけです。
◆ケトルVOL.47(2019年2月23日発売)
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