「私は小さいころから絵本を書いたり、劇やショーを作って友だちに披露したりするのが好きで。そのときどきで、楽しいことを全力で表現しているだけなんです。たぶんそれらが、映画制作や文章を書くこと、女優業につながっていて。監督になりたい、女優をやりたいと思ったからというより、もの作りが好きで、それが今、たまたまこういうかたちになっている感じです」
監督でも女優でもいくつもの賞を取り、ドラマ、舞台、CMに出演。作家としても活動し、写真集も出すなど、まさにジャンルレスな彼女だが、中でも朝ドラへの出演は大きな財産になったようだ。
「朝ドラは作り方がすごく丁寧なんですよ。あれだけ長い歴史のあるTVドラマシリーズですし、期間も長い作品だからだと思うんですけど、準備・リハーサルをちゃんと毎回やって、本番があって……を繰り返して作っている。小道具も細く作られていて。その土台があるだけで、役者としてこんなにやりやすさが違うんだ、と感じましたし、本当に豊かな現場だと思いました」
女優を始めた頃は陰のある役が多かったものの、『まんぷく』に出演したことで、明るい役が増えたのだとか。ただ、これだけ幅広いジャンルで活動すると、大変なこともあるようだ。
「脚本が間に合わなくて、衣装を着たまま楽屋で書いたり……。それはそれで楽しいですけど、本来はひとつのことを頑張ることが一番いいとは思います。
新垣結衣に雰囲気が似ていることから、一部では「第2のガッキー」とも呼ばれる小川。有り余る才能を持つ彼女が大ブレイクするのは、もう時間の問題のようだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.145(2019年8月24日発売/太田出版)