稀見氏は、美少女コミック研究家、インタビュアー、ライター。
2017年に発売された『エロマンガ表現史』は、独特の言語感覚が発揮・要求されるエロマンガの表現の特殊性について、その歴史を丹念にたどったものだ。同書は全8章で構成されており、「『おっぱい表現』の変遷史」「『乳首残像』の誕生と拡散」「『アヘ顔』の系譜」「『くぱぁ、らめぇ』の音響史」など、その内容はまさに唯一無二。エロマンガに登場するオリジナリティ溢れる表現がいつ発明され、進化し、共通言語化したのかについて探っている。
講演会は、10月に予定されていたものが、台風の影響によって順延されたものだ。当日は、エロマンガが超えなくてはいけない壁=規制について考察。稀見氏は、
〈エロマンガ表現の最大の障壁=「規制」。しかし一方で、エロマンガ表現を一番進化させてきたのもまた「規制」であると言えます〉
とコメントしており、規制の歴史の推移と最新事例を軸に、そこから見えてくる日本文化のメンタリティや倫理観、そしてエロマンガにおける創造性や可能性について考えていく。
『「エロマンガ表現史」出張版・「表現と規制」のねじれた平行線』は2019年12月21日(土)、太田出版 会議室(新宿区愛住町22 第3山田ビル4F)にて開催。開場15:30、開始16:00、終了予定18:00。定員は先着25名(定員になり次第、締め切り)。