「確かにこの作品に出会ったことで、人に伝えるための言葉の選び方や使い方を改めて考えるきっかけにはなりました。この作品では『愛してる』という言葉が印象的ですけど、じゃあ私がその言葉の意味を全部理解しているかと言えば、そうではなくて。それくらい、言葉というのは多面的な捉え方がある。その上で、ヴァイオレットの視点を通して、愛の意味だったり、在り方だったりを見つめ直すことができたかなと思います」
基本的には「自分の想いで曲を作る」ものの、「歌詞は聞く人によってさまざまに感じ取ることができる玉虫色のもの」と語るTRUE。昨年は精力的にライブを行い、今年もワンマンが開催されるはずだったが、それも延期になってしまった。この状況をどう捉えているのか?
「これまで途切れることなく良いペースで活動できていたので、不安にもなりました。特に、映画が延期になったことに関しては言葉にならないくらい……。ただ、こうなった以上、私は万全の準備をして、時が来るのを待とうと。それで、新たな音楽の共有方法としてYouTube をはじめたり、リモートですけどボイストレーニングの回数も週一から週二に増やしたりして、基礎から見直しつつ楽曲制作を進めていきましたね」
つらい時期だったものの、この時間を決してムダにはしていないよう。来年1月には中野サンプラザでは『TRUE Live Sound! vol.4 ~Progress~』が予定されているが、どんなライブを見せてくれるのか?
「どのような状況になっても、みなさんの期待にきちんとお応えできるのが一番だなと思います。中野サンプラザでのワンマンは私の最初の目標です。
アニソン業界でも唯一無二の圧倒的な歌唱力を持つTRUE。豊かなポテンシャルを持つ彼女だけに、素晴らしいライブが期待できそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.151(2020年8月26日発売/太田出版)