同作で描かれるのは、第三次世界大戦を防ぐため、極秘のミッションに挑むスパイたちの活躍。構想に6、7年をかけ、アメリカ、インド、イタリア、ノルウェー、デンマーク、エストニア、イギリスの7カ国で撮影が敢行されましたが、誕生の背景にはノーランの“ライバル心”がありました。その人物は、1999年公開の監督デビュー作『アメリカン・ビューティー』でいきなりアカデミー監督賞を受賞したサム・メンデスです。
メンデスとノーランは互いに明言したことはないものの、フィルモグラフィを見る限り、ライバル関係にあると言えます。そもそも共通点が多い2人です。まず、共にイギリスの名門大学出身(メンデスはケンブリッジ大学、ノーランはロンドン大学)。監督デビューの時期も近く、同時期のハリウッドでヒットメーカーに成長しました。
最初に影響を受けたのはメンデスのほうでした。彼は新たに『007』シリーズの監督に就任すると、ノーランの『ダークナイト』(2008年)に影響されたシリアス路線でシリーズをリブート。そうして発表された『007スカイフォール』(2012年)は、病を患いながら戦う主人公を描いただけでなく、彼と対になる悪役が登場するなど、同年公開の『ダークナイトライジング』と類似点が多い作品となりました。
さらに、ノーランが『ダンケルク』をヒットさせると、メンデスも史実を基にした戦争映画『1917命をかけた伝令』(2019年)を公開。しかも戦場をリアルに再現しただけでなく、「丸一日で伝令を届けなければ味方は全滅する」というタイムリミットを設定して、映画に『ダンケルク』ばりの緊迫感を与えました。
こうなるとメンデスが一方的にノーラン映画から影響を受けているように感じるかもしれません。しかし、ノーランは大の『007』フリークとしても知られています。そんな彼が『スカイフォール』の成功を意識していないわけがなく、「あいつが俺に影響を受けた『007』を作ったなら……」とばかりにノーラン版『007』といえる『TENETテネット』をついに完成させました。
今後、この2人のせめぎ合いはどうなるのか。メンデスがノーランに再び接近するにせよ、まったく別の作風に向かうにせよ、どちらも要注目の才能であることは間違いありません。
◆ケトルVOL.56(2020年10月15日発売)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年10月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61-wQA+eveL._SL500_.jpg)
![Casa BRUTUS(カーサ ブルータス) 2024年 10月号[日本のBESTデザインホテル100]](https://m.media-amazon.com/images/I/31FtYkIUPEL._SL500_.jpg)
![LDK (エル・ディー・ケー) 2024年9月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51W6QgeZ2hL._SL500_.jpg)




![シービージャパン(CB JAPAN) ステンレスマグ [真空断熱 2層構造 460ml] + インナーカップ [食洗機対応 380ml] セット モカ ゴーマグカップセットM コンビニ コーヒーカップ CAFE GOMUG](https://m.media-amazon.com/images/I/31sVcj+-HCL._SL500_.jpg)



